イースVIII -Lacrimosa of DANA-(VITA)の展開

67.イースVIII -Lacrimosa of DANA-(VITA)の展開

イースVIII -Lacrimosa of DANA-の展開

船上から物語はスタート、
主人公はもちろん言わずと知れたアドル・クリスティン


イースはスーファミの3・4以来だから
顔の輪郭がガタガタのドット絵から一気にリアルタッチまで進化した印象だが、
第一印象としては
『思ったより幼い感じのビジュアルで優男風(悪く言えば軟弱そう)だなー』
という印象だった。

数々の冒険をこなしてきているのでもっとたくましい感じのイメージがあったんだけど、
イースもゼルダの伝説のリンク同様、作によって風貌が変わったりとかするのだろうか。

プロローグを経て、初めて降り立つ謎の島へ……

いきなり襲ってきた野生の狼?をなぎ倒し、
そしていきなり見知らぬ女性の水浴び姿のサービスショットと遭遇。

驚いた女性、ラクシャが武器で攻撃してくるも、弾き返すアドルのアニメーション。

うーむ、やはりアドルの強さと可愛げなビジュアルに
ギャップがある……

このラクシャと
『まずはこの謎の島を探索して、何かあるか、はぐれた人々と出会えないか、探してみよう』
ということになったのだが、
画像は綺麗だし、操作性もなかなかに良いし、カッコいいファルコムサウンドが場を盛り上げてくれるし、
何が起こるかワクワクして冒険感は楽しめるし、序盤触れてみた感触としては上々だった。

わりと早い段階で出てきた中ボス戦を突破し、
船長サハド、そしてドギと合流。

進めていくうち、プレイヤーキャラがアドル・ラクシャ・サハドの
髪の色が赤・黄・緑の信号みたいな三人であることに気付いていく。


それぞれキャラをチェンジして戦うことが出来るが、
アドルは剣、ラクシャは突剣、サハドはハンマーという武器で
モーションや武器の使い勝手がそれぞれ違い、戦い方にも個性があるのが面白い点だった。

ひとまずメインは主人公のアドルで進行し、
ヤバくなったらラクシャやサハドに交代して進める、というやり方でやっていたが、
途中からメインのアドルを温存してあえてラクシャで進め、
ここぞという時にアドルを使う、というようなやり方で進めたりもした。

サハドは攻撃力はあるものの大振りで小回りが利かないので、他の二人に比べて使いづらかった印象

ただ彼の超必殺技であるEXTRAスキルにはかなりお世話になった

進めていくうち、序盤に見つけた広場を拠点として、
周りに散らばった乗船員と合流して人数を増やし、
拠点を拡張しながらゲームを進めていくスタイルなんだな、
ということに気付いていく。


やがて『村』とも呼べるくらいに拠点が進化していくが、思ったよりしっかりした造りで
島だけの材料と少ない人数を考えたら、ちょっと発展し過ぎじゃないかなーと違和感を感じた。

野営もその場のありあわせの物で造ったにしてはテントがしっかり過ぎだし、
岩を人海戦術でどかす作業は、どかす岩の規模を考えたらメンツが軟弱過ぎる…
(ドギや船長、サハドとかエアラン以外はひ弱・女性ばかりで戦力になる気がしない)

話は進み、隆起珊瑚の森大峡谷流域など色んなところを冒険して
多くの人達と合流したり様々な敵と戦ったりしたが、
中でもひときわ印象深かった場所は『浸食谷』

薄暗いだけで冒険感があったが、光を放つ石を破壊すると一帯が照らされて明るくなるのが面白く、
音楽の『ERODED VALLEY』の影響もあって、
幻想的な雰囲気のなか探索を楽しめた

その後、島からの脱出を図る一行に、
突如『お前達全員を皆殺しにする』という旨のかまいたちの夜みたいな謎の文書が現れる。

犯人はどうやら近隣を騒がせている凶悪犯の仕業らしいんだけど、
自分が思ったのは
『こんな時にそんなこと企んでる場合か…』


ただでさえ魔物だらけの島で、拠点がいつ危機的状況に陥ってもおかしくないのに
追い打ちをかけるように凶悪犯からの魔手が忍び寄る…

仮に拠点のみんなを皆殺しにして凶悪犯一人ぼっちになったら
それはそれで自分が危なくなるだけだろうに。

ひとまずそっちは意外な人物が犯人で、あっさりと解決。

物語の黒幕絡みで最後の方まで引っ張る存在になるのかな?と思いきや、
通過イベントの位置づけで終わってしまったのが少し拍子抜けだった。

イースVIII -Lacrimosa of DANA-画像3

物語は第三部に突入……

時折アドルの夢に謎の回想シーンのようなものが入り込んでいて
自分は軽く読み飛ばしてしまっていたけど、
まさかその回想シーンの物語に出ていた女性のダーナに、主人公がチェンジするとは思わなかった!

それまでの冒険でアドルやラクシャ達に愛着を持ち始めていた頃に
急に主人公が変わったのでその時は少し興ざめしてしまったが、
物語の核心に近づいていくにつれてそのダーナにも感情移入し、
ますます物語に惹かれていくようになる。


アドル達とダーナの関係性を知った時はかなり衝撃的で、
これは思った以上に壮大な物語だ!と感じた。

その後リコッタヒュンメルが仲間に加わって5人パーティーとなったが、
自分は手慣れた信号機の三人以外はほとんど使わなかった。


このあたりから古代系の魔物が出てくるようになるが、その魔物が強敵ばかり
まともに相手をしていたら目的地に到達する前に力を使い切ってしまうので
結構スルーしながら進んでいた。


それからアドルとダーナが連携しながら進む展開になるが、
ダーナの行動した結果がアドル達の環境に影響を及ぼすので
アドルをうまく誘導するようにダーナが行動するという、
ファンタジーなサポートをするシナリオ進行が非常に面白かった。

その後、アドルとダーナが合流して、物語は大詰めへと向かっていく。

このあたりで特に印象深かったのは、
変えることの出来ない運命に逆らうために、ダーナが目的地へ向かう際に
『ICLUCIAN DANCE』が流れていたシーン。

絶望感と悲壮感が漂うなか、
ダーナがひたむきに行く手を阻む魔物達と戦いながら先を目指すシーンが
特に胸の中に残っている。



一つの島で起こった小さな規模だったはずの話が
いつの間にか世界の危機レベルの話にまで発展していって、
壮大さを感じながらも、冒険しているフィールドが狭いため
イマイチ事の重大さが伝わってこなかったのは残念だったが…

長いラスダンと、巨大なラスボスとの戦いを経て(この戦いは聖剣伝説2を思い起こした)、
ついに物語は終幕へ。


実はここでエンド分岐があったらしいのだが、
自分は図らずとも条件を満たしていたので真のエンディングを迎えることが出来た。
(ラスボスとの戦いは終わったはずなのにまだ戦いがあるのかよ!とは思ったが…)


みんなでついにその島を離れることが出来たが、
清涼感を感じるような、寂寥感を感じるような、微妙な感覚の終わり方だった。

総じて、シナリオ、グラフィック、BGM、システム、
全てにおいて高水準のかなりの良作だったように思う。

ただ、イースシリーズの悲しい宿命というか…

イースシリーズは主人公アドルの冒険記のような形で
アドルや世界が生存することが前提の話であるため、
どういう展開であってもラストは必ずバッドエンディングになることはないという安心感があるのが
物足りなく思うところ。

元々ファルコム作は基本的に温かみあるハートウォーミングな作なので
それが心地よい反面、物足りなくもあり、
そこだけはどうしても超えられない壁のようにも感じてしまうが…

『イースVIII -Lacrimosa of DANA-ロス』は結構感じたので、
かなりのクオリティの高さを持った作であることは間違いないと思う。

難易度は自分はノーマルでプレイしたが、
ボス戦はボタン連打や単調なアクションだけでは突破できなく、思った以上に辛口さを感じたが、
アクションRPGが特別苦手でなければ何とか突破できる程度の絶妙なバランスだった。

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