ソールトリガー(PSP)の展開

36.ソールトリガー(PSP)の展開

ソールトリガーの展開

初っ端アニメーションシーンからスタートするが、
謎の偉そうな男の演説の背後で囚われの男達を密かに助けようと
行動を起こす若者達の姿が映し出される。

誰が誰だか分からず、
何のためにどういう作戦で救い出すかも分からない投げっぱなしな状態で始まる本作だが、
ちょっとしたチュートリアルは流れるので、操作に迷うことは無かった。


どうやらこの作では教会という組織が政治を行う側で、
その組織の政治を悪政と見なしてそれに対抗するレジスタンス組織が主人公側という設定らしいが、
何となくFF7のストーリーと似ていると思ったら脚本家がFF7担当の人と同じ野島一成という人のようで、納得のシナリオだった。

話の進行としては、『まずは教会に捕らえられ利用されている光の民を救出した後に、
教会を叩く』
という作戦が元々練られているようで、
その作戦に沿ってダンジョンを一つ一つ攻略していく流れになっている。

イケメンでしっかり者だが、どこか自分に自信の無い組織のリーダーかつ主人公のファレル
明らかにファレルに想いを寄せているのが分かる、おっとりしっとり系の小柄な美女エマ
エマが可愛い系なら明らかに対照的な綺麗系を意識している、グラマラスで巨乳キャラのソフィ
ファレルの兄貴分といった立ち位置で、クールで渋い系の参謀ヴァルター
筋肉バカ…もといオラオラ系の熱血漢で、使う武器はやっぱり斧だったグスタフ
ムードメーカーで、戦場に立ってるのが不思議なくらいの9歳という設定の女の子シリル

もう全員が全員ベタベタというほどベタなキャラ設定だが、
この六人が初期メンバーかつファレル編の最終メンバーで、仲間は増えたり減ったりすることは無い。

戦場に赴くのにこんなに美男美女揃い男女比率が整った
都合良いパーティーがあるわけないだろ!
って話だが、そこはゲームのご愛嬌…

結構馴染みやすいメンバーだったので(グスタフとシリル以外)、
わりと早いうちからキャラクターに愛着が持てた。


ゲームの流れが基本繰り返し作業で変わらないので、特別展開を書くほどの材料は無いのだけど、
思いのほか、戦闘が面白い。

ダンジョンに入りたての時は特別装備が整っていない状態でスタートするので敵とも苦戦しがちだが、
ダンジョンの中で手に入る素材を拠点に売れば新しい武器や防具が買えるようになるので、
そこで装備を整えられる上に、
武器の場合は新スキルを戦闘中に閃いたりするので、ますます戦闘能力は向上する。

ダンジョンと拠点の往復を繰り返していくうちにレベルも上がっていくので、
ダンジョンの最奥の方まで辿り着いた時には
あらかた雑魚敵はたやすく倒せるくらいまでパワーアップしているのが心地良い。

純粋に先を見たいのもあるが、難易度がそう高くなくサクサク進める上に
メキメキ強くなっていくキャラクター達を拝めるのが心地良くて、
つい時間を注いで先へ進めたくなってしまう中毒性も感じた

そしてダンジョンの最奥ではお決まりのようにボス戦に突入して
ある程度全員鍛えこんだキャラクター達の力が試されるわけだが、
ボスがいる手前で『この奥で強い力を感じる』といったような警告は何も出されないので、
状態が整っていないままボス戦に突入してしまうことが多々ある。

ソールトリガー画像3

さて、ある程度話が進むと、ただダンジョンを制覇するだけでなく、
戦いの小休止と称してキャラクター同士がコミュニケーションを取る場面が現れてくる。

そのあたりで見るからに重要そうな選択肢が求められるのだが、
この作は実はヒロインを誰に選んで話を進めるかという重要なルート分けの設定があり、
選んだヒロインによっては大きめにストーリーやエンディングが変化したりする

実質そのルートは3種類あるので、全員分制覇しようと思えば3回は本作を遊べることになるが、
それぞれガラッと大きくストーリーが変化するということは無いので、
3回プレイするモチベーションを持つのはかなり苦しい。


そして実は今作には大きなストーリーのどんでん返しがあるのだが、
そのどんでん返しが本作にとって良いものと捉えられるかはちょっと微妙。

個人的には悪い意味でショッキングだった。

キャラクターの魅力が重要である今作において、
あの流れはかなりゲームに対するモチベーションに影響を与えてしまうのではないだろうか。

ともあれ、多少萎えはしたものの、ゲームのシステム的な面白みそのものは変わらないので
そのままエンディングまで辿り着けたが、
クリア時間は24時間程度と昨今のRPGにしてはかなり短めだった。

特別苦戦した戦闘や印象深かったダンジョンがあったわけでもなく、
淡々と攻略していた流れだったように思う。
強いて挙げるなら初期のイシュトバーン戦は本作の中ではかなり苦戦した方だったが……

ちょっと危なくなったらこまめに拠点に戻って回復して、
を繰り返せば大体のダンジョンはサクサクとこなせると思う。


前半はファレルとヴァルターとエマとソフィの四人で攻略したが、
エマを回復役に、ソフィをソール軽減役に、ファレルとヴァルターをアタッカーにして臨んだ形だった。
ファレルは単体攻撃用の後半覚えるスキルがかなり強力で、ボス戦で一番重宝していた。

後半はとにかくシリルの補助スキルが役立った。
あれがあると無いとではゲームの難易度はまったく違う。
全員の攻撃力・防御力を高め、自己修復スキルを全員に付けさせたら
大概の敵はボス戦も含め苦戦知らずで乗り越えられる。
事実、ラスボスでさえもこのやり方でやり通すことが出来た。

使えるキャラだった反面、
ストーリー上の絡み的には個人的にはまったくもって好めなかったキャラだったが……

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