永遠のフィレーナ(SFC)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

87.永遠のフィレーナ(SFC)レビュー・感想・評価

永遠のフィレーナ画像1

■タイトル:永遠のフィレーナ
■発売日:1995年2月25日
■開発元・発売元:徳間書店インターメディア
■定価:9,800円(税抜)
■個人的ランク:B

プロローグ・あらすじ

遠い星の輝きの中に閉じ込められた 果てしなき時の向こう…

人々が空を飛び回る術を知らぬころの世界に語り継がれた
一人の勇者の伝説である

世界は"帝国"という名の恐るべき力に支配されていた

そして人々は"帝国人民""属国民"
帝国人民に仕える奴隷"クレチア"に三分されていた

この世の中で最もいやしい者とされるクレチア
彼らには強いられた運命に逆らう道など 許されてはいない…

だがここに一人の選ばれし者がいる

かつて帝国に滅ぼされた美しき海の王国"フィロセラ"
その王女として生まれながら今はクレチアに身をやつし
女であることをいつわり
人民の娯楽のために闘う闘技士"バトラー"として生きる一つの命

その名は"フィレーナ"… 海の魂…

本作の見どころ

永遠のフィレーナ画像2

  • ・原作が小説の、骨太のストーリー。女性主人公の一風変わった物語が満喫できる
  • ・敵側の描写が鮮明に行われていることで、幅広くリアリティある展開を楽しめる
  • ・FF5に似たインターフェースと、そこそこ綺麗なドット絵で、馴染みやすく、プレイ感が良い
  • ・どこでもセーブが出来て、レベルが上がりやすく、敵から逃げやすく、サクサクと進められる

永遠のフィレーナの総評

ん、FF5に似ているな? というのが、最初の印象だった。ドット絵グラフィックの質、キャラの等身、Bボタンダッシュ、アクティブタイムバトルシステム、隠し通路、前衛・後衛の概念など、色々と影響を受けているのが感じられるが、販売時期としてはFF6より後なので、後出としては当然といえば当然のクオリティか。

本作全般を通して、突出して良かったと感じられたのがストーリー原作が小説なだけあり、展開がしっかりしていてかなりドラマチック。サガフロンティアのアセルスを彷彿とさせるような逃亡劇で、ハラハラして先が気になる展開だったのは本作一番の魅力と言っても過言ではないと思う。また、主人公が女性で、全体の目線として女性に主体性が感じられる中、物語には人種差別や格差など重い要素も含まれている。その独特さは本作ならではの要素だと感じられる。

反面、ストーリー以外の要素は凡庸で、オーソドックスで馴染みやすいRPGと言えば聞こえはいいが、何か光るものがあったわけではなく、可もなく不可もなくな印象だった。世界が狭くコンパクトにまとめられていたなか、プレイ時間はかなり短い方で、かつ、終盤の盛り上がりにも欠けたので、掘り下げ不足感も否めず。原作を読んでいないのでどこまで忠実かは分からないが、せっかくのゲーム化なのでもっと膨らませても良かったように思える。

永遠のフィレーナ(SFC)

徳間書店インターメディア 1995年2月25日

永遠のフィレーナの音楽

物語のテーマになぞらえてか、哀愁漂う曲や、深刻な感じの曲、"水"の印象を受ける曲が多い。それが顕著に感じられるのが街の音楽で、一般的には街の音楽というと明るい曲調のものが多いが、本作の街の音楽は寂しげで、大人しく、女性的な印象を受ける独特な曲調だった。

全体の印象としては、地味で、記憶に埋没してしまいそうな曲ばかりだったが、そんな中で抜けたものを挙げるとすれば戦闘曲だろうか。通常戦闘曲は繰り返し聴いていたのもあるのか結構頭の中に残っていて、"永遠のフィレーナ"というと真っ先にこの曲が思い浮かぶ。ボス戦の音楽もなかなかに躍動感があり、盛り上がりを感じて良かった。そして、地味ながらも灯台の音楽やフィロセラ王宮の音楽なども、そこそこ良い曲だったように思う。

永遠のフィレーナのシステム

一見、オーソドックスなRPGだが、グラフィックはFF5に似ており、システム面でも似ている部分が多々ある。例えば、Bダッシュシステム、戦闘に時間の概念を盛り込んだアクティブタイムバトル(以下ATB)、隠し通路、前衛・後衛の概念など。戦闘はランダムエンカウントで、FF5のフロントビュー版と言っても過言ではなく、ドラクエスタイルにATBを持ち込んだ形式。

それだけならFF5をイメージすれば分かりやすいのだが、本作は独特なインターフェースもあり、これが斬新なようでいて、馴染みにくい。例えば、戦闘のコマンドが上下左右のアイコン選択式になっていたり(レナス2を彷彿とさせる)、メニューがLRボタンを使って左右にウインドウをスクロールさせる形式だったり、武器が3種ある中から1つを選んで攻撃するシステムだったり。特に戦闘はATBでコマンド選択を急かされるので、慣れていないうちは誤った選択をしてしまいがちになる。

ほか、作品のボリュームは小さめで、行ける場所が限られているため詰まりそうな箇所はあまり無いが、エンカウント率はそこそこ高く、戦闘に割く時間の比率は大きめ。ただ、難易度は序盤以外はそう高くはないので、サクサクと進められる。メニュー画面ではキャラ一人一人に横向きの顔グラが用意されていて、その人物を選択すると正面を向くというのもなかなかに珍しい。

次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介

※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、
多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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