ラジアントヒストリア(DS)の展開

35.ラジアントヒストリア(DS)の展開

ラジアントヒストリアの展開

砂漠化した世界を前に、また世界を救えなかった……
と謎の子供二人が謎な言葉を放ち、初っ端から意味深なスタートを切る。

主人公の名はストックで、本作では名前や外見をいじったりすることは出来なく、
しかも本作では主人公も周りのキャラクター同様言葉を発する設定のようだった。

まるでFF6エンドオブエタニティを思わせるような
近未来的で機械に囲まれたメカメカしい街が最初のアリステルの街で、
暗く切なげな音楽、そしてストックのザッザッという歩く効果音が印象的だった。

最初の任務を受ける際、レイニーとマルコという人間味ありそうな二人が仲間になるのだが、
その二人と馴染む間もなく
ストックが突如予知するような回想に入って二人が死んで横たわっている未来の姿が見えて
ストックも俺も動揺。

そして……

本当にその後二人とも死んでしまう展開になってしまい、初っ端から重々しく鬱な展開で、
まさか本当に死んでしまったまま先に進むのか……?
と不安を感じながら進めていたのを覚えている。

だがそれから白示録の力を用いて二人が死ぬ前に戻り、
二人が死ぬきっかけとなった大元を打破して進むことになるのだが、
死んでしまった二人と再び何事も無かったかのような状態で再開出来た喜び、
そして本来死ぬきっかけとなったものを先読みして突破して周りを驚かせた瞬間は
他作には無い快感が感じられた。


おおまかには二つの歴史の流れを平行させて進ませることになるのだが、
当然二つの歴史の流れが違うので、
同じ性格でも一方のキャラの運命ともう一方のキャラの運命が全く異なったりしていて面白い。
そして、一つの歴史の流れがもう一方の歴史の流れに多少の影響を与えるという仕組みも面白かった。

ラジアントヒストリア画像3

シナリオの流れは、正伝や異伝を行き来して、
どちらかのシナリオ進行が行き詰ったらもう一つの歴史に飛んで
行き詰った要因を打破する材料を探す、という流れが主軸となって進めることになる。

特別難関だった場所は思い当たらないが、行き詰った要因を打破する材料が
どの時間のポイントにあるのか分からず迷ったりしたことは結構あった。


本作はストーリーがミステリアスな部分が多く、
特に何か深い事情を知っていそうな白示録の二人やハイス、
エルーカとアトも何かを知ってるかのような意味深なやり取りをすることが時折あり、
その謎めいた部分はずっと謎のまま先へ進むことになるのだが、
それらは最後の方で一瞬で氷解するのでカタルシスを感じられる。

色々と伏線は張られていたりするのだが当時は気付かず、
すべてを知った後にやり直してみると一層物語の深みを味わえたりすることが出来る。


戦闘では特に何回もやり直すほど苦戦した場面というのは無く、
本作独特の戦略性を上手く利用して戦えばそれなりにどんな戦いでも凌げるが、
ラストの方の短時間で何回も攻撃を繰り出してくるビオラとの戦いは正直、ラスボス以上に苦戦した。

自分は最初から最後まで通してレイニーとマルコを主戦力として戦っていたが、
どうも武器で戦うより魔法で戦った方が本作では強力そうなので、
レイニーのリジェネレイトとマルコのガードライズマジックライズで準備を固め、
ストックとレイニーの魔法攻撃とマナバーストでガンガン攻めて
マルコは回復や補助役というパート分けで戦って最後まで通せた。

クリアレベルは62、クリア時間は31時間ほどだった。


本作で印象的だったシーンは、
まずロッシュが「動け…動けよ!ガントレット!こんなところで俺は…!」と叫んだ戦闘シーン。
壮絶な闘いを思わせる『The Red Locus 』の音楽も一層その場面を強く印象付けた。

他、冒頭で挙げたレイニーとマルコを救ったシーンや、
キールが囮になってストックが「いつかきっと救ってみせる」と誓ったシーン、
あとはやはりラストの方の
「俺は自分より大切なものと出会った、あなたはそれとただ出会わなかったんだ」という台詞や
「俺は未来に希望を見た。だがあなたは過去に絶望した」と言ったシーン。

ずーっと過去の方にジャンプして、現在の状況を知るはずもないのに歴史が影響を与えたのか、
当時の仲間が臨機応変にストックに応じてくれたシーン、
同じく事情を知るはずもないのに感ずるものがあったのか、事情を汲み取ってくれたビオラなど、
みんなが団結して未来に想いを馳せているラスト近い場面場面は
本作で最も力がこもっていたクライマックスシーンだったと思う。

寂しい結末となるラストだが、最後の最後のエンディングで救いの部分を見せてくれて、
どこか清涼感を感じたサッパリとした終わり方なのも良かった。

自分より大切な存在、か……と色々思うことがあり、
生き方や死に方などのテーマも考えさせられた、良き作だったように思う。


個人的に好きだったキャラクターは、考えてみたら
ソニア<キール<ビオラ<ストック<レイニー
という感じになったが、
知らず知らず美男美女を選んでしまっていた自分。

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