65.弁慶外伝 沙の章(SFC)レビュー・感想・評価
■タイトル:弁慶外伝 沙の章
■発売日:1992年12月11日
■開発元:サンソフト
■発売元:サンソフト
■定価:10,368円(税込)
■個人的ランク:C+
プロローグ・あらすじ
~闇に葬られた歴史~
文永十一年(西暦1274年)……文永の役
中国大陸全土の統一をもくろむ最強の大国「元」の蒙古軍襲来。
しかしその時、突然吹き荒れた暴風によって蒙古軍は壊滅的な打撃を受け、撤退を余儀なくされた。
その風が、強力な呪法によるものであったこをを察した「元」の皇帝フビライ・カンは、
配下の四界将"呪魂"を日本に送った。
これを知った将軍・時宗は、呪魂の率いる呪魂衆を迎え討つべく全国の法力者に発令した。
"源義経"と"武蔵坊 弁慶"が平泉の合戦で討ち果たされたといわれてから八十余年、
とある地で立ち上がったのは"不動"たち"沙"の血に導かれた若者たち。
四界将をも脅かす不死身の戦鬼・武蔵坊 弁慶が、長き眠りより目覚めた時、彼らの真の旅が始まる……。
本作の見どころ
- ・昔の純和風RPGながら遊びやすく、戦闘バランスやストーリー等、しっかりと作られている。
- ・スピーディーな戦闘テンポ。難易度も低めでサクサクと進行出来る。
- ・表には出なかった裏歴史的扱いのストーリー設定で、史実に基づいた歴史的人物や出来事が登場。
- ・主人公の性別を選べ、エンディングも若干変化する。
弁慶外伝 沙の章の総評
SFCとしては前期にあたる時代に出来た作としては良く出来た、まとまった一作だったと思う。もっと破天荒な内容を想像していたが(そういう部分も実際あったが)和風RPGという風変わりな地盤ながら内容は分かりやすく、サクサク進み、戦闘バランスも優しいながらも悪くなかった。むしろ和風という特殊な舞台ながらも良くも悪くもそれっぽくない、ドラクエライクのオーソドックスでライトな感覚のRPGだった。
流れが唐突過ぎて感情移入しづらい、次どこに行くか分からなくて詰まる、説明書が無いと分からない操作法が多い、などの昔のゲームあるあるな不親切な部分は多数見受けられるが、逆に、戦闘テンポがスピーディーだったり、戦う味方側の状態が視覚的に表現されていたり、漢字が多用されていたり、ダンジョンが視覚的に立体構造になっていたりなど目を見張る部分も多く、意欲作の部類だとうかがえる。
後半、話が急にグローバルになり、無理にスケールを大きくして畳むのが難しいほど風呂敷を広げ過ぎた感があったが、もっと凝縮させて日本で完結する話にしても良かったのでは、と思った。
■関連商品
弁慶外伝 沙の章の音楽
『ファ〜』という尺八のような印象の柔らかい和風テイストのBGMが主体で、楽曲数は多く、後半は通常戦闘の音楽も変わるが、全体的に地味めで印象に残りづらい。和の雰囲気を良く表してはいる。特別好きだったBGMは無いが、強いて挙げるならフィールドの音楽の『青い空と月の夜』、街の音楽の『平和が一番』あたりか。戦闘曲は特に刺激的なサウンドのものは無かったが、特定の敵が現れた時に流れる『おどりのうた』は面白かった。あと、良い曲というわけではないが後半戦の『強敵ども』は何だか耳に残る。
弁慶外伝 沙の章のシステム
和風ながらオーソドックスなRPGスタイルで、『桃太郎伝説』をベースに考えると分かりやすい。主人公の性別が選べたり、名前を付けるのに漢字が使えたり(SFCではかなり珍しい)、戦闘でみんなで力を合わせて攻撃する『一斉』コマンドがあったりするのがオジリナル要素だが、特段強い要素でもない。戦闘難易度は易しめで、サクサク進められるが、法術の効力がどれがどれやら分かりづらい。戦闘はフロントビューのドラクエスタイルだが、主人公達の全身絵が魔物同様こちら向きで立っているのが面白い。物語は現実の日本が舞台で、多少史実に基づいているところもあるので歴史好きなら楽しめる(かも)。
次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介
※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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