65.弁慶外伝 沙の章(SFC)の展開
弁慶外伝 沙の章の展開
主人公の性別はもちろん男、
名前は『明日都(本当は明日斗にしたかったが斗の漢字が無かった)』でスタート。
スタート地点は四国というのが意外性があって面白い。
砦にいた主人公は、帝に呼ばれて才蔵と共に京へ行くことになるのだが、
急に何者かの襲撃に遭い、砦が結界によって閉じ込められてしまう…
いきなりピンチ、そしてファンタジーな展開。
確か同じ和風RPGのスーパー伊忍道もそんな感じのスタートじゃなかったっけ?
その結界を施した羅観というやつを倒すため、一路ダンジョンへ。
このダンジョンが下の階が吹き抜けのような形で透けて見えているのが立体的で面白く、
『おおっ』となった部分だった。
羅観との戦いは、なぜか敵である羅観によって主人公の力が一時的に引き出されて
LV50の状態で戦うという何だかよく分からない展開で、
それでもそれなりに苦戦して羅観を倒したのだが…
羅観の強さをただ一方的に見せつけられたような戦いだった。
ダンジョンを突破してからは、砦でまたも刺客に襲われ…
常由(とこよ)と巳陰(みかげ)という二人の人物に助けられ、刺客から逃れる。
逃亡劇の最中、今度は呪魂(じゅごん)という者に襲われるが、
才蔵が現れて才蔵に足止めしてもらっている間、三人は逃げて四国の外へ出られるという洞窟へ…
洞窟を抜けた先はなぜか東北地方。
!!?
いや…一応ファンタジーな作とはいえ
四国から東北へ抜ける洞窟とか(しかもそう長い洞窟でもなかった)何でもアリか!!
ちょっと興ざめしたが、
東北の地ではまたも結界によって一帯が閉じ込められてしまっていて、
結界を打破するため緑晶輪というアイテムを探しにまたダンジョンへ向かった。
ここまでやっていて難易度は特に高くはなく、
ボス戦含め苦戦どころはそんなに無く、サクサクと進めていたな。
東北の地を突破し、ようやく京に着いて帝へ会えてからは、いよいよ話が本格化してくる。
『守光楼閣』だの『夢操の回鏡』だの『長門の練武館』だの『招嵐の法』だの、
漢字の造語が多くて話が飲み込みづらい……
ひとまず分かったのは、敵は『呪界衆』というやつらであり、
その連中と対抗するために『5つの霊晶輪』が必要である、ということ。
んむ、バラモスを倒すために6つのオーブを集める必要があるんだ、
と解釈すれば分かりやすい。
それからは安芸、出雲、長門、鎌倉など日本各国を巡り、
気付けばあっという間に北海道と九州以外の全ての地を回ったことになった。
吉野ヶ里では何と邪馬台国の遺跡が出てくる。
おおう、確か邪馬台国の所在地って諸説があるんじゃなかったっけ…
ゲームの設定とはいえ特定するようなことをしていいんだろうか。
九州の桜島では、主人公達が円上という人物の罠にハマったところ忍という女性に助けられ、
そして桜島の噴火を利用して呪魂の主力部隊がいるところに溶岩を流し込んで倒すという、
大規模なイベントがあった。
北海道の地にあるカムイ遺跡・東の洞窟では呪魂軍のNO.2であるという狂舞と戦い、
見事全国制覇。
んんっ、この時点でプレイ時間がまだ10時間前後だったが、
もしやもうクリア間近?
SDガンダム外伝2に次ぐ最速クリア時間になる?
と思ったが、そんなことは無かった。
出発地点である四国の地に戻り、そこで何と弁慶が復活。
死狂舞「戦鬼・武蔵坊弁慶。ついに復活したのか。ではまた、死ね」
の台詞が無情笑
しかし、タイトルに冠している人物がまさか仲間になるとは……
神格化された存在で、
精霊ルビスみたいに主人公達の冒険を陰で支えたりする程度の役割なのかと
勝手に思っていた…
弁慶はパーティーには加わらず、戦闘でたまに攻撃をかけてくれるオマケみたいな立ち位置だったが
攻撃は結構強力なので、居てくれてありがたいといえばありがたい存在だった。
そして、因縁の呪魂を倒したら、何と物語は第二部……
まさかの中国大陸へ渡航。
そんなグローバルなゲームだったとは……
中国では日本と通貨が違うので両替させられるのだが、
10銭につき1銀単位なので、お店で売ってるものは凄く安く感じる…
だけど実際は日本の価格だと10倍にしたものの価値がある、というギャップが新鮮で面白かった。
舞台は中国だが、日本のゲームなので街の人の会話のノリは日本と変わらず…
あまり中国感は無し。
鳴沙という女の子(ヒロイン格か)が仲間になったが、
思えば今までずっと男だけのムサいパーティーでプレイしてきたが
和風RPGは男が主体のイメージがあるからか、あまり気になってなかったな。
越後屋(中国にもあったのだろうか)の話に乗り、
主人公一人で単独行動をして離れ小島に行ったところ、四界将の一人武克(ブコク)に襲われる…
密かに後をつけてきてもらった常由に助けられたが、
主人公は海に流され、気がついたのは長沙という村。
そこで白蓮という少年が仲間に加わり、みんなとはぐれてしまった中、これは心強し……!
と思ったら、白蓮、激烈弱い……
なのになぜか行動スピードは速く、
秒数のかかる拳法アクションを駆使しては
相手に0ダメージを与えるだけ
という、むしろ邪魔で時間の無駄なだけだった(^^;
ようやく仲間が全員戻ってきて、パーティーは何と総勢6人に。
フィールドを6人の列が蛇のようにうねって歩く様は、何とも見応えがある…
敦煌についたあたりで、かなり詰まった。
『鳴沙山』、『月牙泉』、『三日月の扉を探し出し風と共に歩む泉を出現させるがよい』とか
色々ワードが出てくるものの、次行くところが分からず。
うろうろしていたらやたらと露出度の高い雀皇(ジャコウ)というボスが出てきて、
いきなり千年前の邪馬台国にワープさせられる。
うーむ、呆気なく時空を超越……ファンタジーにもほどがある。
元の場所に戻ってきたものの、相も変わらず物語が進行しない……
結果としては少林寺の北の達磨洞まで戻ったら先へ進めたのだが、
ノーヒントでここまで戻らなければならないのはちょっとキツい。
本作で一番の詰まりどころだと思う。
物語を追っていくと、どうやらラスボスはフビライ・カンらしい。
まさかの実在した人物……
勝手にそんな設定にしていいのだろうか……
中国に怒られたりとかしないのだろうか。
ラストの方では物語の背景が語られたが、
「呪界、鬼獣界、幻応界、そして流酷界。四界は人々の恐怖と憎悪から生じた」
「亡き源義経の志は武蔵坊弁慶にたくされ、ジンギス・カンの意はフビライ・カンに受けつがれた」
「鳴沙は弁慶の側に、四界衆はフビライ・カンについた。だが、行く末を決める力は…明日都へ」
という言葉が全容が分かりやすく伝わり、印象深かった。
白蓮が死んでしまったのが悲しい…
前半は役立たずだったのが、後半は成長して戦力の一員になってくれていたのが感慨深くて、
将来有望感があったのになあ。
四界にて四界将をそれぞれ倒し、
あとは四界将と合体したラスボスのフビライ・カンと交戦……撃破へ。
ラスボスはさすがに強かったものの、元々がヌルゲーな方なので特別苦戦することはなかった。
しかし、鳴沙の母親が恒沙……メガテン4で出てきた西王母(セイオウボ)とは、面白い設定だったな。
エンディングは、顔イラスト込みで登場キャラのその後が語られたのが感慨深かった。
最後の『以降、彼らが再び集うことはなかったという。
影の歴史が一つ、ここに幕を閉じた。』という文が物悲しかったが、
影の歴史という設定なのであれば致し方ないことか……
総じて、淡々としていたものの程々にドラマチックで、
当時としては結構シナリオに力が入っていた方だったんじゃないかと思う。
ただ、あっさりと人が死んだり、そのわりに描写が軽く表現されているので
そのあたりはカブキロックスのような印象も抱いた。
無機質で淡々としたFC時代のRPGと、
映画のようなリアリティすら感じる現代のドラマチックなRPGの中間期とも呼べる時代の作なので、
中途半端なドラマチックさとして感じたのだろうか……と解釈。
決して当時の質として悪くはないRPGだったが、
正直、変にグローバル化せずに日本編を全編として練り上げて欲しかったなあ。
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