39.ワイルドアームズ(PS)レビュー・感想・評価
■タイトル:ワイルドアームズ
■発売日:1996年12月20日
■開発元:メディア・ビジョン
■発売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント
■定価:6,090円(税込)
■個人的ランク:B
プロローグ・あらすじ
かつては守護獣ガーディアンの庇護のもと、緑あふれる豊かな大地であった世界、ファルガイア。
だが鋼鉄の身体を持つという魔族の突然の襲来によって、
ガーディアンの力は失われ、草原は荒野と化していった……
月日は流れ、人々は荒野の中に新たな文明を造りだしていた。
とある村で働いているロディ、遺跡を探索するザック、寄宿学校で目覚めるセシリア。
とある3人の若者をめぐり、運命の輪が回り始める!
本作の見どころ
- ・SFとファンタジーと西部劇を融合した世界観の王道RPGであり、独特でありながらも馴染みやすい。
- ・グッズを使用した謎解きなど、ゼルダの伝説感覚のアクション性に富んだ謎解きが随所に散りばめられている。
- ・三人の主人公それぞれの視点で楽しめ、それらが交差してドラマチックなストーリーを織り成している。
- ・意外性に富んだストーリー展開。登場人物のキャラクターの個性がよりそれを強く印象付けている。
ワイルドアームズの総評
総合的に見ると、まずまずの面白さだった。ポポロクロイス物語とアークザラッドと共にソニーの三大RPGの一つと言われているらしいが、個人的にはポポロクロイス物語>ワイルドアームズ≧アークザラッドの印象。
王道RPGで遊びやすかった点、ドラマチックなストーリーだった点、歯応えある謎解きがあって面白かった点、音楽が良いものばかりだった点は好印象。
マイナス点は、会話がベタなものばかりでイマイチ現実味が無かったところ、ストーリーが詰まりやすかったところ、グラフィックの3D部分がしょぼかったところ。ストーリーが意外性に富み、キャラクターが個性が強くて笑いや涙が誘われる部分が多かったのは良かったのだが、どうにも言葉がベタベタものが多く、良い意味での生活感があまり感じられなかったのは設定が良かっただけに残念だった。あと、プレイ時間が短めではあるのだが、エンカウント率はそこそこ高めで詠唱シーンなどモーションが遅いので、一回の戦闘が遅く感じられたのはストレス材料だった。昔のRPGということでそこは仕方が無い部分だろうか。正直、あのクオリティであれば無理に3D化せずとも、幻想水滸伝のように2Dで表現しきっていてもよかったように思える。
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ワイルドアームズの音楽
かなり良い音楽揃いだった。
通常戦闘曲は残念ながら好きというほどにはなれなかったが……口笛が印象的なオープニングテーマがどこかで聞いたような気がするのはテレビで流れていたのを聴いていたからだろうか。あと個人的に好きなのは、ナイトクォーターズ戦の音楽、『世界にひとりぼっち』という寂しくて孤独感があって悲しい音楽、『勇気』という明るく迫力があって勇ましいダンジョンの音楽、『荒野の渡り鳥』というフィールドの音楽、『街』という冒険者的なノリのそのまんま街の音楽、『探し物は長閑な海辺に』という村の音楽など…
場面問わずドラマチックな良曲が多く、作の良さの大きな底上げがされていたように思う。
ワイルドアームズのシステム
基本的には王道RPGの形式で、ランダムエンカウント式で戦闘をこなし、レベルを上げ、お金を貯めて強い武器や防具を揃えてダンジョンに挑み、ボスを倒して先に進めていくスタイル。
ただその中でも一風変わったシステムもあって、まず戦闘シーンのアングルが変えられる点。そして主人公三人が最初は別々の位置にいて、それぞれ個々に操作して一箇所に集うというドラクエ4や貝獣物語のようなシステムが面白い。あとは謎解き要素がとにかく多く、ゼルダの伝説のようにアイテムやダッシュを駆使して仕掛けを突破していくようなアクション性が求められる仕掛けも多い。歩行スピードはダッシュを駆使するとかなり速めだが、その分エンカウント率もやや高めに思える。そして戦闘シーンはなにかとモーションが入るので、上にも記したが冗長に感じられる点はマイナス点。
戦闘難易度はそこまで高くはないが、一部凶悪な大ダメージを与えてくるボスがいたり、状態異常を乱発する雑魚敵がいてこちらはなす術もなく全滅させられる、ということが稀にある。クリア時間は当時のゲームにしては長くも短くもない30時間前後。
次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介
※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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