90.ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙(SFC)の展開
ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙の展開
妖精の村~アテネ
ゲーム開始時、悪い意味でため息が漏れた。
グラフィックがしょぼい……
ファミコンに毛が生えた程度?
そして歩きがナイトガンダム物語並に遅く、ダッシュも出来ないことでさらにゲンナリする。
しかし、記憶喪失の主人公、穴にブタと落ちる衝撃展開、
しかも主人公は死なず、不死身と分かる、
そして村の人はみんな妖精だった、その妖精が9匹も仲間になりぞろぞろと連れて歩く、
という初っ端から怒涛の衝撃展開が続き、惹きつけは抜群だった。
しかも、フィールドの音楽が4作目に続き、これまた良い……
戦闘はオーソドックスなフロントビューバトルだったが、
見た目がドラゴンスレイヤー英雄伝説に似ていて、
そして戦闘曲がスターウォーズを彷彿とさせる……と、これも色々と思うところがあった。
妖精がダメージを受けるたびに人数が減っていくというのもまたダイナミックなシステム。
昼夜の概念があり、ベースはドラクエ3や4のような感覚で、
ドラクエに影響を受けていることは疑いようがない。
だが、色々なところでオリジナリティが感じられて差別化が図られていることは
序盤の時点で感じられた。
最初の街のクノッソスになかなか入れず、初っ端から詰まった感覚があったが、
『むすめのおもいで』というものを使ってまさか女装するとは思わなかったな。
ちなみにこの女装は、その後も少しだけ出番があるのだが、
やろうと思えば最後まで女装のまま冒険が出来るというのも面白い。
最初は女装すると人々の反応が変わったりという凝ったところを見せてくれたが、
さすがにゲーム中すべての人々にまでは手が回らなかったのか、
途中から女装しようがしまいが人々の台詞は変わらなくなってくる。
要人くらいは「ん?お前は誰だ?」くらい言ってくれても良かったんだけどな。
クノッソスでは奴隷9人が加わり、妖精9匹のリフレインの形になる。
妖精はバタバタと倒されてしまったので、『奴隷は減らさずに進むぞ』と思ったのだが、
途中から加わった爺さんに奴隷を盾にされて2人失ってしまったのが腹立たしかった。
その後、レイオンが仲間に加わり、海でのダイナミックなイベントを経て、ラコニアへ。
今度は兵士が9人仲間になったが、
戦闘中に兵士がダメージを受けた時に「回復を~」と言うから
『これはヤバい、死にそうなのか』と思って回復させてあげていたが、
後になって少しダメージを受けただけでも言ってきた。
ただの甘えか!
南東の洞窟のボスがこれまでの冒険の中で最も手強く、
主人公はやられてしまい、何と兵士だけで倒したという辛勝だった。
それまでずっと兵士の犠牲ゼロを誇っていたが、さすがにここで一人お亡くなりになってしまった。
それにしても、このゲームは一つ一つの台詞回しが面白いものが多い。
レイオンが「積極的なのと無鉄砲がオレの長所であり短所だ」と言ってきたり、
兵士を連れて高所から飛び降りようとしたら、兵士から「隊長!で、できません!」と言われたり、
アテネ王からは「これは、ただの柱のように見えるじゃろう。実はこの柱は…」
「やっぱりただの柱じゃ」と言われたり。
カタそうなタイトルのわりに、人間味があるというか愛嬌が感じられて味わい深かった。
テルマの村~ペルシア城
このあたりでヘラクレスが仲間に加わる。
男三人になってムサくなった上に、
タイトルの名を冠しているわりに強さはそこまででもなかった。
だが主人公達二人よりは強く、貴重な戦力となる。
次に、ドリスコスへ。
このあたりから、画面が妙にうねるエフェクトが入りだしてきて、
最初は『何だ?!これ以上進むと何かヤバいことになる前触れか……?!』
とGANTZの脳内警報を思い起こしたが、ただの暑さの表現だったと後になって知る。
この後、二人の仲間が加わって計5人パーティーの大所帯になったが、
その後のイベントですぐに一人が抜けてしまった。
やはりこの時代のゲームらしく、扱いが軽かったのが気になったが……
そしてもう一人の召使いが重要な旅の仲間になろうとは、この時は思わなかった。
トロイ近辺で、ケルベロスのつめという武器を手に入れる。
呪われた品だったが……
本作では呪いを解けばその後普通のアイテムとして使えるためそのまま装備していたのだが、
この武器のマヒの追加効果がまー使えて、
ボスにも有効なくらいだったので、その後かなり長い間レイオンに装備させていた。
そしてこのあたりで思ったのが、本作はAIがなかなかに優秀。
効果を知らないアイテムを使用して『こんな使い道があるんだ』というのをAIに教えてもらったり、
戦闘不能になったらすかさず回復してくれたり、通常の戦闘は安心してAI任せで戦えていた。
ただ、攻撃してほしい相手に攻撃してくれない、
レイオンがやたらとステイアばかり回復させる、など謎仕様もあった。
レイオンよ、頼むから主人公が重傷の時くらいは
軽傷のステイアより主人公を優先してくれ!!
まくろきものとの再戦では、何か気持ちの悪いものを抱えながらの戦いだったが、
案の定、自分の悪い予感が当たっていたことを知る。
場所は変わり、ペルシアでは次にどこに行ったらいいのか少し詰まった。
西の古い町にいたケンタウロスを捕まえないとならないのかと思い、
色んな方向からチャレンジしてみたが、どこから向かっても数歩手前で逃げられ……
最後まで捕まえられず仕舞いだったが、結局このイベントは何か意味があったのだろうか。
ペルシアの牢獄では、脱出するのにかなり手間取る。
兵士の視界範囲がよく分からず、10回くらいやり直した。
(兵士も2回逃げられたあたりでもっと警備を頑強にすればいいものを……)
南東の遺跡の中ボスは『肉の食いちぎり』という恐ろしい攻撃を使ってきたが、
さほどダメージは致命的でもなく、普通に倒せた。
しん・アテネ~冥界
南東の遺跡クリア後、急に天気が固定になって驚いた。
神話が絡むだけあり、やることのスケールがでかい。
しん・アテネではりりょくのけんをゲット。
これってもしや……と思ったら、ドラクエ3のりりょくのつえのまんまパクリだった。
しかしりりょくのつえに比べて本作のりりょくのけんはかなり強力で使い勝手がある!
この後、実にラストに至るまで主人公の武器はこの武器一択で進むことに。
しん・アテネはあくまで仮設的な感覚なのか、
王様がどこの城にいるんだと思って探していたら、変な施設の中にいた。
ロゴシスの山道を超えるためのギミックは、
主人公達が高所から飛び降りられることを利用した良いギミックだったと思う。
不死身の証だった飛び降りが攻略にも使われる仕様になっているのは、深みを感じた。
こういう細かい気配りは本作には至るところにあって、
例えば、宿屋に泊まると仲間の声が聞けるというのも良かった点だった。
敵が眠ると動きが止まったり、仲間のAIに個性があったりするのも良かった。
歩きの遅さ、グラフィックのしょぼさ、
エンカウント率の高さが本当に悔やまれる……
そしてこのあたりではクモのモンスターの大量発生が厄介だった。
HPが減るとすぐ仲間を呼ぶマドハンド型モンスターで、
一回一回の戦闘が長くなるので出会うたびにうんざりしていたが、
その分、このあたりで大分レベルを上げられたと思う。
その後、カイトを使って雲の上、そして天界へ行くという衝撃の展開に。
ファンタジーはファンタジーだけど、
神話がベースとなっているからかどこか現実味を感じるファンタジー感が
本作ならではの特徴だったように思う。
行く途中、オリンポスの山の洞窟の単身で向かうところが
これまでの旅の中で一番の難所だった。
幸い死ぬことはなかったものの、2回連続で攻撃されたら全滅してしまうような
キワキワでヒヤヒヤの戦いが続いた。
本作は雑魚敵戦で苦しめられることが多いが、
それに対してボス戦はわりと毎回大したことがない。
本作はアイテムに特殊効果が付与されているものが多く、
そして雑魚敵もボスも共に状態異常攻撃が結構効くので、
混乱効果のある『わらいの盾』には凄くお世話になった。
天界の後は、冥界に行くというこれまたぶっ飛んだ展開で、
そこでは夢の中に度々出ていた男が仲間になった。
レンツ~ポセイドンの屋敷
レンツの街に着いた後は、トランティア、ラバトへと足を運ぶ。
どういう国の歴史を辿っていったのか、このあたりからは建造物の造りがガラッと変わり、
音楽も無機質なテイストのものになって、他の国より近代的な印象が感じられた。
ラバトに着いてからは隠れ家を探すことになったが、南西の方で変なダンジョンを発見する。
『どう見てもコレではないよな……』という外観だったが、
他に行けるところは何もなかったので攻略せざるを得ず。
変なギミックがあり、
『これでここが隠れ家じゃなかったらとんだ時間の無駄だな』という心境で
どうにも乗り気がしなかったダンジョンだった。
しかも、また出たクモの敵が面倒くささに拍車をかけていた。
その後、船を手に入れてアトラシアに行ったあたりから行く場所が分からなくなる。
アトラシアでは突然女性の一枚絵が差し込まれて『バグ?』とか思ったし、
南の洞窟では遥か東の方に行くようなヒントを貰えたものの、それがどこなのか分からず。
イルカのいる集落に辿り着いたものの、
何の先へ進むフラグも立たずガッカリしたりしていた。
火山の洞窟ではテュポーン相手にかつてないほど苦戦。
初めて全滅を喫してしまった場所だった。
こいつはこれまでの戦い方では通用しないな、ということを悟り、
初めて戦い方を見直してマニュアル戦闘を使ってみた場所だった。
仲間を一人一人的確な操作をして、軌道に乗った戦い方が出来るようになり、
ようやくこれで腰を据えて戦えるぜ!と思ったところで、あっさり撃破。
わりと敵のHPは高くなかった。
このダンジョンは雑魚敵も強く、
オートバトル時に主人公がやられて敵と仲間でAI同士のバトルになったのだが、
これはちょっと全滅しそう……?と思ったら、
仲間が勝手に逃げるコマンドを使ったのが斬新だった。
引き際を見極めているとは何て優秀なAI!
このあたりでは、石になった人を三人の子供が持ち去り、
三人それぞれ散り散りに追っ手から逃げたというエピソードが印象的だったな。
あと、不死身の存在が四人いる中で、不死身を与えられたのは三人しかいなく、
残り一人は誰が何故、どうやって不死身になった?という謎もまた面白かったあたりだった。
エーウス~エンディング
きぬのたずなを手に入れて、空を飛ぶことが可能に。
どんな景色になるかな?
聖剣伝説2のような感じにはさすがにならないだろうけど、
FF5みたいなアングルが変わる感じになるかな?
それともやはりただ浮いているような演出が入るだけかな?
と思ったら、大地のビジュアルが粗くなるという謎のエフェクトが入った……
これなら何もしなかった方がまだ良かったんじゃ。
と思ったが、山を越えられて垣根がなくどこまでも飛んで行けるのは、やはり気持ちがいい。
エーウス、オケアノス神殿、アトラシアを経て、アトラス山へ。
ここから、一気呵成かつ怒涛の展開が繰り広げられることになる。
アルビオンは元々どうもいけ好かなかったし、
バオールとの戦いも、何か変だな?という感じはしていた。
しかし、急転直下でまさかこんなことになろうとは!!
この展開は、作中トップクラスと言ってもいいほど衝撃的で、胸に強く焼き付いた。
あの光景、あの音楽は、FF3を彷彿とさせたが、
本当に、誰も残っていないのか……?
と、現実感の無さと虚無感が混ざった気持ちで、しばらく呆然としながら空を徘徊していた。
そして、また冥界へ。
見知った方々の緊張感の無い感じが昔のゲームっぽさを感じたが、
やはりあれは現実だったのかと、二度ショックを受ける。
ハデスの城ではまた単身の行動になり、
セーブポイントも大分前だったのでドキドキ感と心細さがあったが、
わりと何とかなるもんで一回目で突破できた。
その後、また衝撃の展開を経ながら、タルタロス、地上へ。
ここで数々の謎が解けて、かなりカタルシスを得られた。
そして、その勢いのまま一気にラストダンジョン、ラストバトルへ。
仲間には「行くべきところは…分かっているよな?」的なことを言われたが
『えっ、どこすか……?』という感じでしばらくさまよっていたが、
正直、もっと話は続くと思っていたので、これで最後になるとは思わなかった。
ラストバトルもラストバトルと思わないまま戦っていた始末。
(音楽も通常のボス戦の音楽だったし)
変身はするし、やけに強いボスだな!とは思っていたんだ。
第一形態の時点ですでに強かったが、第二形態が特に強く、
死力を尽くして何とか倒したと思ったらさらに後ろが控えていたから、
かなり絶望的な気持ちに。
それでも、何とか一回目で撃破…… エンディングを迎えられた。
エンディングは、泣けはしなかったもののこれまたドラマチックな展開で、
Wizap!を彷彿とさせる内容だった。
ちょっと主人公が報われなさすぎもしたが、
希望を感じさせる、晴れやかな締め方だったと思う。
しかし、本作の人間たちは神々の思惑に翻弄させられ過ぎな気も……
教訓めいたものが込められつつも、
神々の支配下に置ける窮屈な世界観の印象が残った本作だった。
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