好評だった前回の『スーパーファミコンおすすめRPG15選・マイナー編』に続き、
追加の第二弾として今回はお勧めのマイナーRPG10本を厳選してご紹介します。
選出するにあたり、重要視したのは何か。
SFCのRPGは、それなりに楽しめるものは数多くあれど、
今時のRPGと比較すると色んな面で粗削りなものばかり。
でも、発展途上だからこそ、多様な意欲作が生まれた時代です。
今回のチョイスは『今やっても目を見張るものがある』と感じられるような、
単純に楽しい以外の尖った要素を持った、SFC時代ならではの作を選出してみました。
※市場を鑑みない完全に個人的なセレクトです
※五十音順に掲載
スーパーファミコンのRPGは大まかに下記のような歴史を辿っていて、
ソフトの発売日から、どのような時期に発売されたのかが参照できます。
・1991年~1992年前半…前期
FF4や、ゼルダの伝説 神々のトライフォース、ロマンシングサ・ガ等が台頭。
・1992年後半~1994年…中期(発展期~全盛期)
不思議のダンジョンやカプコン製RPGなど、様々なタイプのRPGが世に放たれた。
・1995年…後期(全盛期~衰退期)
PSが発売されるも勢いは衰えず、後期ならではの数々のクオリティ高い名作が生まれた。
・1996年~…末期
NINTENDO64が発売されたこともあり、それ以降は一気に発売本数が減っていった。
※当サイトにおけるスーパーファミコンRPGですが、アクションRPG(以下、A・RPG)やシミュレーションRPG(以下、S・RPG)も『RPG』として取り扱っています。
(例)サーク、初代熱血硬派くにおくん、スーパードラッケン、ファイアーエムブレム、フロントミッション、魔神転生など
1:エストポリス伝記II
発売日:1995年2月24日
発売元:タイトー
発売時期:後期(全盛期)
『ドラクエゼルダ』とも呼ぶべき良質王道RPG
フィギュアスケートの羽生結弦選手が『自分の中のゲームの原点の1つ』と語ったことで名が知れるようになり、マイナー作から脱却したかもしれませんが、まずはこの一作。翌年に出たエナジーブレイカーといい、この頃のタイトーは光っています。このゲームは、ベースはオーソドックスなRPGながら、戦闘面はドラクエ・ダンジョンはゼルダ、といった感じで、他作の良いところ取りをしたような構成になっており、それが綺麗にまとまっているところが最大の長所であると言えます。更に、音楽も良質、ストーリーも秀逸(特にエンディング)と、全ての要素が高水準ながら、難易度は易しめなので、万人向けの安心して遊べる一作です。本作のみでも楽しめますが、前作とストーリーが密接しているので前作をプレイするとより楽しめると思います。ちなみに、結婚要素や、おまけダンジョンとして不思議のダンジョン要素もあり。色々と意欲的に他作を取り込んでいるのがうかがえますが、とりわけドラクエ5の影響を大きく受けている感がうかがえます。
エストポリス伝記II(SFC)
タイトー 1995年2月24日
2:サンサーラナーガ2
発売日:1994年7月15日
発売元:ビクターエンタテインメント
発売時期:中期(全盛期)
『世界とは、命とは』をテーマとしたシナリオ力が光る、竜と人間の物語
本作は入れようかどうか少し迷いましたが、この今なお胸に残る感慨は他作にはなかなか無いと思い、ピックアップ。本作の魅力は、何と言ってもディープなシナリオ。振り返ってみれば、親子愛と友情、そしてそれをくるんだ壮大な運命の物語で、ラストバトルの竜の台詞は恐らく一生忘れることはないと思います。子供に文字通り餌を与えて育て上げる、本格的な育成が楽しめるのも稀有な魅力で、その子供が育って前線で戦えるようになるのもまた感慨深いです。音楽も個性的ながらまた良く、最初は『何だこりゃ』という感じでしたが、終わってみれば、これらの音楽だからこそ光った一作だったと思えました。グラフィックもファミコンのようで最初は『何だこりゃ』という感じでしたが、途中から気にならなくなり、進めば進むほどハマっていく、そんな作品でしたね。レベルの上がらない主人公、壊れる装備、モンスターを捕らえて換金or竜に食べさせて成長させる、などシステム面も独特で、間違いなくオンリーワンなゲームです。この作はこちらのページでより詳しいレビューを行っているので、詳細を見たい方はどうぞ。
サンサーラナーガ2(SFC)
ビクターエンタテインメント 1994年7月15日
3:新桃太郎伝説
発売日:1993年12月24日
発売元:ハドソン
発売時期:中期(全盛期)
個性ある要素が盛り沢山ながら骨太のシナリオの、SFCの和風大作RPG
和風RPGからは、こちらの作をセレクト。本作の魅力は、ダークながらも光るシナリオ、絶好調システムや人気度システム・タクティカルウェザーバトルなどの数多い意欲的なシステム、良質な音楽という、総合力の高さにあると思います。ファミコン版の桃太郎伝説もかなりの良作感がありましたが、本作はスーパーファミコンというプラットフォームを生かしたグラフィックと、印象的なオープニングで、初っ端からグイッと引き込まれました。ライトな印象のある桃太郎シリーズからすると心えぐられるようなシリアスな展開は意外にも思えますが、あれやこれやと道中にはミニゲームが詰め込まれ、要素が盛り沢山の豪華な内容も同時に胸に刻まれていきます。仲間の数も多く、総じて賑やかで華やかな印象ですが、制作陣の意欲がビシビシとゲームを通して感じられると思います。エンカウント率の高さやキーレスポンスの悪さなどのマイナス点もありますが、ドラクエ形式のRPGが好きな方には『間違いない』と思える一作です。
新桃太郎伝説(SFC)
ハドソン 1993年12月24日
4:ソウル&ソード
発売日:1993年11月30日
発売元:バンプレスト
発売時期:中期(全盛期)
真のエンディング必見!自分ならではの自由な冒険を楽しめるフリーシナリオRPG
本作は、30種以上のシナリオと10種のエンディングが用意されたフリーシナリオシステムが魅力のRPGで、特徴は何と言っても『冒険』を楽しむことに特化されているところです。時間の概念があり、プレイヤーはリアリティある時間進行があるなかで、思い思いの冒険を楽しめるのが醍醐味となっていて、エンディングをいつでも迎えることが出来るというのも他作ではなかなか無いシステム。ゲームとしての完成度は有名RPGには適わないところですが、キャラクター一人一人の個性がしっかり確立されているなかで、数多くのシナリオをこなしていくと冒険の舞台丸ごと感情移入していくこと請け合い。そして存分にパーティーの物語を楽しんだ末に迎えることが出来る真のエンディングは、SFC屈指の魅力的なエンディングだと思っています。数多くのイベントをキャラクターと同じ目線で楽しんできて感情移入した後だからこそ得られるこの感慨…甘酸っぱさと感動と達成感、そして冒険が終わる寂寥感を、ぜひ味わってみてください。
ソウル&ソード(SFC)
バンプレスト 1993年11月30日
5:ソウルブレイダー
発売日:1992年1月31日
発売元:エニックス
発売時期:前期
『再生』する喜びの中からほんのりとした温かみや切なさをもらえるアクションRPG
本作は、のちに『ガイア幻想紀』『天地創造』と続くクインテット三部作の第一作目です。SFC前期の作でグラフィックはそれなりですが、まさに『ダイヤの原石』と呼称すべき内容がこのソフトの中に詰め込まれています。魅力は、殺伐とした世界に生物や建造物を再生させていき、その生物たちと交わすハートウォーミングな内容がまず前面に立ちます。ただの勧善懲悪ではない深みあるシナリオで、輪廻転生とは、命とは、破壊とは、など考えさせられる内容であるところも、また魅力。そして、再生する喜びを得られる中で、至るところに散りばめられたちょっとしたエピソードの中から、ほんのりした温かみや切なさをもらえる…そんな作です。ゲーム性としては簡易的なゼルダの伝説のような感じでアクション性は高くなく、素朴で地味な印象もありますが、『原石』だからこそシンプルかつダイレクトに訴えかけてくる本作ならではの良さがあります。まさに、『RPGの魅力はグラフィックの美麗さや派手な演出だけではない』を体現した一作であると言えるでしょう。また、大人になってからプレイするとより深く味わえるとの呼び声もある一作です。
ソウルブレイダー(SFC)
エニックス 1992年1月31日