真・女神転生V(Switch)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

94.真・女神転生V(Switch)レビュー・感想・評価

真・女神転生V画像1

■タイトル:真・女神転生V
■発売日:2021年11月11日
■開発元:アトラス
■発売元:セガ
■定価:9,878円(税込)
■個人的ランク:B+

プロローグ・あらすじ

主人公は都内に住む高校三年生。
全寮制の縄印学園に通いながら、平和な毎日を送っていた。
ある日、友人たちと共に下校路にある品川駅を通り抜けようとするが、
近くで殺人事件が発生したらしく、駅は通行止めになっていた。
主人公は別行動を取った友人を探し、付近のトンネルを訪れる。
そこで起こった崩落事故。
事故に巻き込まれた主人公は、気を失ってしまう。

目を覚ますとそこは、荒廃し砂漠と化した東京だった。
そして主人公は、異形の存在、『悪魔』に襲われる。
逃げ惑う主人公の前に突如として現れた謎の男。

「少年、死にたくなければ手を取れ」

その手を取った瞬間、二人はまばゆい光に包まれ融合を果たす。
禁忌の存在『ナホビノ』へと変貌したのだった。

いったい東京に何が起こったのか?
ナホビノとはいったい?
真実を求め進むうち、主人公は世界の未来を賭けた
神と悪魔たちの戦いに身を投じることになる。

本作の見どころ

真・女神転生V画像2

  • ・オープンワールド感覚の広大なマップに悪魔たちがはびこる、新しいメガテンの世界が楽しめる
  • ・『3』を彷彿とさせる重厚なストーリー。世界の在り方を問う壮大な選択がプレイヤーに迫られる。
  • ・美麗なグラフィック。歴代・新悪魔が3Dで縦横無尽に動き回る。
  • ・快適なUI、緊張感あるバトル、悪魔育成の醍醐味、安定したメガテン特有の楽しさも健在。

真・女神転生Vの総評

メガテンは個人的に好きなシリーズで、ほとんどの作はプレイ済だが、本作はなかなかに楽しめた一作だった。『東京』の設定が面白く、ミマンシステムや御厳・神意システム、サブクエストなど飽きさせない要素が詰め込まれている。本作で大きな特徴と感じられたのが広大なフィールドで、オープンワールドとまでは言えないものの、広範囲にわたってシームレスにフィールドが展開されている。また、シンボルエンカウントのシンボルとなる悪魔は鮮明に描かれ、翼のある悪魔は空を漂うなど、悪魔の造形に応じた動きをするのが生々しく、それらが荒廃した東京を縦横無尽に動き回る様はかなり見応えがあった

ただ、メガテンシリーズは元来ニュートラルルートが本筋で、どちらかというとカオスルートよりロウルートの方がまっとうな印象を受ける作が多かったが、それを意識したのかどうか本作では『不自然にロウルートよりカオスルートが優遇されている』、そんな印象を受けた。そもそもロウ・カオス・ニュートラルの設定自体が一見してそれと分かりにくい振り分けになっており、どれがどれとも言いにくい。
また、戦闘能力のレベル補正が酷い、アニメ寄りにデフォルメし過ぎたキャラ、使い回し感のあるマップ、舞台の『東京』感がよく分からない、唐突で強引なストーリー展開、など色々と気になる点もあった

メガテンテイストは健在で、5作目ともなり骨太な地盤があるので、気になる点を含んだとしても楽しかったは楽しかったが、個人的には『3』以上、『4 FINAL』未満の印象だった。

真・女神転生V(Switch)

アトラス 2021年11月11日

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アトラス 2021年11月11日

真・女神転生Vの音楽

全体的に重厚感あるダークなテイストの音楽でまとまっているのは、真・女神転生の系譜。その中に多国籍感テイストが混じって独特の雰囲気を醸し出しており、それがうまくシーンの雰囲気に調和していて聴き心地がいい。特筆すべきは戦闘曲の豊富さで、個人的なRPG史上最多と思われるくらいの曲数があったのが驚きだった。ただ、あまり全体として印象に残らない曲が多く、今振り返ってみても特定のシーンの音楽が思い出せないものが多い。

そんな中、特別印象に残った曲が、まずはシヴァ戦の音楽。あれほどシヴァが立たせられた曲はかつてなく、インド感感じる曲調の中に終末感・絶望感・神々しさ・神秘感が感じられ、心が震えた一曲だった。どうやってこんな音楽を思いついたんだと感じられたほどの一曲だった。ほか、リズム感があって際立った独特さが感じられたイシュタル戦の音楽、物語の本格化が感じられた千代田区の音楽なども良かった。

真・女神転生Vのシステム

本作はTPSビュー形式のプレイ画面で、敵を斬り付けて戦闘に入ると戦闘が有利になるシステム、そして敵の弱点を突くと攻撃回数が増えて有利になるコマンド制のプレスターンバトルはこれまでと同様のシステム。そんななか少し変わったのがフィールド画面で、ジャンプなどの動作が可能になってアクション性が加わったほか、舞台がシームレスでオープンワールドを彷彿とさせ、敵のビジュアルが鮮明に描かれてリアリティが出て、動きに個性が与えられた。高速ダッシュが可能だったり、自動販売機から遺物が得られたり、ミマンというキャラを探す楽しみが与えられたり、マガツヒというものを収集して能力を回復させられたり、本作は色々と飽きさせない工夫があり、これまでの操作感とは大きく異なるところ。

物語は過去作同様マルチエンディングで、ニュートラルルート、ロウルート、カオスルートと呼ばれるルートが存在するが、本作はどれがどのルートなのか分かりにくいシナリオ展開になっており、カオスルートが優遇されているような印象を受ける物語の流れだった。舞台は荒廃した東京で、感覚としては3作目が一番近い。サブクエストなどガッツリとこなすと60時間以上は楽しめるボリューム。UIは5作目なのもありかなり快適で、探索のサポートをしてくれるクエストナビという存在がいたり、ファストトラベル機能、目的地やクエストの場所が一目で分かるマップなど、サクサク進める親切設計になっている。

次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介

※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、
多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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