永遠のフィレーナ(SFC)の展開

87.永遠のフィレーナ(SFC)の展開

永遠のフィレーナの展開

序盤(地方都市ドラ~ゴア橋)

『永遠のフィレーナ』ということで、
パッケージには『私がフィレーナよ』と言わんばかりに女性がドーンと描かれているが、
その通りその女性こそがフィレーナであり、この作の主人公だった。

しかし、女性なのにバトラー(闘士)として戦いながら生きなくてはならない運命とか、
出だしからハードモード過ぎる……

ダークキングダムの闘士設定を思い出したが、
「勝ってもいつかは死に、負けても死ぬ」という言葉が重過ぎる……

バトラーには女性があてがわれるという展開は興味深かったが、
その女性もバトラーに抱かれるために生まれてきたというのも、また重かった。


そして、グラフィックはかなり綺麗な方に感じたが、
(前回やったのがサンサーラナーガ2だったからという理由も大きい……)
アクティブタイムバトルやBボタンでダッシュなど、色々とFF5に似ている印象

ただ、インターフェースは結構分かりづらく、
セーブの仕方がフィレーナの日記を使うというのが最初分からず、戸惑ったりもした。

フィレーナが守衛に左右を挟まれて歩く時に、方向転換時に片方のキャラの動きが速くなったり、
キャラの驚きでドット絵がドアップになったり、細かいところが凝っている

序盤は色々なバトラーと戦う展開が続くが、そのバトラーにも家族があり、
『家族のためにここで死ぬわけにはいかんのだ…』という言葉や、
倒した後の『サラ…… 幸せに……』という言葉は凄く後味が悪かった。


そして感じたのが、帝国人民とクレチア人(フィレーナ含む)との物凄い格差

バトラーや奴隷として生かされるクレチア人、
クレチア人を利用して生きる貴族のような立場の帝国人民、
という関係性で、その扱いの違いの大きさがまた重かった

見た目は同じ人間のように見えるが、帝国人民は『クレチア人は匂いで分かる』と言っている。
クレチア人は元々は海に住んでいた種族のようだが、
その匂いで分かるのかな?と思った。


それから、フィレーナが何者なのかを知り、
今ある時代の背景を知り、そして逃亡劇が始まる。

ここは序盤ながら、作中トップクラスと言ってもいいほどの難所だった。

まず、黒い悪魔が物凄く強い!!

何とか倒したもののの、以降は雑魚敵も強くなり、
下水道では回復アイテムをすべて使い切ってしまうことに……

鍛え抜かれた両者が実力をぶつけ合った闘技場が茶番に思えたほどだった。

仲間に入ったリラも弱すぎて、HP満タンでも一撃で倒されてしまうので、
倒されたまま戦闘終了を迎えてばかりで一向に育てられない……

回復ポイントもなかったので、下手したら詰むんじゃないか?とすら思った。
(と思ったが、攻略を見たら回復ポイントは存在していて、自分が気付かなかっただけだった…)

さらに、フィレーナがこの時イベントにより目が見えなくなっていて、
盲目を現すエフェクトで歩くたびに画面にモザイクがかかっていたので、
見づらいことこの上ない

せめて違うエフェクトにしてもらいたかったな。


ようやく次の街、浮き草の町デラシーナに辿り着き、
そこからはリラもちょっとずつ育てられるようになってくる。

リラは確実にヒーラーの位置付けだな。

人間関係の立場がそのまま戦闘での位置付けになったようにうかがえた。

ミメズの動きが面白い


そして、この後イベントにより、突然の別れが発生。

しかしこの時代のゲームの特徴というか、やはり人の死の扱いが軽い

まあ元々そこまで感情移入出来る期間も人物でも無かったけど、
根が悪いという感じではなかったし、それなりに馴染みつつあったようなので
もう少し悼む時間があっても良かったのではないかと思うけどなあ。

序盤(ラリテニア洞窟~モンシューレ)

逃避行は続く

相変わらず、追手の勢いが凄い

普通に考えたら、広い世界を舞台に逃げまくっている数人の人間達なんて
そう簡単に見つけられるわけがないはずなのに……

ソナーでも付いてるのかってくらい、迅速に的確に追いかけてきて、
心が休まる暇がない。

一応、追いかける側の視点もちょくちょく挟まれて、
主人公達を見つけられる背景が描かれてはいるんだけど、
主人公達の動きがしっかり捉えられてはヤキモキさせられた。

洞窟の中に入ってからは、ひとまず束の間の休息。

洞窟の中の街って味わい深くていいなあ。

そして山賊の皮をかぶったレジスタンスという設定もまた面白い。

しかし、この作の男性キャラには、イケメンがいない……

まあ、フィレーナ達の顔もなかなかにゴツいけども。
リラがそれなりに美人な感じかな。

少し休憩して息をついていたら、あっという間に追手が来る。

本当に、休息は束の間でしかなかった。


気になってしまったのが、
いつもフィレーナが逃げた場所が戦闘に巻き込まれるので、
フィレーナが疫病神という図式になってしまっているというところ。

フィレーナがいなければミメズが着目されたりもしなかっただろうになあ。

洞窟の街も普通なら見つかりようがないような、隠れ家として最適な立地なのに、
フィレーナが来たために戦火にさらされるというのは
どうにもいたたまれない気持ちになってしまった。

ここからの逃走は、追手がトロッコで一時的にフィレーナを追い抜いて行ったのが面白かった。

追手も結構な人数がいるようだけど、
黒い悪魔という恐ろしげな名前が付いているわりには、
橋から落ちたり崖から落ちたり、結構間抜けな末路を辿る者も多かったのが苦笑どころ。

トロッコのあたりではどうやっても取れない宝箱があったが、
あれの取り方はあったんだろうか。


ちょっと先へ進んでモンシューレに辿り着き、
ここからの船への忍び込みはなかなかにドキドキもので面白かった。

ここまで来るのに、追手にバレるようなヒントは何も残していないはずだし、
さあ、黒い悪魔たちよ、次はどう出る……?

と思ったら、それでも嗅ぎ付けてきたから凄い

本当にこの追手の追跡力は、恐ろし過ぎる。
(そのわりに肝心なところが抜けていたりするんだけど)
しかし追いつかれたとしても、こっちもかなり戦闘能力が向上しているので、
敵の強さがあまり脅威ではなくなってきていた。

中盤(エルシューレ海岸~オリゴット山)

それにしても、長いことリラと二人旅になって、
ここまでリラが重宝する存在になるとは思わなかった。

最初はひたすらやられっぱなしだった、あのリラが……

どこかで黒い悪魔とかにやられてリタイアすると思っていたのに(失礼)


エルシューレ海岸は特に何もなかったので先へ進み、次の街……鉱山の街に辿り着く。

鉱山の街はあっちに行ったりこっちへ行ったりが面倒で、
二回話しかけないと話が進行しなかったりしたのも厄介だった。

街中をただうろついているだけのモブキャラが進行フラグになっていたりもするから、
このゲーム、油断ならない

一人一人欠かすことなく話しかける羽目になり、それも大変だった。

そして、ここもフィレーナが疫病神になって襲われたりするのかなと思ったりもしていた。


その後、とある重要人物と再会し、
帝国がかなり非人道的なプロジェクトを進行しているという話を聞く。

そういえば…… 街の宿屋にいたモブキャラで、
若者なのに年寄りのようになってしまっていた人がいたな……
とここで伏線を回収。


このあたりで、一人、山賊で恐ろしい雑魚敵がいた。

チェーンバスターという技で何と1600くらい食らい、一撃で殺される
先ほど黒い悪魔をたった二人きりで倒したばかりの実力者が……

黒い悪魔にスカウトされればいいのに

どんな技を使ってもチェーンバスターを使われたら終わりで、
会ったら逃げない限りどうしようもなく、ここで3回ほど全滅した。

森の中にあった隠れ集落で強力な武具を手に入れたら、ようやく普通に戦えるようになる。


その後、遊牧民の集落にて出産という感慨深いイベントを通過し、
ギャッピーという狼犬が仲間になる。

ん……?

このギャッピーってもしかして、パッケージに描かれていたあの犬か?!

さもフィレーナの忠犬という感じで、
『幼い時からこの子だけはずっと一緒だった』風の描かれ方をしておきながら、
まさかこんなポッと出の存在だったとは。

そして、ちょいちょい挟まれる黒い悪魔会議だが、
ついにフィレーナの足跡を追うことが出来なくなり、仲間割れのような様相になってくる。

この挟まれる会議は、何か今後に意味が出てくるんだろうか……?
と疑問にも思い始めてきたあたりだった。

永遠のフィレーナ 画像3

永遠のフィレーナ 画像4

中盤(フラクの家~フィロセラ)

フラクの家で、首都ボーに入るための手段を画策……

ボーでは検閲に忍び込みを見破られそうになり、ヒヤッとしたが、
何ともしょうもない手段にて突破。

ここでようやく、当初のフィレーナの大きな目的を終え、
更なる次の目的が与えられる。

そして黒い悪魔にまたしても位置を捉えられ、バラバ22に襲われたが、
バグなのか何なのか、何と一度も敵から攻撃されることなく、倒せた……

バラバ22って一体……


それにしても、このゲームはずっと逃避行が主体となっていて、それはいいんだけども、
一度訪れた場所には二度と訪れることはなく、フィールド含めてずっと一本道が続いている。

世界を股にかけているはずなのにステージクリア制のような感覚があり、
窮屈さを感じ始めていたあたりだった。


ルシベでは、最初のヒヤヒヤものの展開は面白かったが、
そこから一気に戦闘だらけの展開に。

いきなり黒い悪魔のサブリーダーが現れる展開も驚いたが、
倒した時に『リーダー… 後は… 頼みます…』的なことを言っていたので、
いずれそのリーダーとも戦う時が来るんだろうなーと思っていたが、
そのリーダーがすぐに出てきて、もっと驚かされた。

連戦かよ!!

というか、あれだけ黒い悪魔達が追ってくる展開を引っ張っておいて、
こんな中途半端な地点でサブリーダーもリーダーもやっつけてしまっていいのか……

あまりにも唐突な展開に呆気に取られてしまった。

幸いあまり強くなかったから良かったが、かなりアイテムを消耗し、
エンカウント率は高いしザコも強めだったしで、ここは結構な難所だと思う。

回復場所も無いし……と思ったら、
それはまたしても自分が気付いていないだけだった。


そして、ようやっとフィロセラに到着。

ブルーのカラーが凄く美しい、いかにも海の王宮という感じの綺麗な王宮だった。

終盤(第1灯台~アイスバーグ)

ここで、6つの灯台に光を灯す展開になり、以前の地へ向かうことになって、
逃げ一辺倒だった展開にようやく変化が

6つとなるとかなり壮大な感じもするが、
基本的にフィールドは一本道なので、
迷ったり灯台を見逃してしまったりということはなかった。


…と、その灯台巡りの途中で別のイベントが差し込まれて、
急きょ、灯台巡りは中断する展開に。

首都ボーへと向かうことになる。

このボーがなあ…… かなり印象的だった場所

とある人物が敵となって現れ、しかしその者は帝国によって無理矢理進化させられているため
寿命が物凄く短くなってしまっている。

この人物は最初から最後まで犠牲者にしか過ぎず、あまりに可哀想な最期だった

最後の最後で真実を知れたのが、せめてもの救いだったのだろうか。
親子共々、悪い人間じゃなかったと思うが、悲しい末路だったなと思う。


その後、ボーが爆発するにも関わらず
ボーの中にいる要人を倒しに行こう、という展開になる。

脱出のついで……って、そんなことしてる時間あるのか?!と思ったが、
爆発は都合よく要人を倒すまで待ってくれていた

未だに黒い悪魔視点も差し込まれるが、
リーダーもサブリーダーもいなくなった今、何の脅威でもない。

バラバ1とバラバ3の珍妙なやり取りが続くだけだったが、
この期に及んでこの視点が差し込まれるというのは、
この二人がまだ何かやらかすのだろうか?とか考えていた。


灯台巡りが再開。

途中、お金を払わないと中に入れない灯台があり、
以前訪れた時は『金の無駄』と思ってスルーしていたが、
結局ここでお金を払わないと先に進めないようだった。

こんな最中にも黒い悪魔視点が差し込まれていたが、
バラバ達がもう滑稽にしか見えていなかった。

フィロセラ王宮が復活したことも気に留めていないようだったが、
いや、そこは気にしようぜ……

かつての敵国の本拠地が復活しているんだからさ。

序盤の脅威だった頃が懐かしい……

何だか妙に残念に感じていた。

終盤(永久氷山~エンディング)

永久氷山では、船を手に入れることができて、おっ!と心が躍ったが、
グルーッと一通り回ってみたところ、わりと行ける範囲が狭い……

これは、船で行ける範囲の外にもっと広大な海が広がっていた、
という設定でもない限り、FF1並に狭い世界なのかも。

謎の小島だとか、岩山に囲まれて行けない街だとか、
そういう新たに開拓できそうな場所もなく、かなりしょんぼり

世界は、思いのほか狭かった……

これは、黒い悪魔の捜索範囲も限られて探しやすいわけだ。

未知への冒険心が根こそぎなぎ倒されたところで、
唯一、初めて目にする島に辿り着く。

無駄に広いわりに、行ける場所は洞窟しかなく、しかも出てくる敵がやたらとゴツい

何だこの変な島は。

この島では、とあるアイテムを使用して先に進むのだが、
ここが本作の中で一番詰まった箇所

ヒントもなく、分かりづらく、唯一にして最大の詰まりどころで、
最後の最後にして初めて攻略の世話になってしまった。

攻略を見て愕然としたが、
自分はそもそも、そのとあるアイテムを手にしていたことすら認識なく
もちろんどこで手に入れていたのかも覚えていなかった。


そして、ラストダンジョンを経て、ラスボスを倒し、晴れてエンディングへ。

サクッと書いたが、サブリーダー→リーダーの時のような駆け足ぶり
実際に展開的にもサクッという感じだった。

SFが絡むような唐突な展開になるし、
これはひいき目に見ても締め方がうまくなかったなあ。

ラスボスもポッと出で、何の感情も湧かない相手だったし。

憎しみが愛に勝るだとか、唐突に言われてもね……
物語のテーマは憎悪って感じでもなかったけども。

もっと先があると思っていたんだけど、
ここを最後とするのであれば、大分お金もアイテムも持て余した格好だった。

何もなかった島に荒廃した街でも入れて、お金の解消場所でも設ければ良かったのに。
あとはクレチア人や帝国人民の成り立ちの説明が薄かったようにも思うので、
そういうのもその街に盛り込めば良かったのにと感じた。


総じて見ると、序盤の引きが強く、中盤以降が少しダレて、その後ちょっと盛り上がり、
ここから最後に向けてもっと盛り上がるかと思ったら、そのまましぼんでいく……という印象だった。

んーー、引きが良かっただけにもったいない!!

グラフィック等は悪くは無かったけども、時系列で見たらFF6よりも後に出た作なので、
後出としてはまあ当然と言えば当然のクオリティになるんだろうか。

良くも悪くも原作が気になってしまったが、
終盤の強引なSFノリも原作は含んでいるんだろうか。

原作はもっとまとまっているはずと思いたいが、
サウンドノベルの彼岸花の例もあるから油断ならない。

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