76.3×3EYES 聖魔降臨伝(SFC)レビュー・感想・評価
■タイトル:3×3EYES 聖魔降臨伝
■発売日:1992年7月28日
■開発元:ノバ
■発売元:ユタカ(バンダイ)
■定価:9,500円(税別)
■個人的ランク:C
プロローグ・あらすじ
1992年、東京。
パイと再会した八雲は、喜びもつかの間、新たな事件に巻き込まれた。
「コンロンの鍵」を追って世界各地へ!
リアルとファンタジー、2つの世界が織りなす奇々怪々の大冒険に、
无(ウー)の宿命を背負って八雲は立ち向かう。
次々に襲い掛かる妖魔たち。
八雲の、そして三只眼(サンジヤン)となったパイの術が飛び交い、想像を超えた何かが起こる!
三只眼(サンジヤン)とは――
不老不死の術を使いこなすという幻の民。
『人』とは異なった進化を辿った種族、俗に言う『妖怪』である…
本作の見どころ
- ・原作と、本作のオリジナルと、二つがそれぞれ織り交ざった展開が楽しめる。
- ・原作の妖しげな雰囲気が上手く表現できていて、キャラ絵もしっかり描かれている。
- ・細かい要素の無いシンプルなシステムでとっつきやすい。
- ・エンカウント率が低く、レベルが上がりやすいので簡単に強化出来て、サクサクと進める。
3×3EYES 聖魔降臨伝の総評
まあ、ネットの評判通りの駄作だったが……
ちゃんと制作陣はテストプレイをしたのかと思えるほど、雑で不親切な要素が多かった。特に終盤、不親切の極みとも思える展開があり、これのせいでクソゲーの地位を確固たるものにしてしまったのだろう。
テンプレ的で使い回しダンジョンのたらい回しゲームでもあり、露骨な時間稼ぎも目が痛い。
難易度は、簡単にレベルが上がるのでかなり強化された後はサクサク進めて楽々だが、たまに凶悪な敵もいて一撃で殺されることもあるので(しかも八雲以外はHPが0になったら即ゲームオーバー)簡単とも難しいとも言い難い。
が、全てにおいてダメダメなのではなく、それなりに手直しすればちゃんとした作として成立しそうな『惜しさ』も本作は備えている。グラフィックだったり音楽だったり、謎のアイテムや文言だったり、原作の妖しげな雰囲気を上手く表現は出来ていて、エンカウント率は低くてサクサクと進めるので、終盤を抜かせばストレス要素はわりと少なかった。(次どこに行けばいいか迷う場面もあるが、しっかりそれまでの話を覚えておけば全然分からないということは少なかった)なのでクソゲーと言いながらもあえて本作はD評価にはしなかった。
もっとストーリー性があり、システムが整っていれば評価は全然違っていたと思う。各重要キャラクターの絡みももっと欲しかったところ。ホアンさんなんて航空券を渡すだけの人だったし。
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3×3EYES 聖魔降臨伝の音楽
全体的に民族的音楽な感じだが、おどろおどろしく、サスペンステイストのものが多い。ゲームの大半はダンジョンで過ごすことになるため、ダンジョンの音楽は特に強く頭に残る。空港の音が効果音のみなのもどこか怖い印象。マップの音楽や店の音楽などはぼよーんとしていて地味ながらも落ち着ける。香港の音楽は時折変な音が入ってくると思ったが、それがバイクや車の音だというのは後になってから気付いた。特に気に入った曲は無かったが、ラスボスの音楽は本作の中ではかなり激しかった方だと思う。
3×3EYES 聖魔降臨伝のシステム
斜め見下ろしのトップビューで戦闘はフロントビューバトル、レベルや経験値、お金、買い物、装備の概念があり基本的にはドラクエのようなオーソドックスなRPGスタイル。呪文や魔法の代わりに魔術というものがあり、これは元々覚えていたりイベントを通して覚えていく。フィールドの概念は無く、マップ上の名称を選択して移動する。
不便なのは用途不明な名称の魔術やアイテム、装備が多いわりにゲーム上それについての説明が一切無く、使用してみるまで分からないところ。攻略にあたって『攻略サイトは見ない』という方でもアイテム情報は一読しておいた方が良いように思える。
あとゲームバランスはかなり悪く、戦闘は極端に楽か、極端に厳しいか(大体は前者)のどちらか。空港から他の地に移るのに結構なお金がかかるのだが、序盤の地はお金を稼ぐ場所が無く、無駄な買い物をするとその地から出られず詰んでしまうので注意。
フィールドの概念が無いため、ゲームの大半は街の中かダンジョン内の移動に費やすことになる。ダンジョンは後半かなり迷いがちなので、マッピングをするのがお勧め。
次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介
※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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