メタルマックスリターンズ(SFC)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

89.メタルマックスリターンズ(SFC)レビュー・感想・評価

メタルマックスリターンズ画像1

■タイトル:メタルマックスリターンズ
■発売日:1995年9月29日
■開発元:クレアテック・空想科学
■発売元:データイースト
■定価:12,800円(税抜)
■個人的ランク:B+

プロローグ・あらすじ

ここは、あらゆる機械の原因不明の大暴走である「大破壊」によって文明が崩壊し、
人々がかつての文明の遺物を食い潰しながらもたくましく生きている、退廃的な世界。

「モンスターハンターになりたいだとっ!?」

リオラドの修理屋の息子として生まれ育った主人公は、
モンスターハンターに憧れる少年だった。
ある時、彼は父に己の夢を打ち明けるが、
地道な生活こそが一番と語る父は、息子の夢を一喝する。
それでも主人公は己の夢を諦め切れず、
とうとう父は姉の制止も省みずに主人公に勘当を言い渡し、家から叩き出してしまった。

こうして主人公は一人、
己の力こそが全てを決める世界へと足を踏み出す事になったのだった。

本作の見どころ

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  • ・ファミコンのメタルマックスのリメイク作で、人気作の『2』のような感覚で楽しめる
  • ・荒廃した世界、戦車のカスタマイズ、賞金首との戦い、味わいある独特で硬派な世界観
  • ・おつかいイベント一切無し、自分の意思で自由な冒険が楽しめる
  • ・無骨で殺伐とした世界観の中、キラリと光るドラマチックなイベントが良いアクセントになっている

メタルマックスリターンズの総評

さすがはメタルマックス!と、感じられた一作だった。個人的に殿堂入りの『2』は衝撃と感銘を受けた名作だったが、それと比較するとそこまでには至らなかったものの、概ね感覚は近しく、同じような感覚で楽しめる作だと思う。

戦闘は、『2』ではお尋ね者も雑魚敵も"ファーン"という共通の戦闘開始音から入り、姿を見るまでどちらが現れたか分からない面白さがあったが、本作はエフェクトでどちらか分かるようになっていて、そこは少し残念だったところ。ただ、戦闘バランスは良い意味で大味で、戦車の心強さと人間の心もとなさが味わえたのは『2』に続き良かった。

本作は、シナリオというシナリオはほとんど無く、次に何をするかは完全にプレイヤーの意思に委ねられるという自由度の高さが大きな魅力となっている。ただ、原作がファミコン版でシリーズ第一作目なので仕方ないが、自由度が高いわりには行ける場所は限られているので、その自由度の高さがもっと楽しめる作りだとなお良かった。イベントというイベントもほとんど無かったが、レッドウルフのイベントは唯一無二と言ってもいいほど際立ったイベントで印象的だったので、必見

概ね、リメイク作ではあるにせよ、『メタルマックス』の地力の強さは初期の時点で備わっていたと感じられた、良作だった。"パパパパパ!"と自分でカスタマイズした戦車が繰り広げる銃撃戦は、見ているだけで心地がいい。ただ、本作はシステム部分で『話す』『調べる』『戦車の乗降』などの操作がしづらい仕様になっていて、そこは最後まで気になった。

メタルマックスリターンズ(SFC)

データイースト 1995年9月29日

■関連商品

メタルマックスリターンズ必勝攻略法(書籍)

双葉社 1995年11月1日

メタルマックス2: リローテッド(DS)

角川ゲームス 2011年12月8日

メタルマックスリターンズの音楽

音楽を聴いて驚いたのが、メロディが『2』とまったく同じ!!実際には『2』が『1』と同じなのだが、ファミコン版を聴いてみたら本当にメロディが同じで、ファミコン版の時点でこの完成度の高さとは……と、二度驚いた。ファミコン版の進化版が本作で、つまりは同じSFC作である『2』と同じ感じということになるのだが、微妙に違いがあり、個人的には『2』の方が良かったように思う。とはいえ元の音楽が良く、懐かしくも新鮮なような、心地良い感覚を楽しめた。

個人的に好きな曲は、街の音楽の『流されてポブレオブレ』『キャタピラビレッジ』、あとは『タンクウォッカ』(この曲が何気に一番メタルマックスを感じる音楽かもしれない。最初聴いた時は心が躍った)、あと『流れ者の歌』はトラウマ混じりの悲しい曲で印象的。あとはやはり何といっても『お尋ね者との戦い』。この曲はファミコン版の時点で完成されていて、そのクオリティの高さに驚かされた。『Dr.ミンチに会いましょう』も大好きな一曲。

ということで『2』にあった曲ばかりだが、『1』の曲がそのまま『2』に継承されたのは元々良曲揃いだった証だと思う

メタルマックスリターンズのシステム

見下ろし視点のプレイ画面、サイドビューの戦闘、フィールドやダンジョンを進んでモンスターを倒し、経験値を稼いでレベルを上げて先に進む、と、ベースはオーソドックスなRPG

そんななか本シリーズ一番の特徴は、戦車が存在し、一人一台乗り込んで戦うことが可能である点。戦車は様々なパーツによって構成されていて、それぞれカスタマイズして強化する楽しさがある反面、場所によっては屋内など戦車が入り込めないところもあり、白兵戦で挑まなければならないスリルが味わえるのも本作の大きな醍醐味の一つとなっている。

ほか、魔法が存在しない、ボスの代わりに賞金首が存在する、エンディングがいつでも迎えられる、レンタルタンクシステム、科学者の実験で死者を蘇生させる、など、色々と風変わりなシステムがあり、それらが一つとなってメタルマックスという独特なゲーム感を構成させている。総じて無骨な世界観で、ストーリー性やドラマチック性は乏しく、戦車を自分好みにカスタマイズさせて自由度の高い世界の冒険を楽しむという、"男のロマン"を楽しむことに特化させたようなゲーム内容となっている。難易度も大味で、攻撃すらしてこない敵もいれば、生身の人間だと一撃で殺されるような敵も存在する。

次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介

※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、
多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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