魔天伝説 ~戦慄のオーパーツ~(SFC)の展開

83.魔天伝説 ~戦慄のオーパーツ~(SFC)の展開

魔天伝説 ~戦慄のオーパーツ~の展開

オープニング~秋葉原

ゲームスタート。
主人公のキャラグラフィックが決められるのが面白く、
自分は茶髪の今風でとっぽそうなキャラをチョイス。

と、いきなり3Dゴリゴリの顔が出てきてビビった

何だこいつは!!

主人公も同じことを言っていたが、自分はSFCのドット絵全盛の時代に
実写取り込みのようなグラフィックが敵キャラとして出てきたことの方に驚き。

そして気付いた場所は、見知らぬ部屋の、見知らぬ怪しいおっさんがいるところ。

早速荒廃した町を散策してみることにしたが、
なるほど、雰囲気といい音楽といい、
これは確かに真・女神転生を意識したことは疑いようもない

敵と戦ってみると、大して苦戦はしないもののあまり数多くは戦えないくらいの戦力なので、
怪しいおっさんのいる場所を拠点として
ビビリながらちょっとずつ行動範囲を広げていく。

たまに通りすがりの人と出会うが、
キャラのグラフィックがリアルな上に、結構な人数が描かれているのが凄い。
一回しか会わないような通りすがりの人にも専用グラが用意されているとは……

あと、絵の感じが何だかリンダキューブアゲインを彷彿とさせる。


ある程度エネルギーが溜まってきたのでそれを活用しようとしたが、
説明書を読まずにプレイしている身としては
ステータスがPPやらPSやらで意味が分からない。
武器をいじろうとしたがこれもまたよく分からず、
いじれたと思ったら逆に攻撃力が弱くなったのでリセット。

これはなかなかに…… なかなかなソフトだぞ、と感じたあたりだった。

それにしても、道が似ていて迷いそうになる。
ダンジョンはやたらと広く、東京駅の地下に潜入したが、地下六階ほどまであり……

東京駅ってそんな深かったっけ??


戦闘面では、最初は回復薬を作るエネルギーをケチって
こまめにおっさんの元に戻り、何度もタダ泊をしていたが、
ケスパラが加わってから少し冒険が楽になり、遠出がしやすくなる。

その後ギロチーナが加わったら、一気に戦闘がイージーになった。

大回転斬りが強力過ぎる!!

ここまで来るとスタート地点まで戻って回復するのはさすがに効率が悪過ぎるので、
自作で回復アイテムを作るようになった。

新宿~広島

新宿に入ったら、さすがに敵が強くなってきた。

相変わらずギロチーナの大回転斬りは絶賛活躍中だったが。

ここでは新宿御苑の行き方が分からず、30分くらいうろうろしていた。

何とか南西の方で場所を見つけたが、
道なき道を進む感じでどう見ても分かりづらかったので、
同じように迷った方は相当数いると感じられる(そもそもプレイヤーの絶対数が少なそうだが…)。

ここの中ボスの大ヘビはヒロインが警告してくれただけあって確かに強かったが、
主人公はひたすら防御力を高め続けていたおかげで
みんな20くらい食らった尻尾攻撃が主人公だけ5ダメージで済んだりしていた。

その後、ボス戦でなぜか風神雷神が出てきたが、楽勝。

この先どういう展開が待っているんだろう?と少しワクワクしていたが、
唐突にテレポートする展開になり、
唐突に場所が広島に移り、面食らってしまった。

秋葉原 → 新宿 → 広島
という展開は誰もが驚くと思う。
女神転生が東京主体の話なので尚更面食らったのかもしれないが、
ここは大きく女神転生と差別化されている箇所だろう。

しかし、間にもっと自然な展開をかませられなかったものだろうか……

しかも、その広島の地はあまり広島らしさを感じることなく、
とにかく虫の敵ばかりでグロテスクだった印象ばかりが残り、
気付いたらボスを倒して次の地へ移っていた

この扱いは広島にとってはどうなんだろうか……

長野~京都

ここまでの展開を見るに、どうやら本作は各地を渡り歩く流れのようだが、
『次の地はどんな冒険が待っているんだろう?』という
ドラクエ7に似たワクワク感があったのは本作ならではの醍醐味だった。
日本列島が丸ごと浮くという設定も面白いが、全国各地を回るというのも面白い。

長野は、植物の敵が多い地だった。
広島は虫で、長野は植物で、という設定は面白い。

ただ、防空壕の中が無駄に広く、しかもうねっていて、
LRキーでの左右移動が出来ない本作ではこれが物凄くストレスだった

真・女神転生では当たり前に出来た左右移動が出来ないというのが
これほど不便なものだったとは……

そして、臨場感を出すためか分からないが、敵も人もいないガラ―ンとした防空壕を
あんな広い設定にした意味が何かあったのだろうか。

ただ、本作はその分、変に親切なところがあって、
例えば、後ろ向きに歩いても背後にある扉を抜けることが出来る点。

また、行き止まりで壁の方向から敵が現れた際は
壁の方向に敵がいるという不自然さを消したい思いからか
わざわざ前方が開けた横にグルッと向き直し
そちらに敵が現れるという不思議な設定もあった。

京都は、これまでの旅で一番苦戦した場所だった。

鬼のパーツの中ボス戦連発もなかなかキツかったが、ダンジョンがやたらと広く、
また、敵は硬くて連続攻撃をしてくるやつらばかりで、
さらに経験値も低かったので攻略のし甲斐もなく、早く終わらせたい地だった。

そしてボスは未だかつてないほど強く、初めて全滅した。

ヒロインの強力な魔法攻撃が無ければ突破不可能と思えたほど。

他のメンバーは火力があてにならないのでほとんど回復要員にさせて、
MPの回復薬であるコーヒーをヒロインにとにかくがぶ飲みさせて
ヒロインはひたすらドラゴンラインのMAXパワーを連発するという、シュールな戦い方をしていた。

コーヒーの役割がここまで重要なRPGは本作以外無いと思う。

魔天伝説 ~戦慄のオーパーツ~画像3

九州~四国

今までは広島とか長野とか県名表記だったのに、
九州とか四国とか急に地方表記になり、投げやり感を感じる。

そして九州は舞台が一気にファンタジーになり、
『この作のぶっ飛び感もついにここまで来たか』と感じざるを得なかった。

九州と一括りにされたのも酷いが、
他の地域との差別化が出来なくなったのだろうか……

虫や植物などが出て、次に何が来るとか思えば、まさかの恐竜とは。

ここでは武器屋や防具屋が出現したのも面白かったが、
何を買おうとしてもことごとく『お金が足りません』とあしらわれるのが面白かった。

音楽も味わい深くて面白い土地だったが、
あまり話を膨らませることは出来なかったのか広島並に短く、一気に突破。

次に訪れた四国は、これまで見た中で一番風変わりだった場所で印象的だった。

四国だから四つのダンジョンという設定にしたのか分からないが、
ダンジョンに行かなくてもいきなりボスと戦えるというのも面白かった。

ただ、何もしないでボスに挑んだら、あまりに強過ぎて瞬殺される……

そのボスの攻撃の破壊力は、実にラスボスよりも強力なくらいだった。

九州とは真逆で、ここは近未来な感じで面白い地だった。

四国らしさは欠片も無かったが。

4つのダンジョンにそれぞれ役割があり、踏破するとボスが弱くなるという設定も面白かった。
不老不死になった代わりに動けなくされた人間の設定もショッキングで印象的だったが、
助けようが助けまいがストーリー上の変化は特になかったので、これは何かしら盛り込んでほしかったな。

ダンジョンを踏破する順番を間違えると大変なことになるとか、
正しい順番でクリアすると人間が助けられて何か大きな褒美が貰えるとか、
ボスを倒す援護をしてくれるとか、色々と膨らませることは出来たと思う。

こんな大変なことになっているにも関わらず
主人公たちの会話のノリが軽く、そこもどうかなと感じたところだった。

十和田湖~北海道

十和田湖は次なる場所への中継地点のような場所で特に大きなイベントは無かったが、
洞窟を抜けた先がなぜか合戦中の大阪城近辺(富士の樹海?)。

弁慶外伝並の無茶な大移動。

そしまさかの徳永家康の登場!

テレポートできるわ、時空は超えるわ、距離感無視するわ、自由な時代の一作とはいえ……

こう考えると逆に、ファンタジーとはいえ世界観に破綻が無く
しっかり確立されていた女神転生は偉大だったんだなあ。

序盤の荒廃的な雰囲気はどこへやら……

新品のノートを買って最初は丁寧に書くもだんだんと崩れていくかのように、
抑えきれないポップさが漏れ出てきている感じで、シュールだった。

主人公達の会話も「何であんなザコに勝てないんだ?」などと相変わらず軽いし、
火炎のキリンからはゲームのメタな質問がされて、
もはや世界観もへったくれも無かった

そのポップさとは裏腹に、敵はかなり強くなってきていて、
特に大阪城の四つ目の門番はかなりの強さだった。

ただ、そこのボスはラスボスのような風情を漂わせていて、
音楽もそれっぽいので、実際『まさかのまさか、こいつがラスボスなんじゃ?』と思ったりもしたが、
ラスボスじゃなかったし強さも大したことなかった。

最後の地、北海道は"でっかいどう感"を出したかったのか
とにかくダンジョンが広かった

敵も硬く、経験値は多いものの色々とインフレし過ぎで
魔物の仲間が空気になってきている。

このあたりから、魔物を倒した後に後ろから新たに魔物が現れるという演出が入るようになり、
最初は感心したものの、高確率で出現するのでうざったく感じるだけになった。

しかも、ヒロインの魔法が通じない敵まで現れるようになり、
ヒロインは攻撃手段が魔法しかないので
アイテムを使うか防御するしかないのも厄介だった場所だった。

IDカードを手に入れてからがちょっと詰まった感覚になり、
三ヶ所にいる固定の魔物達を倒せば先へ進めたのだが、
特にそれらしいアナウンスは無かったので、あれは何かしら欲しいところだったな。

そして、このあたりからついに主人公たちのステータスがカンストするようになってくる……
あのステータスのゲージに意味はあったのか
ゲージがMAXまで行かずに途中でカンストしてそれ以上伸ばせなくなるので
そういうところももどかしく感じていた点だった。


ここのボスは、何かやたらとグロテスクだった。
制作者は一体どんなセンスをしているんだ……
あのビジュアルにしたのは何か意図があったのかもしれないが、
ぶっ飛び過ぎて自分にはまったく理由の想像はつかなかった。

音楽も物凄く奇妙な感じだったな。

月~エンディング

はぁー…… か……

話をどんどん広げていくRPGって、大体行きつくところは宇宙になるよなあ……
スラップスティック然り。

逆に宇宙から始まって秋葉原で終わったら斬新だと思うんだけどな~。

このラストダンジョンにもあたる場所は、意外にも呆気なく終わった。

まあ、ステータスがほとんどカンストしていて
もうザコ敵との戦い甲斐もなくなっていた状況で、ホッとした気持ちの方が勝っていたけど。

ラストバトルは、この作らしいというか、
最後まで風変わりなところを見せつけてくれた戦いだったが、
事前に『困った時は上』という謎のアドバイスを心に留めていたおかげで
大して詰まることなく倒すことが出来た。

横に回り込むことが出来たのも斬新だったが、
ボスがわざわざクルッとこっちを向いたのには笑ってしまった笑

そして最後に壮大な種明かし(というほど大した話でもなかったが)をされてから
エンディングへ。


エンディングは何と、
これまで出てきたキャラ達が、通りすがりの人物含めて全員紹介。

何故にそんなことを……?!

しかもその場の音楽付きで、当時を回想しやすくなっているというアルバム仕様

まあ確かに、この作のグラフィックは紹介に値するくらい凄かった。

実際エンディングで振り返ってみても、
このビジュアルのラインナップは他のゲームで見たことがない

近未来的なキャラに、妖怪っぽい敵、虫や植物の敵、徳川家康に、恐竜……

何というか、伊豆にある怪しい少年少女博物館を彷彿とさせるような異質さがあった。

摩訶摩訶もかなり異質だったが、ある意味それをも上回るかもしれなく、
そういった意味では、本作は凄い作なのかもしれない。

…やっぱりそんなこともないか?

最後に、ヒロインはラスボスに辿り着く前に普通にカフェイン中毒で死ぬと思う。

コーヒーを飲んだ数は100杯や200杯どころじゃなかった。

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