ジルオール インフィニット プラス(PSP)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

95.ジルオール インフィニット プラス(PSP)レビュー・感想・評価

ジルオール インフィニット プラス画像1

■タイトル:ジルオール インフィニット プラス
■発売日:2009年1月22日
■開発元・発売元:コーエー
■定価:5,280円(税込)
■個人的ランク:A

プロローグ・あらすじ

ディンガル皇帝バロルの支配により、闇に覆われかけたバイアシオン大陸。

バロルの孫であるネメアは、魔王バロルに立ち向かうと、見事これを打ち破る。
そして、戦友であり叔父でもあるエリュマルクを皇帝にすえ、自らは補佐に回った。
人々は勇者ネメアを讃えたが、エリュマルク帝はネメアの才をねたむようになる。

エリュマルク帝はネメアを陥れるため、次々と難題を課した。
ネメアはそれらをことごとくやってのける。
ある日エリュマルクは、絶世の美女イズをさらってくるよう命じる。
ネメアは美しいイズを連れて戻った。
だが、イズはエリュマルクに心を開かず、その視線の先にはネメアがいた。
嫉妬に狂ったエリュマルクは、ついにネメアの処刑を言い渡す。

ネメアは姿を消し、そして、エリュマルクはイズを殺した。

エリュマルク帝がネメアに課した無理難題を、人々は「12の難事」と呼んだ。

本作の見どころ

ジルオール インフィニット プラス画像2

  • ・自由度の高いフリーシナリオシステム。プレイヤーの行動次第で物語が変化し、様々な結末が見られる。
  • ・リアルタッチの個性豊かで魅力的な登場人物達。親密度があり、物語に奥行きを与えている。
  • ・緻密で重厚な世界設定。歴史や人物などの背景設定の作り込みが精緻でリアリティがある。
  • ・様々な人物の思いが交錯する複雑なシナリオ。細かいイベントも多く、その数は数百種に上る。

ジルオール インフィニット プラスの総評

かなりのめり込んだ一作だった。『冒険感』が存分に味わえるフリーシナリオシステムが魅力的で、特に物語中盤あたりは夢中になったほどだった。一般的にはイベントは主人公の周囲で起こるものだが、本作は主人公の行動とは別に世の中(歴史)が動いていくところにリアリティがあり、趣深い。何気ない場所で唐突にイベントに巻き込まれたりするのは、スカイリムを彷彿とさせる。主人公の行動次第で仲間が敵になったり、その逆もあったりというのも他作ではなかなか無い面白味。ゲーム性としてはソウル&ソードにも近しい気がする。また、登場人物との関わり方によって多種多様なエンディングに到達するというゴール設定も面白い。登場人物はリアルなタッチで描かれ、個人的には好みだったのだが、女性キャラクターが魅力的な人物ばかりで『歴史ものRPGギャルゲー』と呼べなくもなかったが、それも楽しめた要素の一つだった。

反面、致命的にロード時間が長いという欠点もある。人によってはそれだけでクソゲー判定をしてもおかしくないほど。イラストは綺麗だが、3Dポリゴンも粗めで、そこも少し気になったところ。また、フリーシナリオのわりに物語の大きな本筋は一本道に近いので、まったく異なる物語が用意されていたらなお良かった(容量的に厳しいだろうが)。

舞台の設定がしっかり整っていて、ファンタジー世界の中でみんなそこに実在して営みを繰り広げているかのようなリアリティがあり、本質的にはとても優れた作品だと思うので、リメイク・シリーズ化してもいい作に思える。ファンタジー世界の冒険もの、ロマサガのようなフリーシナリオシステムが好きな人には特にお勧め。

ジルオール インフィニット プラス(PSP)

コーエー 2009年1月22日

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ジルオール インフィニット プラスの音楽

オーケストラ調の壮大さを感じる曲の数々で、作風と合っていて聴き心地の良い曲ばかり。曲数もかなり多く、街それぞれにも専用BGMが用意されているのがいい。反面、ダンジョンは数の多さのわりに曲数は物足りなく、『またこの音楽か』と感じることが多々あったので、そちらにももう少し曲数が欲しかった。ワールドマップの音楽が、物語前半は爽やかさすら感じる素朴なテーマなのに対し、物語後半に入ると状況の深刻さを物語るかのようにガラッと曲調が変わるのが印象的で、世界の変異感を音楽を通して感じることが出来る。

個人的に好きだった音楽は、前半のワールドマップ曲の『世界』、ウルカーンの都市の音楽の『故郷』、賢者の森の音楽の『仲間』あたり。超常的な存在に挑んでいる感ムンムンの『古神』や、アルノートゥンの音楽『聖地』も印象的だった。通常戦闘曲の『闘志』も特別刺さるものではなかったものの、何度も聴くことになるわりには飽きの来なかった一曲で良曲だったと思う。

ジルオール インフィニット プラスのシステム

画面は見下ろしのTPSビュー形式で、フィールドの概念はなく、ワールドマップ上の行き先を指定して現地へ向かうロマサガのような形式。プレイヤーの行動次第で異なる展開や結末が見れるフリーシナリオシステムもロマサガ同様で、歴史的イベントがその時の立場によって違った展開を迎えたりする。基本的には、各街にあるギルドで仕事の依頼をこなしていき、時には未知なる場所を探索し、時にはモンスターを討伐しながらパーティーを成長させていき、時折訪れる歴史的イベントをこなしていくゲーム進行となる。

戦闘はシンボルエンカウントで、敵味方両方が見渡せる立体的なクォータービューのような戦闘画面。コマンド選択式のオーソドックスなバトル形式。パーティーは4人編成で、数あるキャラクターの中から好みのキャラクターの編成ができる。攻略難易度は高くはなく、しっかり経験値稼ぎを行っているとヌルゲーになってしまうほど。ただ、冒険途中に分不相応な強さの敵キャラと出くわすこともあり、下手に接触すると瞬殺されてしまうことも。幸いなのが、ワールドマップ以外は基本的にどこでもセーブができるところ。

本作のもう一つの特徴としてソウルシステムがあり、ソウルポイントのパラメータの振り分けによって宿せるソウルが変わり、戦士タイプや魔法使いタイプなどプレイヤー好みのキャラクターを育成することが出来る。また、登場人物には親密度があり、その高さによって迎えるイベントやエンディングに変化が起こる。エンディング数は物凄く多く、全てのエンディングを迎えるためにはかなりのやり込みが必要となる。

次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介

※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、
多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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