34.真・女神転生IV(3DS)レビュー・感想・評価
■タイトル:真・女神転生IV
■発売日:2013年5月23日
■開発元:アトラス
■発売元:アトラス
■定価:6,980円(税込)
■個人的ランク:B+
プロローグ・あらすじ
グレゴリ歴1492年。
東のミカド国に住む主人公はある日、二人の少年と一人の少女に出会う奇妙な夢を見た。
夢から覚めると、幼馴染とともにミカド国に伝わる「ガントレットの儀式」を受け、
サムライ衆の一員となる。
主人公と同じくサムライ衆になった者の中には、夢の中で会った二人の少年の姿があった。
そして主人公の日常は非日常へと大きく変わっていく。
本作の見どころ
- ・意外性のあるシナリオ展開。思いもよらない話の流れでガラッと冒険環境が変わったりする。
- ・フルボイスで感情移入のしやすいストーリー。凝ったグラフィックも相まって携帯機のわりに没入感が強い。
- ・真女神転生のこれまでのテイストを踏襲した整った音楽。荒廃した世界観をより引き立てている。
- ・初心者でも入り込みやすい親切設計、ゲームの奥行きを表現させたバロウズシステムの搭載。
真・女神転生IVの総評
ニュートラルルートを47時間ほどかけてクリアしたが、それなりに面白かった、という印象だった。RPGとして見たら作品として十分まとまっていて、プレイして損はない、優等生的な印象で、外さないように思う。
ただ、これまでの女神転生シリーズの流れを汲むと、女神転生を形作るのに根本的に必要な軸がどうにもブレてしまっている印象があり、面白かっただけに残念に感じてしまった。
具体的には、視点がこれまでのFPSからTPSに変わって3Dダンジョンものでは無くなってしまい、妙なアクション性が加えられたこと、悪魔のイラストが既存のものと新しいものでタッチが全く異なるので統一感が無くなってしまったこと(新しいものが特にガッカリだった)、悪魔のスキルの継承が自由自在過ぎて個性が全く感じられなくなってしまったこと、ラストの盛り上がりが思いのほか精度が低かったこと。あと、個人的には、強制的にチャレンジクエストを進めねばならなかった時間稼ぎのようなシナリオの流れが非常に中だるみを感じてやる気が削がれたのも大きかった。
受け継ぐべきものが受け継がれていて、ちゃんと光るものも感じていただけにどうしても惜しいという印象は否めなく、個人的にシリーズが好きな身として、もっとユーザーの要望を汲み取ってほしかったと感じた。
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真・女神転生IVの音楽
非常にバリエーションが多く、戦闘曲一つとってもいくつもの種類があったり、街それぞれに専用BGMが用意されていたり、かなり数が多い。
個人的には市ヶ谷や通常のボス戦の音楽が好きだったが、時折かつてのシリーズの曲のアレンジ曲が組み込まれていたりしたのも胸が高鳴った。
全体的にハードロックなものばかりだが、激しく情熱的なテイストのものが多く、良い意味で地味でシンプルなテイストのものは少なかったように思う。
真・女神転生IVのシステム
前作までとの大きな違いが3DダンジョンのFPSビューからTPSビューに変わり、俯瞰から眺めた主人公の歩き回る姿が見えるようになった点。スカイリムやドラゴンズドグマのような操作感になった。更に、敵との戦闘もシンボルエンカウントになり、敵を武器で切りつけるアクションを取って戦闘に突入すると先制攻撃が出来るようになるというアクション要素も加わったが、個人的にはこの要素はメガテン作においては要らなかったように思う。
あと、序盤からやたらと難易度が高く、敵の攻撃のダメージがでか過ぎるため、敵からの先制攻撃をくらうと最悪何も出来ないまま全滅することもあり得るほど。一応途中から難易度の変更をすることは可能だが、中盤当たりからかなり緩くなってくるので、序盤さえ越えられればそのままの難易度でもやっていけるようになる。
他は大体過去の女神転生シリーズのシステムを踏襲しているが、新規のデザイナーによって描かれた悪魔のグラフィックがメガテンテイストに噛み合わず違和感を感じたり、東京のMAPがどこがどこやら分かりづらかったり、過去作と比べるとどちらかというとマイナス点が多く感じられたのが残念だった。RPGとして見たら些細な程度のものだが、古参のメガテンファンからしたら大いに気になる点の数々だと思われる。
次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介
※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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