ゼノブレイド(3DS)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

80.ゼノブレイド(3DS)レビュー・感想・評価

ゼノブレイド画像1

■タイトル:ゼノブレイド
■発売日:2015年4月2日
■開発元:モンスターゲームズ
■発売元:任天堂
■定価:3,700円(税別)
■個人的ランク:A
※本作はNew 3DSでのみ遊べます

プロローグ・あらすじ

我々のいる宇宙とは異なる、別次元の宇宙において――

遥か昔、この世界がまだ果てない海と空だけだった頃、
巨神と機神の二柱の神は、互いのすべてをかけて戦い、骸となった。

それから幾千の月日が流れた。

巨神界に暮らすホムス族は、機神の骸から生まれたとされる機械生命体、
機神兵の侵攻によって存亡の危機に瀕していた。
機神兵たちはホムスに対し情け容赦のない殺戮を続けていたが、
かつて機神を討ち果たしたといわれる神剣、モナドを振るう英雄ダンバンの手によって、
辛くも退けられる。
しかし、モナドの強大な力はダンバンの身体をも蝕んでおり、
心身をひどく消耗した彼は長きに渡る療養を余儀なくされた。

それから一年後。つかの間の平和を謳歌していた人々の暮らす「コロニー9」が
突如として舞い降りた機神兵によって再び襲撃を受けた事により、主人公シュルクの物語が動き始める。

シュルクは出会う仲間たちと手を合わせ、機神兵と戦う。
だが、機神界に乗り込んでから、初めて機神と巨神の壮絶な過去を知る。
それを知ったシュルクは、巨神と機神が互いに手を取り合い、神のない世界の創造を目指し、奮闘する。

本作の見どころ

ゼノブレイド画像2

  • ・これをポータブル機に詰め込んだのかと驚くほどの、圧倒的なボリューム。
  • ・スケールが大きく、ドラマチックで、かつ王道的なストーリー。ボイス付きが物語を彩っている。
  • ・戦略性に富み、奥深い戦闘システム。未来を先読みして戦うシステムが新しい。
  • ・クオリティの高いBGM。壮大な物語の良さを大きく底上げしている。

ゼノブレイドの総評

惜しい一作だった。名作・大作には間違いない。間違いないが、魅力とマイナス点が大きく際立っていて、両者が衝突した結果、面白かったものの惜しかった一作という印象に落ち着いた。

まず、魅力は、上記にも挙げたが『これをポータブル機に詰め込んだのか』と驚いたほどの物凄いボリューム。自分は67時間ほどでクリアしたが、これでも大分サブクエストは飛ばした方。がっつりプレイすれば、100時間は優に超えるだろう。メインクエストが壮大でどんでん返しアリの骨太なストーリーながら、ムービーが高頻度で挿入されたり、重要部分がボイス付きだったり、それをハイクオリティなBGMが盛り上げているので、惹きつけは抜群。舞台設定や、『未来視』というシステムも面白い。戦闘システムも特徴的ながら戦略性に富んでいて白熱するので、アクション要素は大きいがかなり歯応えがある。

一方、マイナス点としては、これは致命的な点だがグラフィックが粗い。ゲーム自体は今時の大作感を感じるだけに、尚更粗さがマイナス要素として大きく感じられた。次に、分かりづらく不親切さが目立つシステム。多彩で奥深さが感じられるシステムは魅力でもある一方、説明が不足していて『これはどうすればいいの?』『この要素は何の意味があるの?』といった疑問点が作中、数多くあった。また、英雄伝説空の軌跡を彷彿とさせるような『あの夕陽にみんなでダッシュだ!』的なベタでクサい台詞回しも、個人的にはあまり好めなかったところ。キャラクターは魅力的なキャラばかりだったが、反面、明らかに好めなかったキャラもいた。

戦闘難易度はアクションが慣れていない人にとっては辛口気味で、特に後半はしっかりとした戦略性やレベル上げが求められる。ストーリーは際立って良く感じるため、マイナス点がその分痛く感じられたが、それでも魅力をムンムンに感じた一作だった。世界観は特殊で好みがありそうだが、価格もお手頃なので、和製アクションRPG好きであればまず損することは無いであろう一作。

ゼノブレイド(3DS)

任天堂 2015年4月2日

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ゼノブレイドの音楽

全体的に華やかかつエネルギッシュな、勢いを感じるBGMが多い。シーンに応じて抑揚がしっかりと付けられていて、戦闘はロックでとにかくド派手、フィールドは躍動感を感じるものが多く、場面場面でピアノサウンドのしっとりしたものだったり、勇ましいものだったり、多種多様。物語の雰囲気を大きく盛り上げている。個人的なツボとはちょっと違ったが、それでも要所要所で良いなと思えたBGMは結構あった。

例えば、フィールドの音楽の『ガウル平原』。この躍動感あるBGMで序盤はグッと持っていかれた。ボス戦のBGMである『行く手を阻む者』は、後半部分の情熱的ながらも切なげなサウンドが一部イベント戦でとても状況とマッチしていて強く印象付いた。ユニークモンスター曲の『名を冠する者たち』も特別刺さるサウンドではなかったものの、後半の盛り上がりが好きだった。ほか、イース8の『ERODED VALLEY』を彷彿とさせた幻想的なフィールドのBGM『燐光の地ザトール / 夜』や、何度も繰り返し聞いて頭に焼き付いたラスボス戦のテーマも印象深かったあたり。

ゼノブレイドのシステム

オープンワールド型の舞台で、街やフィールド・戦闘までが画面の切り替え無しでシームレスに繋がっていて、移動は視点を変えながら自由に走り回れる。ジャンプのアクション付き。時間の経過や天候の概念があり、かなりリアルに寄ったシステムになっている。

戦闘はリアルタイムでキャラを動かしながらコマンドを駆使して攻撃するハーフアクションバトル的なシステムになっていて、リズムゲームの要素もあり、若干の動体視力やアクションセンスが求められる。 特徴的なのは、予め敵からの致命的な攻撃が予知できてそれを回避できる『未来視』システムで、これは戦闘だけでなく物語でも大きく絡んでくる要素となっている。

ほか、市民や仲間との絆を深められる『キズナシステム』、武器や防具に宝石をはめ込むことでステータスを強化する『ジェムシステム』、達成すると様々な成功報酬が得られる『サブクエスト』など多様な要素があり、ゲーム一通りのシステムを吸収するには人によっては取っつきづらく、時間を要するかもしれない。

ストーリー的にはSF・ファンタジーな方向性だが、ゲームスタイルは基本的には敵を倒してレベルを上げたり買い物によってキャラを強化して更なる強い敵に挑む、オーソドックスなRPGスタイルを踏襲している。ボリュームはかなりあり、サブ的な要素を飛ばしても50時間は要するだろう。

次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介

※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、
多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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