テイルズ オブ ジ アビス(3DS)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

91.テイルズ オブ ジ アビス(3DS)レビュー・感想・評価

テイルズ オブ ジ アビス画像1

■タイトル:テイルズ オブ ジ アビス
■発売日:2011年6月30日
■開発元:ナムコ・テイルズスタジオ
■発売元:バンダイナムコゲームス
■定価:6,380円(税込)
■個人的ランク:B

プロローグ・あらすじ

惑星オールドラントを構成する上で欠かせぬ音素(フォニム)。
この音素に新種が発見されたとき、人々は大混乱に陥った。
第七音素(セブンスフォニム)と名づけられた新しい音素を使えば、未来を知ることができたからである。
第七音素を巡って始まった戦いは大地を荒し、
やがて障気と呼ばれる星の毒素が世界を覆い尽くした。
このとき、未来視に長けた譜術士(フォニマー)ユリアが登場した。
ユリアは何千年もの未来と障気を封じる方法を予言し、
その指導の元、人々は障気を地中深くに封じたのだった。

それから二千年以上の時が流れた。

今や、世界は預言(スコア)に支配されていた。
人々は「未曾有の繁栄」が訪れるというユリアの預言を信じ、
繁栄へ至る道筋から外れぬようユリアの興したローレライ教団から託宣される預言を求め、
それを遵守して生きることを美徳としていた。

ユリアが預言で『未曾有の繁栄』に必要だと詠んだ少年がいる。
彼の名はルーク・フォン・ファブレ。
キムラスカ・ランバルディア王国の王位継承権を持つ彼は幼いころ、
敵対するマルクト帝国に攫われそうになり、
以後、身を守るために屋敷の中で軟禁されていた。
彼はまだ気づいていない。
大いなる厄が、彼に近づこうとしているのを。

本作の見どころ

テイルズ オブ ジ アビス画像2

  • ・『この内容が携帯機に詰め込めるとは』と思えるほどの、充実した圧倒的なボリューム
  • ・膨大な量のボイス入りの会話シーンが挿入され、キャラの魅力を彩る
  • ・緻密で細かく設定された骨太な世界観。厚みを感じて舞台に感情移入しやすい
  • ・敵味方含むそれぞれの人生が絡み合い、ドラマチックなストーリーを構成している

テイルズ オブ ジ アビスの総評

率直に、凄い一作だった。『ここまで3DSに詰め込めるものなのか』と思ったほどの膨大なボリュームで、特にボイスの量が圧巻だった。また、世界観やキャラ設定が緻密で、実在する星かのごとく生々しく描写されており、本作を終えた時は連続放送アニメを観終えたかのような印象が残った。

ただ、作の凄さに反し、個人的にはあまり刺さらなかった一作だった。理由は、英雄伝説空の軌跡を彷彿とさせるようなクサい台詞回しが好みではなかった点、後半のたらい回しでダレてしまった点、メインキャラクターが全体的に好めなかった点(ジェイドを除く)、専門用語の飛び交い過ぎで気持ちがついていかなかった点、ご都合主義的な展開、など。総じて『鼻につく』という感覚が付いて回って感情移入しきれなかったのが、大きな理由だと思う。

ただ、制作陣の意気込みが肌で感じられ、この作り込みのスケールは3DSのRPGの中ではなかなか類を見ないので、人によっては傑作と判ずるだろうと感じる。王道のようでいて、人を選ぶゲームのように感じる。

アクション要素のあるRPGだが、難易度としてはそう高くはなく、操作性も悪くないので、とっつきやすさは感じる一方、ストーリーはわりと重めなので、この点も人を選ぶように感じる。

テイルズ オブ ジ アビス(3DS)

バンダイナムコゲームス 2011年6月30日

■関連商品

テイルズ オブ ジ アビス(PS2)

ナムコ 2007年6月28日

テイルズ オブ ジ アビス オリジナルサウンドトラック(CD)

キングレコード 2006年3月22日

テイルズ オブ ジ アビス DVD-BOX(初回限定生産)(DVD)

バンダイビジュアル 2011年8月26日

テイルズ オブ ジ アビス Blu-ray Box(Blu-ray)

バンダイビジュアル 2016年6月24日

テイルズ オブ ジ アビスの音楽

テイルズらしい躍動感のある音楽ばかりだが、曲数もそれぞれのダンジョンに専用のBGMが用意されているほど圧倒的に多い。後半になるにつれシリアスな音楽に変わっていくが、個人的には開拓のワクワク感を感じる前半の音楽の方が好みだった。

特別刺さった曲は無かったが、曲を聴くとすぐそのシーンが思い浮かぶ印象的だったBGMは、ボス戦の音楽のAwkward justice、後半フィールド曲のThe last chapter、飛行時の音楽のWing of hope、ダアトの曲のThe Lorelei Order's Base、グランコクマの曲のThe Floating Imperial Cityあたり。

テイルズ オブ ジ アビスのシステム

これまでのテイルズシリーズの系譜に倣い、戦闘シーンは斜め見下ろし型のアクション要素のある戦闘画面だが、エンカウントはシンボルで、そして奥行きある戦闘フィールドを自由に走り回れる『フリーラン』、ゲージを貯めることで発動できるオーバーリミッツ、属性攻撃を行うことで一定時間発生する『FOF』など、様々な要素がある。

移動画面はオーソドックスなRPGスタイルを踏襲しているが、こちらでも闘技場システム、仲間との会話システム(ボイス付き)、冒険の手助けをしてくれるミュウアクションシステム、料理システム、ミニゲームなど、多彩な要素が盛り込まれている。また、独自の世界構成がかなり緻密に設定されていて、フォニム(音素)や、超振動、ローレライの鍵、スコア(預言)、フォンスロット、フォミクリーなど、本作を楽しむためには色々と本作の知識を頭に入れる必要がある。

と、戦闘・移動画面共に充実した要素が盛り込まれ、独自の世界設定も相まって馴染むのに時間を要するが、ゲームとしての難易度はそう高くはない。プレイ時間は、40時間ほどあればじっくり楽しめるくらいのボリューム。グラフィックは美麗ではないが、3DSゲームとして見ればそこそこのもの。操作性は一部扱いづらいものもあるが、概ね快適と言えるユーザビリティ。

次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介

※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、
多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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