98.ジャンヌ・ダルク(JEANNE D'ARC)(PSP)の展開
ジャンヌ・ダルク(JEANNE D'ARC)の展開
序章
オープニング、初っ端からショッキングなアニメーションが展開される。
子供が闇落ちするのは結構抵抗があるな……
側近のベッドフォードがいかにも悪だくみしそうなビジュアル。
後で調べたら実在の人物で驚いた。
ヘンリー6世はともかく、こんな描かれ方をしていて本人にとってははさぞ不愉快だろう…
早速最初のステージを突破したが、思ったより少数VS少数のバトルだった。
これから大規模になっていくのか知らないがマップも狭く、
こじんまりとしたシミュレーションRPGというのが初見の印象。
村に戻ったら村が燃えているというのはお決まりといえばお決まりの展開だけど、
正直これは予想していなくて驚いた。
もっとドンレミ村の模様が描かれるかと思っていたけど、
まさか祭りのシーンだけで終了とは……
そしてステージ2で、いきなりまさかのゲームオーバー。
原因はジャンヌがやられてしまったためなんだけど、
まさか司令官のボスが動くとは思わなかった……
完全にファイアーエムブレムの先入観のせいだ。
登場人物の印象としては、ジャンヌは想像通り男勝りな感じで、
リアンは気弱な感じで、職業としてはシスターとかプリーステスとかが似合いそうなイメージ。
ロジェはヒーロー的立ち位置?そのわりにはちょっと冴えない印象だったが…
第一章 伝説の始まり
ジャン、ベルトラン、コレ、マルセル、ジル、と、次々と仲間が増えていく。
各キャラの印象は次の通り。
■ジャン
頼もしそうな槍使いという感じで、実際2マス先まで攻撃できるのは当時貴重で、重宝していた。
■ベルトラン
同じく頼もしそうな剣士。ジャンとペアで最後まで一軍としてよく使っていた。
■コレ
顔ヅラが嫌な盗賊系っぽい男。回避力が高いのはいいが戦闘力は低く、最後まで二軍。
移動力もあったが、この男が先陣切ってもなあ……
■マルセル
遠方攻撃できる貴重な弓使い。ただ、キャラは子供っぽい感じであまり好きではなかったな。
攻撃力も高くなく、支援攻撃程度だったので、どちらかというと二軍寄りだった。
■ジル
怪しげな顔立ちをした槍使い。裏切りキャラかと思っていたが、
裏切りどころか物語の主要格のようで、意外なポジションだった。
あんな個性的な顔立ちじゃなかったらもっと重宝していたかもしれないが…
ステージとしては、ジルを助けるのがちょっと面倒だった。
NPCあるあるだが、大した戦闘力もないのに勝手に単身敵陣に挑んでいくため、
こっちは戦略そっちのけで回復に向かってあげないとならない。
(しかも助けてあげたい感じの人物でもなかった…)
ステージ5では、あと一人、ジャンヌがゴール間近まで来たというところで
ターンオーバーになり、ゲームオーバーに。
タルボットの相手なんてしているんじゃなかった!!
一回目は戦略的に安全を取って遠回りして進軍していたが、
二回目は正面の橋を突破する方法で進んでみたが、
この方法でもタルボットを倒しながらもクリアすることが出来た。
第二章 救世主
このあたりでは、次々と砦を攻略していた。
とにかくくどかったのが、タルボット。
このおっさんは結局何回戦場に出てきたんだろう……
5回? 6回?
このゲームは死亡・生存の境目がよく分からなくて、
味方側は基本的にはやられても死亡することはなく、
次のステージでは元気満々な姿で復帰できるが、
NPCのモブキャラはやられると死んでいるような描写があったりする。
が、このタルボットのおっさんにおいては
毎回『このおっさんもこれで最期か…』と思わせておいて
普通に復活してはこちらを閉口させてくれていた。
しかも強いので、毎回登場するたびにゲンナリしていた。
仲間には、ラ・イールとルーファスが加わる。
ラ・イールはライオン型のキャラで、これまではずっと人間しかいなかったので
他種族の人物も仲間になるんだなと思ったが、最初はあまり愛着が持てずに育てていなかった。
だが、わりとストーリーの前面に出てくる人物だなと知り、
後半以降は戦士キャラの要として育てるようになってくる。
足が遅いのが難点だが、良い壁役で、重装兵的な感覚だった。
章の終盤、アルトア平原というフリーマップが出現する。
『どれ、戦力の底上げをするか』と軽い気持ちで挑んだら、
敵が揃いも揃ってデタラメな強さで吹いた。
このゲームは一度ステージに突入すると引き返すことが出来ないので進めるしかないのだが、
ただでさえこのゲームはレベル補正が大きいので敵との能力差が著しく……
こちらの攻撃は30%の確率でダメージが0なのに対し、
敵の攻撃は85%の確率で94ダメージ。
話にならない。
が、3すくみを利用したら思いのほか戦えて、
何とクリアできてしまった。
結構3すくみがエグい。
強烈なレベル補正を覆せるからこれはこれでいいのかもと思ったが、
敵の属性が偏っていたら極端に簡単になってしまうゲームだなと感じた。
第三章 嵐の中で
ここではベアトリスとパルテルミー、リシャールが加わった。
■ベアトリス
見るからにマルセルより有能そうなアーチャーという感じで、
彼女が現れてからはマルセルは即二軍入り。
ただ、キャラ的には特別好ましいという感じではなかったな。
■パルテルミー
ベアトリスとペアということ以外は何も個性の無かった斧使い。
ラ・イール&ルーファスと合わせてサジマジバーツを彷彿とさせる。
斧使い三人もいらないっての。
■リシャール
良き年配の参謀という感じで、
貴重な魔法使いであり、変身も出来るので最後まで一軍で重宝していた。
彼の魔法による貢献はとんでもなく大きい。
この章はステージ数は少なくあっという間だったが、
リシャールが加わったステージ14は結構印象深かった。
リシャールは一人ではとても持ちそうになかったので本隊と合流させ、
挟み撃ちの様相になっていたが、リシャールのいない側は壁役でせき止めておいて
まずはリシャール側を叩いて後方の安全を確保してから攻略した。
スリンカーは面倒くさいことに逃げながら魔法を使って攻撃してくるので
残ターン数が少し気になったが、マップの隅まで追い込んで、袋にして何とか打破。
この章ではコロッセアムが出現したが、三回戦目以降は無理そうだったので、
レベルが上がるまで放置しておくことにした。
そして、この章のラストにはとんでもない展開が待ち受けていた。
この展開は突飛で、これまで淡々と進んできたストーリー展開をガラッと変えるもので、
かなり衝撃的だった。
強引といえば強引な展開だったが、アニメーションムービーは今でも頭に残っている。
このあたりからグッとストーリーが面白くなってきていた。
第四章 聖女の資格
ここのステージ16の沼での戦いは、メンツといい、音楽といい、
作中トップクラスと言っていいほどよく覚えている。
士気が下がっている状況を陰鬱とした沼というロケーションで上手く表現されているような気がした。
どこか、ファイアーエムブレム覚醒の10章のステージを彷彿とさせたな。
次のステージのシャルル七世を守りながら進む戦いでは苦戦が予想されたが、
思った通りしんどかった。
シャルル七世が戦況も考えずグイグイ勝手に先に進んでいくので、
やられないよう先回りして敵を倒していかないとならない。
敵軍にはアーチャーもいたので、かなり嫌らしいステージだった。
シミュレーションあるあるだけど、NPCを守りながら戦う条件のステージが一番しんどいんだよね。
そしてシャルル七世は「あっは!」と笑う、
世間知らずなワガママ王子という印象で、どうもいけ好かない人物。
こんな存在を守りながら戦うというのもまたモチベーションが上がらなかった。
その次のステージのパリ城門での戦いも結構苦戦したな、
敵の弓矢攻撃や魔法攻撃が手痛く、2~3人ほどやられての突破になってしまった。
アルトア平原で結構レベルが上がっていてのこの有様だったので、
レベルが低かったらかなり厳しかったステージかもしれない。
ストーリー面では、ジルの離脱、ステージ分岐など、見応えある場面が続く。
作中一番の山場と言ってもいいかもしれない。
シミュレーションRPGは基本一本道のストーリーが多いので、ステージ分岐は嬉しかったな。
自分はどっちがどっちだかあまり読まず、サン・ピエール・ムーティエへ進み、
そこでキャリーが仲間になったが、
どっちの選択肢がどんな内容かは振り返れる設定だったら良かったなと思う。
キャリーはリシャール同様貴重な魔法使いで、初っ端から一軍参入。
それと、リアンにスポットが当てられた章でもあった。
『ジャンヌ、見てる?』と心の中で呟いて涙ぐみながら拍手していたのが印象深かったな。
ロジェに『そばにいてよ!』と泣き言を言ったり、
リアンは前々からロジェに気があったのかな?
普段はジャンヌの陰に隠れて大人しく佇んでいた印象だった彼女も、
前面に出たら隠れていた内面が表に出てしまっていたかのようだった。
ジャンヌは何も考えていなそうだったが、ロジェはジャンヌを想い、
リアンはジャンヌを頼りながらもロジェを想い…という三角関係だったのかなあ。
第五章 黒い炎
ここは…… 衝撃的な章だった。
信じられなくて、半分以上、
被害者は別人だったとかそんな展開を考えてしまっていた。
史実だと、ジャンヌダルクは実際本作のような結末を辿るんだね。
でもそれだとそこでゲームは終わってしまうから……
理屈では分かるが、この展開はあまりに悲しすぎる。
四章のジャンヌの轍を踏まないようにするためか、強引な話の進め方をしていて、
それによる犠牲者も現れてしまっていたので、正直好感度は下がってしまっていたが……
しかし何の咎もないとは言えないとはいえ、
好んでなった立場じゃないうえに本人なりに頑張ってきた結果がこれでは、
あんまりじゃないだろうか。
これに対するロジェの対応にも腹が立った。
崖から落ちて不在だった人間を恨んでどうするんだ、と。
しかし、ヒーローキャラかと思ったけどとんだダークヒーロー……
いやヒーローですらないか。
まさか妖しげだと思っていたジルの方が良識人だったとは。
ここはステージは二つしかなく、特に苦戦した場面もなかったが、
獣人三人衆のスリンカーは相変わらず逃げてばかりで戦いづらかった。
三人衆のブレイズはラ・イールとのエピソードが語られていたけど、
モーラとスリンカーに対してはよく分からなかったな。
三人とも元からの悪ではない感じだったけど、
それならもっと掘り下げてもいいのにと感じた(スリンカーは別に要らないが)。
第六章 死を纏いし者
ここから、ガマールが戦闘に参加できるようになる。
一回も使わなかったが。
そしてジャンヌがなぜか露出度高くして復活。
どう見ても戦闘能力的には下がったように見えるが、
何であんな魅せキャラにさせたんだろう……
ここからはイギリスVSフランスというより人間VS魔物という様相になってきて、
この章では死神戦が主だったが、
ストーリーとしては正直ダレてきてしまったあたりかな。
エストマ戦ではいきなり死神とジャンヌが一対一になっていて、
それを左右から仲間が追いかけるという面白い構図に。
仲間は二軍で進めたが、左側を向っていた仲間二人が戦力不足で二人ともやられてしまい、
右側を進んでいた仲間二人とジャンヌの三人だけで死神と戦ったが、
死神は強さこそ大したことなかったものの毎ターン回復量が異常で、
あとちょっとで倒せるというところで、ターン数オーバーでゲームオーバーに……
悔しかったので一軍を投入したが、さすがの戦力で五人とも生存したままボスを倒せた。
次に、ジョルジュと戦闘。
ジョルジュ…… ファイアーエムブレムでは好きな名前だったが、
本作ではただのデブった嫌なやつだった。
このステージも眠っていた魔物を次々呼び覚ましていくという面白い展開だったが、
最後に出てきたドラゴンが想定外の強さで、
やられる前にジョルジュを倒そうとしたが
こいつも倒したと思ったら死神に変化するという想定外で、またもゲームオーバーを喫してしまった。
さすがにあのドラゴンと死神ジョルジュのダブルは相手できなかったので、
ドラゴンのところに行かれる前にジョルジュを倒して死神に変化させる。
死神ジョルジュ一人だと大したことなかった。
次のステージではセルヴォーと戦ったが、ここは普通に突破。
第七章 翻弄
大詰めを迎えてきている章だった。
船に乗り込むステージ27では、
やけに小さい船だったので半々に分かれて乗り込むのかと思いきや、そうではなく、
『それじゃ手前にある船に全員乗った方が得じゃないか』と思ったら
途中からその手前の船が勝手にいなくなってしまったうえに増援も現れ、ちょっと焦る。
無事クリアはしたが、本作は予期出来ない展開が少し多い。
あまり度が過ぎるとシミュレーションの趣が無くなる気がするが…
ステージ28は街の中での戦闘だったが、
街の模様もシミュレーションマップを使用すると、ただの街の人も敵キャラに見えてしまう…
このステージでは動きを封じる敵やワイバーンの攻撃がキツく、
二人もやられてのクリアになってしまった。
ストーリー分岐ではアルロンの森を選択。
まあ特に苦戦した箇所は無かったかな。
攻略を見たらアルロンの森ルートの方がやや簡単らしかったが…
そしてこのあたりで、コロッセアムを再戦してみた。
前回は絶対突破できないと思っていた3回戦も余裕で突破出来て、
パーティーの大きな成長が感じられる。
以降もわりと敵の強さはインフレせず、二軍でも進められる程度で、
10回戦まで普通に突破できてしまった。
本作はクリア困難と言えるほどの難所がなかなか無いので、
コロッセアムくらいはラストバイブル3の百魔組手くらい歯ごたえがあっても良かったかな。
第八章 約束
ラストの方だけあって、見応えある展開が続いた。
変身・スキル・バーニングサイト封印は
『スキル封印だけやたらと痛手だなー』という感じ。
変身は別に無くてもそこまで支障は無いし、
バーニングサイトなんて『これって封印されるものだったんだ』という感じだった。
変身は解除せず放置したままクリア。
この後は、怒涛の6連戦でさらに盛り上がる。
脳内世界とはいえ、あのリアンの表情は凄まじかった。
仲間としても参戦するところが泣ける。
さすがに6連戦で無理はさせられないと思ったのか各ステージは余裕だったが、
最後だけ少し厄介だったかな。
とはいえ誰一人倒されず突破。
ラストはロジェのレベルが低かったので上げながら先へ進む。
一軍が敵を弱らせ、とどめだけロジェにさせていた。
さすがにラストだけあって雑魚敵一人一人が強く、
全空間攻撃を放ってくるやつもいて焦ったが、一回目で突破。
ラスボスもかなりハードだったが、周りの敵は無視して
ラスボス一点集中で倒した。
ラスボスはさすがの耐久力で、並の戦士の攻撃では歯が立たなかった。
変身した主要キャラのスキルと魔法攻撃が要だったかな。
アルトア平原のドラゴン戦でも大活躍したが、
リシャールのサイクロンやキャリーのフレイムがとにかく強力で、
これがあると無いとでは難易度にかなりの差が出たと思った。
エンディング。
晴れやかな終わり方といえば終わり方だったが、
リアン……
とにかくリアンのことが胸に残ったまま終えた一作だった。
逆を言えば彼女がいなかったらそこまで心に残らない一作になってしまっていたかもしれないが、
とはいえ、何らかの措置があってもよかったんじゃないかなと思っている。
どうすればこんなことにならなかったか……など、
史実があるのでそれを前提にされたら身も蓋もないが、悶々と考えてしまった。
それと、『これで終わりか……』という物足りなさも少し残った。
キャラの掘り下げ不足だったり、クリア後の要素の少なさだったり、
要因は色々あったと思うが、
ドラクエ11のような展開が用意されていてもよかったんじゃないかと思ったり。
この時代のPSP作にそこまで求めるのは酷か。
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