93.ヴァルキリープロファイル -レナス-(PSP)レビュー・感想・評価
■タイトル:ヴァルキリープロファイル -レナス-
■発売日:2006年3月2日
■開発元:トライエース
■発売元:スクウェア・エニックス
■定価:5,280円(税込)
■個人的ランク:B+
プロローグ・あらすじ
はるか昔、人間たちが住む世界をミッドガルドと呼び、
神々や妖精族、巨人族などが住まう世界をアスガルドと呼んだ。
世界には長らく平和が続いていたが、
ある日を境に起こったアース神族とヴァン神族による確執は
いつしか神界戦争にまで発展し、
ついには人間界をも巻き込み、
長きにわたる戦乱の日々が続いていた。
本作の見どころ
- ・北欧神話をベースに独自要素を盛り込んだ、魅力的な世界観
- ・直感的で操作しやすいながらも、戦略性とアクション性が盛り込まれた独特な戦闘システム
- ・『死』を主軸にした重みあるストーリー。複数のルートが重厚なゲーム性を紡いでいる
- ・良質で躍動感のあるBGM。ハイテンポで激しい音楽の数々がゲームを盛り上げる
ヴァルキリープロファイル -レナス-の総評
評価の難しい作だった。マルチルートの本作だが、通称Aルートが本作の魅力の真髄だと思う。だが、そのルート行きを満たす条件がかなり難解で、攻略情報を見ないと辿り着くのが困難なところが大きな問題点。作中のヒントもほとんど無いため、普通にプレイしたらまずノーマルにあたるBルートに向かってしまう。Bルートのみで本作を見たら『そこそこ面白いが消化不良の凡作止まり』という評価になってしまう。だが、本作の魅力はAルートに尽きるとはいえ、Bルートがあっての本作でもある。そのAとBを攻略情報抜きでも楽しめるに至る設定になっていれば、もっと評価は高かったように思う。
ストーリーは、プレイヤーがヴァルキリーとなり、死する英雄の魂を求めて世界を回るというのが面白い設定で、北欧神話をベースとしており背景の設定も骨太に感じられる。単純なボタン操作の中に戦略性とアクション性を盛り込んだ戦闘システムも面白く、更に、グラフィックやBGMも抜群に良かった。一風変わったゲーム性ではあるが、かなり尖ったものがあり、ポテンシャルを感じた一作だった。
反面、ストーリーは少し分かりにくい描写で、1から10まで説明せずに要点のみをかいつまんだような表現がされているので、その1から10を察する力が無いと魅力を感じきれないかもしれない。ゲームの大半はダンジョン探索&戦闘の繰り返しなので、後半はややダレるところもネックか。
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ヴァルキリープロファイル -レナス-の音楽
テイルズシリーズを手掛けた桜庭統氏が作曲担当をしており、全体を通して迫力と躍動感を感じる良曲ばかりでまとまっている。最初のアルトリア山岳遺跡というダンジョンの曲を聴いた時は、『初っ端のダンジョンからこの良曲か!』と嬉しさと期待に胸が高鳴ったのを覚えている。曲数は多く、ダンジョンごとに専用BGMが用意されており、戦闘曲も良曲ばかりだが『ダンジョンの音楽が良い作品』という印象が残った本作だった。
個人的に心に残った音楽は、壮大感と疾走感の中に寂寥感を感じるフィールドのテーマ『天空の扉』、ボス撃破後のダンジョンBGM『責められぬ想い』、ゴーラ教団本部BGMの『魔降臨連鎖概説』、あとは何と言ってもレザード・ヴァレスの塔のBGM『Hard Chain Reaction』が良かった。ヨツンヘイム宮殿の音楽や、大詰め感を感じるアークダインの遺跡の音楽、激しい曲ばかりのなか対比するように重く佇んでいた街の音楽『全ては黄昏となりて』も強く頭に残っている。
ヴァルキリープロファイル -レナス-のシステム
主人公は、神の徒たるヴァルキリーで、最終決戦である「ラグナロク」を前に戦力を高めるため、人間界に派遣される。要はスカウトの役割で、死に瀕した英雄達の魂を『エインフェリア』として仲間に加えていき、戦力として相応しい能力を身につけさせてから天界に送り届けるのが任務となっている。
フィールドは空中で、世界を飛び回って数々のダンジョンや街を回り、敵は発生しない。街でエインフェリアを加えながらダンジョンで力を付けさせていくのがゲームのメインで、ゲームはチャプターという単位で区切られ、街やダンジョンを訪れていくことでチャプターが進行していく。ダンジョンや街はサイドビューでアクションを用いたゲーム性になっており、ダンジョンは剣を駆使して物を壊したり、『晶石』という氷塊を作り出してギミックを突破したりという動作が求められる。敵はシンボルエンカウントで、剣で斬りつけて戦闘に入ると先手を取ることが出来る。
戦闘は○×△□の各ボタンを押すだけでボタンに対応したキャラが攻撃する独特のシステムとなっており、簡単なボタン操作でコンボが繋げられる戦略的な戦闘が可能となっている。難易度は、易々と倒せる敵も入れば初見殺しの敵も随所に見られ、簡単とも難しいとも言える。
また、物語は通常Bルートを進行するが、特定の条件を満たすとAルートやCルートへ進行し、本作の物語を髄まで楽しむためにはAルートの進行は不可欠。ただ、普通にプレイしたのではAルートを辿るのは至難の業である。
次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介
※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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