9:ダークキングダム
発売日:1994年4月29日
発売元:日本テレネット
中期(全盛期)
魔王軍に視点を据えた異色の物語ながらも、高いドラマチック性が光る一作
勇者が魔王を倒す物語ではなく、魔王が勇者を倒す物語というのは当時斬新で、目を引いた一作でした。設定が斬新なだけでなく、おどろおどろしく硬派な音楽(個人的には本作の音楽はかなり好きです)、厳めしくダークなビジュアル周りと、魔王軍をベースとした雰囲気造りも徹底されています。また、会話は実際に放たれる声だけでなく心の声も描写されていて、人間模様ならぬ魔族模様がディープに描かれているのも本作の大きな魅力。RPGとしては粗のある部分が多く、エンディングの内容には賛否の分かれる問題作的な位置づけもある本作ですが、シナリオの魅力は他作にはなかなかなく、自作の『ダークフィクション』は本作の影響を大いに受けています。魔王軍側にも魔王軍側の物語がある……というのがうかがえる内容となっています。
ダークキングダム(SFC)
日本テレネット 1994年4月29日
10:ダンジョンマスター
発売日:1991年12月20日
発売元:ビクター音楽産業
発売時期:前期
リアルタイムなダンジョン探索感が他作に無い緊張感を生み出す
このゲームは3Dダンジョンがベースで、一見ウィザードリィのような感じですが、特徴的なのは戦闘画面が無く、その場でアクションゲーム感覚で敵と対峙するところ。また、『時間』の概念があり、移動や戦闘、休息など、すべての行動において時間の経過が発生するところ。敵と戦っていたら、横から別の敵に攻撃されて、体力が無くなってきたので逃走し、遠くで休息を取っていたら先ほど戦っていた敵が追ってきていて、攻撃によって叩き起こされる…なんてことが普通に起こり得るゲームです。さらに、空腹度や喉の渇きといった現実的な要素もあるため、まさに生身の人間が実際にダンジョンの中を探索しているようなサバイバル感覚も楽しめます。SFC初期の作なので粗削りな部分は多いですが、この『ダンマス』にしかない独自の緊張感は他作では味わえない楽しさです。
ダンジョンマスター(SFC)
ビクター音楽産業 1991年12月20日
11:デア ラングリッサー
発売日:1995年6月30日
発売元:メサイヤ
発売時期:後期(全盛期)
シミュレーションRPGの密かな名作、考えさせられる分岐シナリオ
当時、シミュレーションRPGは有名なファイアーエムブレムを始めタクティクスオウガやフロントミッションなど名作がいくつかありましたが、そんな中でマイナーながらも個人的に深く印象付けられた一作がこちら。絵はファイアーエムブレムのようなアニメタッチですが、本作で特徴的なのが、マルチシナリオ・マルチエンディングである点。しかも、少しストーリーが違うだけなどではなく、立場がガラリと変わるので、全く違ったストーリーを楽しむことが出来ます。また、音楽の質も高く、ストーリー内容もドラマチックなので、心に刺さること請け合い。個人的には、大ピンチだった時に軽快な音楽と共に仲間が増援で駆けつけてくれた感動が今でも忘れられません。難易度は辛口ですが、シミュレーションRPG好きにはお勧めの一作です。
デア ラングリッサー(SFC)
メサイヤ 1995年6月30日
12天使の詩 ~白き翼の祈り~
発売日:1994年7月29日
発売元:日本テレネット
発売時期:中期(全盛期)
ケルト神話の世界をベースに、テーマが『愛』の物語を良曲が彩るRPG
恋愛要素好きで音楽重視の自分はこの作を候補に挙げました。この作品を最初プレイした時は、アニメシーンが押し出されていて『おおっ』となりました。それもそのはず、原作がPCエンジン。本作はテーマが『愛』で、作品全体としてほんわかとした雰囲気ながら、ケルト神話の世界がベースとして入っていて、台詞回し含め結構エッジが効いています。それでいて音楽が良く、『ん?どこかで聞いたようなテイスト』と思ったらテイルズシリーズの桜庭統氏が音楽担当でした(特に『ボス戦』の音楽がテイルズっぽい上にアツい一曲なので必聴!)。リアル寄りのアニメ絵で恋愛物語を繰り広げる、それを良曲と、ドラクエライクのとっつきやすいシステムで包んでいる…… その柔らかくも尖った雰囲気がこの作の魅力だと思っています。特に音楽の底上げ力が大きい一作だと思います。
天使の詩 ~白き翼の祈り~(SFC)
日本テレネット 1994年7月29日
13:魔神転生II SPIRAL NEMESIS
発売日:1995年2月19日
発売元:アトラス
発売時期:後期(全盛期)
女神転生×シミュレーションRPGの合体に加え、高いクオリティを実現した秀作
前作の魔神転生は、女神転生をシミュレーションゲーム化した作ということで、個人的にはセンセーショナルな一作でしたが、その印象のみが前面に出ていたという感じでした。今作では要領を掴んだのか、全てにおいてクオリティがアップし、有名作のファイアーエムブレムと比較しても遜色ない出来栄えに感じました。豊富な悪魔の種類、戦略性の向上、壮大な規模のストーリー、マルチエンディング設定、スタイリッシュなBGMと、魅力は多岐に渡り、女神転生とシミュレーションゲームが好きな方はまずハマること間違いありません。後出のデビルサバイバーシリーズが好きな方も同様、楽しめる一作だと思います。SFCのシミュレーションRPGではかなり高い水準を誇っていると思います。
魔神転生II SPIRAL NEMESIS(SFC)
アトラス 1995年2月19日
14:ミスティックアーク
発売日:1995年7月14日
発売元:エニックス
発売時期:後期(衰退期)
おとぎ話のような世界を孤独に旅する、雰囲気の良さが突出したRPG
この作は『エルナード』という作品が前身にあたる一作ですが、クオリティは段違いです。まず、SFC最高峰と言っても過言ではないドット絵グラフィックの美麗さ。また、様々な個性ある世界を冒険する楽しさも魅力の一つ。そして、何と言っても本作の魅力を語る上で欠かせないのが、音楽の良さ。今は亡き『薄命の天才』と呼ばれた森彰彦氏の数々の音楽は本作の魅力に大きく貢献し、個人的に非常に惹かれました。ただ、世界観が寂しげで、仲間含め主人公は一切喋らず、登場人物の心情などはプレイヤーの想像に任せられた側面もあります。ですが、おとぎ話のような世界の登場キャラクターは寂寥感漂う世界観だからこそ一人一人魅力的に感じられ、『次は一体どんな世界が待ち受けているんだろう?』というドラクエ7にも似たワクワク感・冒険感を楽しめるのは、本作ならでは。本作は是非音楽にも着目してみてください。
ミスティックアーク(SFC)
エニックス 1995年7月14日
15:ラプラスの魔
発売日:1995年7月14日
発売元:ビック東海
発売時期:後期(衰退期)
ホラー×RPGという異色ながら、クオリティが高次元でまとめられた作
この作は、ウィザードリィやソードワールドのようなダークな雰囲気が好きな方は、グラフィックを見ただけで『おっ』と胸が高鳴るのではないでしょうか。本作の舞台は、ファンタジー世界ではなく現実の場所ですが、システム的にはドラクエ×ウィザードリィのような馴染みやすいスタイルで、経験値やお金の概念もあり、しっかり『RPG』しています。そして肝であるホラーという要素は、例えばダンジョンであれば幽霊屋敷、敵であればゾンビやゴーストといった形で表現されていて、グラフィックもおどろおどろしさが良く表現されています。展開もガチホラーで、もう文章の書体からしておどろおどろしいです。時代背景もあるのか遠慮した表現ではなく突き抜けてしっかり『ホラー』していて、それが上手くRPGと融合しているのが本作の評判を高めている作の力ではないでしょうか。戦闘に物理戦闘と精神戦闘という属性の概念があったり、謎解き要素があるのも本作の特徴で、ホラー面含め、やや大人向けな内容だと思います。
ラプラスの魔(SFC)
ビック東海 1995年7月14日
いかがでしたでしょうか。
SFCのRPGで楽しめるマイナー作はまだまだ沢山あります。
スーパーファミコンのおすすめRPGは第2弾もありますので、
よろしければそちらもご参考までにご覧になってみてください。
【マイナー編】第2弾!スーパーファミコン(SFC)おすすめRPG10選はこちら
スーパーファミコン(本体)
任天堂 1990年11月21日
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コロンバスサークル 2018年4月20日
レトロフリーク BASIC(SFC用)スタンダードセット
サイバーガジェット 2018年10月31日