BUSHI青龍伝~二人の勇者~(SFC)の展開

92.BUSHI青龍伝~二人の勇者~(SFC)の展開

BUSHI青龍伝~二人の勇者~の展開

第一章『前兆』

やたらとハイテンションなBGMのタイトル画面から、ゲームスタート。

SFC末期の作だけあり、グラフィックはかなり綺麗め。

見降ろし画面のフィールド画面もなかなかにいい感じだが、
新鬼ヶ島ファミコン探偵俱楽部を思い出すような会話画面も、
大きいグラフィックながら綺麗に描かれていて、驚いた。

最初の戦闘シーンは、魔物に変えられた女の子・ヲクウを助けるというドラマチックな内容だったが、
ゼルダのようなアクションRPGかと思いきや、
サイドビューかつ、敵と主人公が同時に動くターン制のバトルで、ここでもまた驚く。

制限ターン数以内に敵を倒すと、
その短かった分だけ勾玉が得られて得をするというゴルフみたいなシステムで、
これもまた面白い。


と、最初から色々と斬新な設定で驚いた本作だったが、
正直、このあたりではまだあまり引き込まれていなかった

それは、爽快なアクションバトルを期待していたが全然違ったゲーム性であったことと、
そのゲーム性がとっつきづらく、
制限ターン数以内になかなか敵が倒せないストレスが理由として大きかった。

特に地震を起こして動けなくするジユラシが厄介で、
制限ターン数以内に倒せないどころか、何度回復薬を消耗したことか

ヲクウを駆使して戦う戦略性は面白いが、
主人公、ヲクウがいないと何も出来なさすぎ。

ちょっとした段差くらい自力で越えてくれ!!


火神の袋を取ってくるあたりで、少し詰まる。
フラグを立てないまま山頂の林に辿り着き、どんなイベントがあるのかと思いきや、
ヲクウに「ゴミが落ちてるだけだった」という気にかかることを言われただけで
何も得られず、途方に暮れてしまったりした。

その後、このゲームで言うボス戦にあたる魔茸との戦闘に入るが、
感覚的にはちょっと大きめのイベント戦という感じだったので、
まさかこれがボスだとは思わなかった

なかなか倒すコツが掴めず、吹っ飛ばされては回復薬を消耗してしまっていたが、
ひとまず一回目で撃破。


その後、海の兄神という存在の元に画面が切り替わり、
手元にあった3つの勾玉のうち1つがパリーン!と割れる。

あとボスは2匹か、これはこれは分かりやすい展開

しかしあんなキノコに重要なポストのうちの一つを与えるなんて、
この兄神軍はそこまで人材不足なんだろうか。

第二章『再会』

景色が一気に雪景色になり、『おっ』となる。
新世界に突入した感が心地よかった。

この辺りまで来ると戦いにもそこそこ慣れつつあったが、
ヲクウが全く鍛えられていなく、すぐにヘバってしまうので、
前の地に戻ってヲクウの経験値稼ぎをしたりしていた。

そしてここでは、ヲクウに探査能力が加わる。
これは画面外の状況把握に必須の技で、最後の最後まで重宝していた

というかあまりに使え過ぎて、
こんなのが何のペナルティもなく無制限で使えるのは大盤振る舞い過ぎじゃ?
不満に感じたほどだった。

戦闘面では、トカゲの尻尾のように身体の一部を切り捨てて倒せないフヨウや、
剣で切れない雲のモンスターのハシリが厄介だった。
ハシリは最初シメワで防ぐ以外の打倒法があるのだろうか。
あとジユラシも相変わらず厄介だった敵。


フユムラ、西のミサキを経て、北のミサキへ。

ここではモグラ叩きのようなちょっとしたミニゲーム的イベントがあったが、
モグラの数がだんだんと増えてきて、5匹目あたりから記憶が難しくなってくる。
6匹になるとなかなか記憶できず、何度も最初からやり直しになったので、
秘儀・『動画を撮って記録する』という反則技を使ってしまった。

今でこそ携帯で簡単に動画は撮れるけど、
これ発売当初に買った人は相当苦労したんだろうなあ。


そして、クサナギノツルギと落葉斬を得て、野宿の方法を教わる。

が、野宿は結局一回も使わなかったな……

後で簡単なHPの回復法も得られるので、尚更出番は無かった。


その後、この二章で一番印象深かったシーン、雪解けのシーンへ。

これはパーッと画面が緑に変わって美しく感じられたばかりか、
音楽も明るいものに切り替わって、凄く清々しく感じられた瞬間だった。

本来はこういう地だったんだな、というのを実感。


天照宮では、普通の行き方ではどうやっても行けない個所があり、ちょっと詰まったが、
色々進み方を試行錯誤して、何とか先へ進める。

ボスは、前回とは違ってかなりダイナミックな戦いで
倒せるかどうか少し緊張したが、わりと普通に倒せた。
(脳天にあんな巨大なクチバシが刺さったら即死の気もするが…)

『きっと覚えたての落葉斬を駆使する戦いなんだろうなー』と思っていたが、
まったく出番は無かった

BUSHI青龍伝~二人の勇者~ 画像3

第三章『決意』

次の世界は、ちょっと荒れた印象のある大地。

ここではヲクウの住んでいた村に近づいていたということで、
少しヲクウの身の上話に触れる。

今までずっと旅していて、魔物の女の子感が定着し過ぎていたから
元々は人間の子という感覚を無くしていたけど、
人間時代に想いを馳せていてちょっと胸がツンとした。

一見おてんばそうにも見えたけど、どんな女の子だったんだろうか。


そしてここで、作中トップクラスと言ってもいいほど
印象的だったイベントに遭遇する。

主人公の落とされたダンジョンにあった屍は、
ドラクエ5の教団の神殿にいた屍を彷彿とさせた。

濡れ衣でこんな光の差さない洞窟に落とされ、
ただ朽ちていくしかなかった身上を考えるとあまりに悲しく、
村の人間たちが凄く憎らしくなってくる。

一応村の人間たちは謝ってくれたが、
冤罪で死者も出ているのに
そんな謝罪だけで済むか!!と腹立たしさは収まらなかった。

それとは裏腹に、ヲクウ……

このあたりではヲクウの専用BGMと言ってもいい音楽に切り替わり、
ジャンプ等も一切出来なくなって、
ヲクウの存在の大きさを色んな意味で噛みしめたシーンだった。

ヲクウの村間近といったところで、まさかこんな展開が待ち受けていたとはなあ。

地面の中にジャンプさせられる変なオブジェが出てきて、
『何だこりゃ』と最初は思ったけど、この時用だったとは。


その後、ようやくヲクウが復活。

そして、ヲクウがまた新たな力……
主人公のHPを回復させるという技を身に着ける。


……


これ、必要か?


主人公のHPを回復するとヲクウのHPが逆に減るため、ペナルティはあると言えばあるんだけど、
ヲクウのHPは戦闘ごとに満タンになるし、ダンジョンの出入りでも満タンになる。

つまり、主人公が瀕死になったととしても、
ダンジョンの出入りを繰り返しながらHPを回復させるだけで
実質ペナルティは無くHPを満タンに出来るわけだ!

このチート仕様のせいで、回復薬があまり必要なくなったどころか、
野宿は一切必要無くなってしまった

もっと戦闘の戦略の幅を広げるような技は無かったんだろうか。


そして、この章のボスを撃破。

ボスは、見た目は凄いけど実際戦ってみると大したことないやつが多い。

どちらかというと、このゲームはボス戦よりも雑魚敵戦の方が大変な気がする。

この後、お決まりの兄神のシーンに切り替わり、最後の勾玉が割れる。

……

こういうゲームでよく思うんだけど、主人公が次々とボスを撃破していく中、
黒幕はただボーッと見ているだけ?

『次はこの地に行きそうだ…… よし、ボスを3体ほどここに追加配置しておくか』
とか
「物陰に潜ませておいて、この地点まで来た時に四方から襲い掛からせて潰すか」
とか策を練ればいいものを、
無策でやり過ごさざるを得ないのはやはり人材不足なのだろうか。


そして、ヲクウが見ず知らずの子供を助け、この章は終わる。

ヲクウの性格の良さが最も表れたシーンであり、
気付けばこの章は最初から最後までヲクウの章だったなと感じられた。

第四章『黄泉』

四章は、三章の場にも増して殺伐とした印象の地。

敵も結構な強さになっていて、
こちらはレベル上げには余念が無かったはずだけど
それでも厳しい戦いを強いられた。

特に嫌だったのが怨霊?を飛ばすハニワの敵で、
怨霊の出現位置がよく分からず、無駄にターンを消耗した。
おどろおどろしい音楽も印象的だった。

あと、これは前々から出ていたが、視界を真っ暗にさせるトンボが厄介で、
画面外からも技を放ってくるので、暗闇にさせられては苛立たされた。


ここでは、ヲクウが遠くのアイテムを取りに行くというパシリ技をGETする。

主人公がますます堕落の道に。

実際、序盤の地まで戻るとヲクウ一人で敵を無双できるようになっているので、
主人公が不要なくらいだった。


ソトムラという村に辿り着いたが、こんなところにも村があるのか……

一体この村の人達はどうやって生計を立てているのか、
住居が5つしかない小さな村で、魔物に襲われたら瞬殺にも思えるが。

これは他の村にも言えることだけど、最初の村以外は入り口に一人の門番すらもいなく、
どうやって魔物に襲撃されずに済んでいるんだろう?

この作の雰囲気に則るなら、魔物除けのまじないか何かが村に施されているんだろうか。


それはともかく、黄泉に行ける笛を入手し、黄泉へと向かう。

地面から遠く下が死者の国になっているという設定は
いかにも昔の時代っぽい設定で面白い。

ここでは岩にふさがれた洞窟の突破の仕方が分からず、少し詰まった。

しかし、この黄泉はほんと何もなく、殺伐としていて
魔物たちが跋扈しているだけで、まさに地獄と呼ぶに相応しい場所だった。

先日クリアしたヘラクレスの栄光3でも死者の国のような場所があったが、
そこでは街があり、住人?の一人なんかは「ここもなかなか良いところだ」なんて言う始末だったが、
西洋東洋の概念の違いみたいなものが感じられて、面白い対比だった。


その後、最強の武器と思しき武器が与えられ、
『下突き』という、技とも呼べるのかよく分からない技が伝授される。

それからこの章でのボス戦に突入し、『早速下突きの出番か?!』と思ったが、
またもまったく出番は無かった

技の習得のし甲斐がないゲームだ。

BUSHI青龍伝~二人の勇者~ 画像3

第五章『歴史』

ここからは、もうすべての地を回って新たに行くところは無くなり、
八匹の竜を倒しに向かったり、勾玉集めをしたり、涙の雫を集めたりするのがメインだった。

まあそれはいいんだけど……

クリアするための条件として『勾玉の数が必要』ってどうなの?

勾玉を集める、つまり制限ターン数以内に敵を倒すということで、
すなわち嫌でも戦闘を繰り返していかないとならない。

敵を避けて低レベルクリアを目指すということが出来なくなるし、
一つの趣を潰してまでこのシナリオにする必要はあったんだろうか

しかも、特別多い戦闘を重ねていたわけではなかったが、
勾玉集めをしている段階で主人公のレベルがカンストしてしまったので、
ますます戦闘の趣が失われてしまっていた。

ただ、涙の雫を集めるとシメワがパワーアップして戦いが有利になるので、
これ以上縮めることは出来ないと思っていた制限ターンの壁が
あっさり超えられるようになったりしたのは面白かった


戦闘面では、8匹の竜の最後の方はちょっと手こずって
回復薬を消耗したものの、特別厳しい戦いは無かったかな。

むしろアイテムを持て余していて、あまり活躍の場は無かったので、
裏ダンジョンとか、もっと消耗させるような場を設けてもいいんじゃないかと思った。


その後、天界にてラスボスと対戦、特別苦戦することもなく撃破

ラストダンジョンというラストダンジョンはあるにはあったが、
淡泊気味なダンジョンでわりとサクッと超えられる。

唯一、ヲクウが捕まるトラップの超え方でちょっと詰まったくらいだった。


エンディングを迎えたものの、
物足りなさを残した終わり方だったが、ここで一つ、『んっ?』となったところがある。

調べてみて分かったんだけど、本作は何とマルチエンディング仕様のようで、
自分が見ていたのはノーマルエンドの方だった。

なるほど、物足りないとは思っていたけど、そんな奥行きを込めていたか……

やるな!!

グッドエンドを迎えるための条件はかなり厳しいような気がしていたけど、
実際トライしてみたらそんなに難しくはなく、晴れて迎えられることに。

途中までは同じ進行だったが、途中からガラッと変わった。

最初は姿が見えない状態から始める演出はニクかったな~。

魔物から解けた姿は……
まあ、想像通りだったとも言えるし、ちょっと違っていたとも言えたかな。

でも着物を着て喜んだ姿も見られたし、
グッドエンドを見るため頑張った甲斐はあったかな。


総じて、斬新なシステムのわりに王道な物語と平坦な道のりで、
サクサク進めたもののドラマチックさには欠けた印象だった。

『青龍伝』と呼ぶには大げさで『ヲクウ物語』の方がしっくりくるような内容だったけど、
せめて戦闘がもっと歯応えがあると良かったかな。

エニックス発売予定時は『勾玉伝説』というタイトルだったようだけど、
そっちは青龍伝以上にしっくりとこない

まあエニックスが出していればまた違った素晴らしいゲームになっていたかもしれないけども。

  • 1
  • 2
Page top
▲