37.幻想水滸伝ティアクライス(DS)レビュー・感想・評価
■タイトル:幻想水滸伝ティアクライス
■発売日:2008年12月18日
■開発元:コナミデジタルエンタテインメント
■発売元:コナミデジタルエンタテインメント
■定価:5,500円(税込)
■個人的ランク:A
プロローグ・あらすじ
辺境のシトロ村の自警団に所属する主人公は、
幼馴染のマリカ・ジェイル・リウ、兄貴と慕うディルクとともに、東の丘にもさもさ退治に出かける。
東の丘で主人公は、谷が突然森に変わり、見覚えのない遺跡が現れるという不思議な光景を目にする。
戸惑う主人公だったが、仲間たちはさも当たり前のように振舞う。
もさもさ退治を続ける主人公たちは遺跡に踏み入り、強敵に追われて最上階に追いやられるが、
主人公は一冊の古びた本を発見する。
その一冊の本の力により不思議な現象を体験した主人公達は、
その本の謎を解き明かすために旅に出る内に次第に大いなる闘争に巻き込まれ、
身を投じるようになっていく。
本作の見どころ
- ・壮大かつドラマチックなストーリー。ボイスやアニメーションが更に雰囲気を盛り上げている。
- ・シリーズの特徴を受け継いだ108人の多種多様な仲間が存在し、その仲間を集めていく面白さ。
- ・馴染みやすくプレイしやすい王道的RPGシステム。そして多過ぎず少な過ぎない程々のボリューム。
- ・シリーズ中屈指の音楽の良さ。世界観を形作るしっかりした土台となっている。
幻想水滸伝ティアクライスの総評
かなり完成度の高い一作。元々がDS仕様のゲームなので3DSでプレイしたらグラフィックのしょぼさが目立ってそこはかなり残念だったが、それを補って余りある面白さだった。
まず突出しているのがストーリーの良さ。ファンタジーながらも骨太でリアリティを含むストーリーで、それをアニメーションシーンやキャラクターの個性、ボイス等が前面に魅力を押し出している。ポータブルゲーム機のゲームながらも個人的に数回泣きどころがあった程だった。システムもユーザビリティが程々に良く、概ね快適なプレイ環境の下でプレイ出来る。音楽もクオリティ高めのものばかりなので、プレイするのであれば是非イヤホンやヘッドホン着用でプレイをお勧めしたいところ。
ドラマチックなRPG、王道的なRPGが好きであればまず外さない、お勧め出来る一作。ただ、エンカウント率の高さやセーブポイントの少なさ、歩行スピードの遅さ、やり込み要素の乏しさなど、細かいが不満点もまったく無いわけはなかった。
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幻想水滸伝ティアクライスの音楽
全般的にオーケストラ調で民族系の音楽っぽい雰囲気のものが多く、シリーズの雰囲気を表しているものが多かった。残念ながら通常戦闘音楽は好みのものではなかったが、戦闘曲で言えば司書戦の音楽が突出した良さを感じた。テイルズシリーズで言えばFIGHTING OF THE SPIRITに位置付けすると思えるほどの名曲(特に木琴の音が良かった)。後はパーティー編成時の音楽が良かった。どんな仲間を加えてどんな装備と技で挑むかを曲を聴きながらじっくり考えて、大戦の準備段階の雰囲気を大きく盛り上げられていたように思う。あとは初作もそうだったが本拠地の音楽は華やかで数々の仲間が集っている雰囲気が出ていて相変わらず良かった。
幻想水滸伝ティアクライスのシステム
戦闘シーンは斜め見下ろし型の戦闘画面だが、ランダムエンカウントでレベルを上げて強い武器を集めながらより強力な敵と戦っていく、オーソドックスなRPGシステム。
多少変わっているのがお金システムで、敵を倒してお金を得るのではなく、倒した敵から素材を得て、その素材を街で売ってお金を貯めるという独特の交易品システムというものが採用されている。街によって素材の価値が異なるので売買金額も異なるのが面白いところだが、実際は街によってそこまで大きな価格差はなかったため魅力の一つとまでは言い難いかなと感じた。
グラフィックは3DSのゲームとして見るならしょぼめ……ポリゴンで描かれているが、歩行グラフィックは手がFF7のキャラみたいにでかいグローブをはめたような形で表現されていて萎えてしまった。エンカウント率はやや高めでセーブポイントも少なめ、歩行スピードも遅めという細かいマイナス点があったが、ゲーム性を損なうストレスレベルまでは感じなかった。ただ、基本一本道のストーリーなので仲間を集める以外のやり込み要素がもっとあってもいいかなと感じた。
次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介
※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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