42.スラップスティック(SFC)レビュー・感想・評価
■タイトル:スラップスティック
■発売日:1994年7月8日
■開発元:クインテット
■発売元:エニックス
■定価:9,600円(税抜)
■個人的ランク:B
プロローグ・あらすじ
無限に広がる大宇宙の何処かにある小さな星『極楽星』。
この星にある『ロココ町』はそれなりに文明の進んだ町で、
人々はここで幸せなひと時を過ごしていた。
だが、その平和も長くは続かなかった。
町に悪の軍団『ハッカー』が姿を現れ、盗みや破壊と言った悪行を重ね始めたのである。
しかも彼らに何処からやってくるのか、そして真の狙いが何なのかも分からず。
人々の不安は増すばかりだった。
そんなロココ町に発明家の父を持つ少年は引っ越してきた…。
父のような立派な発明家になる為に…。
本作の見どころ
- ・主人公の制作したロボットが戦闘パートを担当する独自のシステムが面白い。
- ・ロボットのカスタマイズ、アイテムの発明・合成、戦闘時に出るカプセル取得の時間制限など、他にも風変わりなシステムが盛り沢山。
- ・起伏のあるストーリー展開。コミカルでポップな世界観ながら、ドラマチックな展開が楽しめる。
- ・等身大で馴染みやすいともシュールとも言える台詞回し。小ネタが随所に盛り込まれている。
スラップスティックの総評
何とも風変わりな、RPGの中でも独自性のかなり強い他とは一線を画したゲーム性だった。楽しさ・面白さとしては正直魂を揺さぶるほどの高ぶりは得られなかったが、コンパクトにまとめられた世界観の中、淡々と楽しめたと思う。
見た目はポップでコミカル、子ども向けのゲームのように思えるが、台詞回しや音楽などに関しては概ねその雰囲気に則っていたように思うが、相反するように戦闘の難易度は高く、雑魚敵の異様な強さに悲鳴を上げることもしばしば。そしてストーリー展開は前半はほんわかのんびりとしているが後半は一気にシリアスになり、見た目に反して壮大になっていく。ただ、ユーモアのある展開やどこか緊張感の無い台詞回しは終始変わらず、優しげな印象の作としてまとまっていた。
現代のゲームの細かい作り込みと比べるとどこか大味でざっくりした印象も残ったが、RPGとしてはなかなかの出来。戦闘パートを担当するロボットが可愛く描かれていて愛着が持てたが、もっとそれぞれに個性を出せても良かったように思う。
■関連商品
スラップスティックの音楽
古代祐三氏が手掛けた、メロディアスながらも世界観にしっかり則した音楽ばかりでかなり雰囲気を盛り上げていたように思う。代表的なのはオープニングテーマでありレベルアップした時にも流れるテーマか、一番作の雰囲気を表していたように思う。戦闘のテーマも戦闘とは思えないほど凄くコミカルで、子どもの運動会にも使えそうな感じの曲調だった。
それに引き換え、幽霊屋敷やダンジョン(特に後半)はコミカルな戦闘曲がギャップを感じてしまうほどのシリアスな曲調。シリアスなストーリー展開を盛り上げていた。特に印象的だったのは村人の踊りすら思い起こす南の島のシュールな音楽だったかな。あとはオッペケペッポッポーと聞こえるラスボスの曲……
スラップスティックのシステム
前述したように、色々と風変わりなシステムが多い。まずは主人公が子どもなので、戦闘はその主人公が作ったロボットが担当するという点。サイドビューなのだが、手動でマス目を動き回って攻撃しに行く、LIVE A LINEのようなシミュレーションスタイルになっている。後ろから攻撃するとダメージが大きかったり、時間制限のあるカプセルが現れたり、シンプルなわりに戦略性が求められる。そして、ロボットの性能はポイントを自分で振り分けたり、連続技を自分で決めたりなどのカスタマイズ性があるのも面白い。
戦闘はシンボルエンカウントで、敵を倒して経験値やお金を得てレベルを上げたりするのはオーソドックスなRPGスタイルだが、お金は主にアイテムや装備の開発費用に使われる。難易度はかなり高めで、特にボス戦は序盤から苦戦を強いられるのが見た目とはギャップがあるキツいところ。
ただ、全体的なボリュームはそこまで大きくはなく、推定だが20時間ほどあればクリア出来そうな感じ。ゼルダの伝説のように、制作したアイテムを駆使して罠や仕掛けを突破したりなどの些細な謎解き要素が多いのも特徴。
次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介
※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
- 1
- 2