ライトファンタジー(SFC)レビュー・感想

66.ライトファンタジー(SFC)の展開

ライトファンタジーの展開

オープニングにて、光軍と闇軍の戦いの中、光の城の王女であるレフィーナ姫が闇軍に捕らえられ…
そして王の間にて、勇者の血を引いていると言われている主人公と王様との謁見で
レフィーナ姫の救出を王様から言い渡されるところから物語はスタート。

は、いいのだが……

主人公にやる気がまったく無い。

『世の中には勇者の血を引く人はたくさんいるじゃないですか…?』
って『何で自分だけが』問題をまさか他でもない主人公が吐くとは…斬新!
(しかも汗の絵文字が使われていたあたりもまた斬新だった)

しかし確かに、ずっと一人っ子が続いてでもない限りは
勇者の血って確かに一人きりとは限らないんだよな…と妙に納得してしまった台詞でもあった。

いやいやながら旅立つことになる。

宝箱を開けたら、
『ナイフを手に入れたよ(動物の足跡の絵文字)』など、表現がいちいち可愛い

仲間は誰もいないし、(当時街の人とか仲間に出来ることを知らなかった)、
ドラクエ2みたいに心細いながらもひとりぼっちで城の周りをうろうろして、
ひとまずはレベル上げから始めた。

そうしたらいきなりチャイルドデビルというやつに殺されてしまった。

何だこいつ、強っ!!!

弱いやつは普通に弱いんだけど、
たまにロシアンたこ焼きのハズレみたいに凶悪なやつが混じってるゲームなのか、これは…

本作のエグさはその後もというほど拝む羽目になるんだけど、
最初にきな臭さを感じたのがこの瞬間だった。

【ファラスの村】

戦闘でたまむしを仲間にして、二人パーティーでファラスの村に到着。

ミナの木のイベントを攻略して、ピィーピィー泣いていた妖精のニンフィが仲間になった。

あまり人数が多いと育てるのが大変そうなので、
少数精鋭ってことでストーリーに絡みがありそうなニンフィを育て、
たまむしくんはここで残念ながらご退場して頂くことに。

【アイーズ村】

こちらのイベントでは初のボス戦があったが、
攻撃をしても『スカ!』『スカ!』の連続でカスりもしない…

元々このゲームは攻撃が『スカ!』りやすく、
特に上位の相手には攻撃が当たりづらくなっているのだが、
それにしても当たりづらいどころではない、一撃も当たらない

こんなの倒せるのか…!?

もしや負け確定イベント?!
と思って投げやりに戦っていたら、普通に全滅

後になってアイテムを使う戦いだったことを思い出し、その後は普通に撃破。

その後、ニンフィと入れ替わるように魔族で魔術師のトルイが仲間に加わったが、
せっかく可愛らしい妖精との二人旅を楽しんでいたのに
怪しげな魔族と入れ替わってしまうとは残念……

というかこいつ本当に怪しい(見た目が)
裏切りキャラか何かじゃないのか……?

と当時邪推していたが、その考えが大誤りだったことを後になって知ることになる。

【カイヌン村】

このゲームでは最初の城下町以外栄えた地域が無いのか、
どこもあるのは村ばかりで地方だらけ…

ここでは生き残りの健気な二人の兄弟との話し合いのもと、井戸攻略に。

序盤から少なからず毒や火だるま等の状態異常に苦しめられてはいたが、
このあたりから更に状態異常のバリエーションが増え、ますます苦しくなってくる。

石状態、ハート状態、はたや食べ物状態なんてものもあり、
これらは行動不能になってしまうので本人では治癒も出来ず、
自然に解けるまで無駄に待って時間を費やしたり、リセットすることもしばしば。

エグい……

クソゲーキラーを自称する自分ですら、ストレスがグングン溜まっていく。

ライトファンタジーという優しそうなネーミングや
ポップなイラストに惹かれて購入してしまった人から
阿鼻叫喚の声が聞こえてくるようだ。

状態異常回復のアイテムはこのあたりから欠かさず常備するようになった。

【人魚の村】

ここでは美女人魚のメーアが仲間に加わり、三人パーティーになって充実してきた。

ニンフィがいなくなったのが気にならなくなってきた。

人魚の村は当然ながら水の中にあり、水中でも呼吸出来るファンタジーなアイテムを使って往訪。

まさか水中世界もあったとは……なかなかにグローバルな作だ。

ここの音楽は何だか印象的だった。

ここではネガティブな長が腹立たしかったが、メーアの説得のおかげで改心(?)してくれた。

【火の鳥の家〜闇の城】

ライトファンタジー画像3

ここでは色々とイベントが目白押しだった。

まず、闇の城ではグレートオークという雑魚敵が出てくるが、
変な状態異常とかかけてこない脳筋タイプなので戦いやすく、
かつ経験値がめちゃめちゃ高いので良い経験値稼ぎをさせてもらった。

そして怪しげだと思っていた仲間のトルイが光りまくっていた

ケンカ別れ?していた妖精のニンフィ相手に
『僕は君に闇の魔物でもいいやつだっているって分かってほしかったんだ』
と諭したり…

闇の王相手には
『例え、姿形は違っても魔物と人間は共存しなければならないはずです!』
と説得したり…

レフィーナ姫がさらわれて
『結局何も出来なかった!今まであんなに頑張ってきたのに…』
と、『orz』状態でうなだれる主人公に対しては
『でも頑張ろうよ。勇者はくじけちゃいけない。命を自分で使うのが使命なんだと言ってただろ?』
と励ましたり…

何だトルイ、めちゃめちゃいいやつじゃないか。

怪しいキャラという評価から一転、一気に大好きなキャラになった。

【ティース〜ギルツの村】

このあたりは大分進めるのが大変なあたりだったなー。

ティースに行ったら各村に自由にワープ出来るようになったのは良かったけど
行ける範囲が広がり過ぎて、次にどこに行ったらいいのか分からなくなったのがしばしば。


剣の谷ってどこにあんの?って感じだったし、
知者の岩って何?
ノーヴァの木もどこ?

という感じだったが、
どこに行くにも鬼エンカウント&鬼戦闘を潜り抜けないとならないから
間違った場所に行って無駄に時間をロストもしたくなかった。


ギルツの村には何度行っても悲しい音楽が流れているだけ
村人はうんともすんとも言ってくれないし……
という状況だった。

ワラにもすがる思いで、
変なことばかりしか言わない占い師を頼ったりもしたっけなー。


大地の剣で魔竜と戦えることが分かり、GET出来たのは良かったものの、
そのままでは使えなく、何と9回もパワーアップさせないと
魔竜には通用しないと知った時もうんざりだった。

【モグラの道〜魔竜の城】

このモグラの道もしんどかった。

ロンダルキアの洞窟を参考にでもしたのだろうか?

あそこまで凶悪な罠は無かったものの、道が入り組んでいる上にとても長く、
敵の出現を防ぐ『女神のお守り』が大活躍だった。

あまり長くは効かないので20個以上持っていった記憶が…


初めは通常武器より弱かった大地の剣が少しずつパワーアップしていって
ようやく普通に使えるようになってきたものの、
ラスダンと思しき魔竜の城に到達時点でも、大地の剣の強さは9段階のうちの6……

えっ、こんな状態で突入しちゃって大丈夫なの?
という感じだったが、最後の最後で一気に9まで高められる。


ラスボスがまさか遠距離攻撃でしか戦えないのは驚いて『斬新だなー』と思ったが、
主人公は攻撃役、レフィーナは回復役に徹して何とか撃破。

『しぬ〜』と言われてから実際死ぬまでが長かった(^^;

ようやく、ようやくのエンド。

ラスボスである魔竜相手にも、主人公が
『本当に魔物のことを思うなら、君はやさしくなければならなかったんだ』
と諭す……

うーーん、お話だけ見れば
『ライトファンタジー』の名にふさわしいほど優しいんだけどなあ。

製作陣にそのまま言いたかったよ、
『本当にユーザーのことを思うなら…』と(^^;


アニメ画で挿入された主人公の
『さあ、帰ろう!!!』という清々しい笑顔が印象的だった。

最初は旅に出るのすら怖がって嫌がっていた主人公が、
旅を経て成長し、巨大な竜と戦い、倒すまでに至る……

『帰ろう』と言った主人公の姿が心なしかたくましく見えて
ポポロクロイス物語を彷彿とさせたけど、話だけ見れば良かったようには思う。

最後は主要キャラクターのその後が幻想水滸伝のように綴られ、
レフィーナ姫と主人公の笑顔のアニメ画、
そして
『君とまたどこかで会えたらいいね、そしたら嬉しいね…!』
という製作陣の言葉と思しき言葉で締められたのが印象的だった。


うーーん、ほんと、話だけ見れば……


悪気は無いんだけど結果的に相手を痛めつけてしまっている図というのだろうか、
鬼畜なゲーム仕様とは裏腹に、言葉だけは優しい……

音楽も良かったし、
良い部分を見れば見るほどクソゲーと認定せざるを得ないのが悔しく思える一作だった。

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