ライトファンタジー(SFC)レビュー・感想

66.ライトファンタジー(SFC)レビュー・感想・評価

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■タイトル:ライトファンタジー
■発売日:1992年7月3日
■開発元:アドバンスコミュニケーション
■発売元:トンキンハウス
■定価:8,900円(税抜)
■個人的ランク:D+

プロローグ・あらすじ

それは気の遠くなるほど昔、全てが一つの塊だった頃のこと…

人間の生存できる大地を創れと神の命を受け、神の国から一本の剣を携えた勇者が降り立った。
彼はその剣で塊を裂き、大地を、山を、谷を創っていった。
そこに光ができ、闇が生まれ、それぞれを司るものが現れた。

そして大地を裂いた深い亀裂の中から魔術を使う魔物と呼ばれる者たちが出てきた。
一匹では力の弱い魔物達は悪意の元に集結し、その偉大な力を乱用しようと、剣を狙って襲ってきた。
勇者はそんな魔物達と戦い、勇者の力により終結した。

魔物達は散開し、人々との共存を求めるようになった。
勇者は剣の力の源である8つの力を
それぞれ岩、氷、水、土、炎、風、闇、光の女神達によって守護させ、世界の方々に封印させた。
そして力を失った剣を山の頂きに深く差し込んだ。

時を経て、それは大地の剣と呼ばれるようになる…
使命を終えた勇者は、神の世界に帰ることなく共に生きる者を見つけて大地に根を下ろした。

そして、時は流れる…

本作の見どころ

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  • ・はけたれいこ氏の可愛いイラストをベースに織りなした、ポップでほんわかした優しげな世界観。
  • ・町の村人や戦った魔物を仲間にすることが出来る、幅広い自由度。
  • ・BGMのクオリティの高さ。戦闘曲や町の音楽など、インパクトのある曲調のものが多い。
  • ・随所に挟まれる、一枚絵のアニメーション。SFCとしては珍しく、物語を盛り上げている。

ライトファンタジーの総評

残念ながら、クソゲーだった。クソゲーではあったが、この作は魅力的な点と壊滅的な短所がハッキリ分かれていて、低評価ながらただ悪いだけのゲームではなかったというのが不思議な印象の一作だった。

壊滅的な短所というのは、広く見れば戦闘システム。その一語に尽きる。歩行スピードの遅さ、そのわりにエンカウント率は高く、戦闘もシミュレーションゲームのようなタクティカルバトル式だが、敵と対峙するまで時間がかかり、敵味方共に攻撃をよく外す上に、自然治癒しない状態異常の魔法をかけてくる敵が多く、これでもかというほどのストレス要素のオンパレードを感じながら戦闘に無駄な長い時間を費やすことになる。

逃走が成功しやすいのとセーブがどこでも出来るのが救いで、ストーリーの質は決して悪くなく、一枚絵のアニメーションなど意欲的なシステムがあったり、BGMも良曲が多かったりするだけに、短所が解消出来ればかなり印象を覆すことが出来たであろうことが、非常に惜しい。

タイトルの優しげな印象とは裏腹に初見殺しな感じだが、独特さでは際立ち、印象には残りやすい一作。

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ライトファンタジー(SFC)

トンキンハウス 1992年7月3日

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ライトファンタジーの音楽

作風に乗っ取ったように、明るく優しげで、ポップなテイストのBGMが主体。主旋律がしっかり整っていて頭に入ってきやすく、個人的には音質こそしょぼめなものの、主旋律の質は高めだと思っている。

ほんわかとした元気なフィールドの音楽なんかよく作品の雰囲気を表しているように思うが、何気にフィールドの音楽は前後編が分かれているところがニクい。

おっとりとした街の音楽、異質なほどシリアスで悲しげだったギルツの音楽、トラウマ曲となりそうな洞窟の音楽、そして本作の代表曲とも言える曲であり、トラウマ曲でもある通常戦闘曲など、思い返せば印象的だった曲は沢山あった。

ボス戦の音楽、ラスボスの音楽もなかなかに好印象。

ライトファンタジーのシステム

街の道具屋や武器屋で装備を整え、エンカウント式のバトルで敵と戦って経験値やお金を得てキャラクターを強化していくところは、オーソドックスなRPGスタイル。

ただ、戦闘はシミュレーションゲームのようにマス目を移動して戦う戦術性が必要な形式だったり、残HPの割合に応じてダメージを与えた時に「いたい」「しぬ〜」などのボイスが入ったり戦っている敵や街の人間を仲間にすることが出来たり、結構独特な要素が多い。

歩行スピードが遅いわりにエンカウント率が高かったり、タクティカルバトル形式のため一回の戦闘に時間がかかったり、致命的な状態異常を与える敵が多かったりなど戦闘面での問題点が数多く、セーブをこまめにする、全体攻撃魔法を駆使する、敵の出現を封じるアイテムを使う、などの工夫が必要となってくる。

戦闘面の難を除けばプレイはそれなりにサクサク進められ、ストーリーも短めながらもそこそこしっかりしていて、詰まりどころも少ない。

次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介

※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、
多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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