31.ファンタジーライフ(3DS)レビュー・感想・評価
■タイトル:ファンタジーライフ
■発売日:2012年12月27日
■開発元:ブラウニーブラウン・ハ・ン・ド
■発売元:レベルファイブ
■定価:5,800円(税込)
■個人的ランク:A
プロローグ・あらすじ
世界の名前は『ファンタジール』
空に浮かんだマーズと呼ばれる月の下で人々は平和に暮らしていました。
自分の"ライフ"を選び、『クルブルク』での生活を始めたあなた。
ところがある日、平和なファンタジールでのライフを送る中、
あなたの住む街に隕石が降ってきました。
モンスターたちの住むパーテル大平原にも同じ隕石が落ちたという話を聞いたあなたは、
好奇心から様子を見に行くことに。
もちろんその石が、平和な『ファンタジール』の世界を脅かすかもしれない
とんでもない秘密があることは知る由もなく……
こうして始まる、あなた自身の物語。
まだ見ぬ人々との出会いと冒険が待っています。
本作の見どころ
- ・ストーリーパートとスローライフと二つの楽しさを味わえるほのぼのとした雰囲気のA・RPG。
- ・骨太なストーリー、ユーモラスな会話、アクション性の高い冒険、A・RPG単体で見ても質が高い。
- ・職業が12種類の中から選べて、趣きの異なるそれぞれの生活を自分のペースで楽しむことが出来る。
- ・止め時が見付からない程の圧巻のボリュームを誇るクエスト量。すれ違い通信も楽しめる。
ファンタジーライフの総評
純粋にアクションRPGとして評するには難しい、一風変わった作である。軸となるストーリーがあり、基本はそれに沿ってエンディングに向かう形なのだが、付随するスローライフという要素がもう一つの本作のメインと言えるほどプレイの大部分を占めているのでアクションRPGとスローライフの融合作のような形となっている。ストーリーのクリア後も様々なクエストをこなして楽しんでいける形はスカイリムと似ている。
個人的には、こなしては現れこなしては現れる膨大な量のクエスト消化に没頭していたら止め時が見付からず、気が付けばついつい長時間楽しめてしまっている中毒性に作の力を感じた。作業ゲーと言われればそれまでだが、その一つ一つの作業もやりがいがあり、ほのぼのとしたユーモラスを感じながらこなせたのでほぼ苦にはならなかった。
職業が12種類の中から選べ、それぞれにストーリーが展開されていて、それとは別にメインストーリーがあって、どちらを進めるかは自分でその都度決めて進められるので自由度が高く、ボリュームも大きい。そしてこの作の評価を高めている大きな点は、アクション要素やメインストーリーの内容がかなり骨太に作られているところ。マザーやポポロクロイス物語のようなほのぼのとした世界観の中にユーモラスを交えた会話が繰り広げられるので、一つ一つの会話も見ていて飽きない。
音楽も良く、すれ違い要素もあったりと色々と大作感がうかがえた本作だが、目立つマイナス点もあった。まずWi-fiに対応していなくオンライン要素が弱いところ、一つの職業を極めるには他の職業にも手をつけないとならないので結局のところ辿り着くところはみんな同じであり、プレイヤーによっての個性が出せないところ、要素は多いものの器用貧乏のような形で深みが足りなく、浅いと感じる部分が多いところ、12種類の職業それぞれの個性がイマイチ弱いところ。それらが評価をAまでに留めてしまった要因だった。とはいえ、没頭できる良作には違いないので、コツコツとやり込む感覚のゲームがOKな方、ほのぼのとしたゲームが好きな方、どうぶつの森にもっと刺激があったり目標となるものがほしいという方にはお勧め出来る。
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ファンタジーライフの音楽
全体的にポップで、ほんわかとしていて、のんびりした曲調のものが多い。効果音の一つ一つも温かみある雰囲気を盛り上げるポップな感じのものが多く、心を弾ませる。ただ、曲の使い回しが多く、職業による音楽の使い分けもなく至るところで同じ曲が使われていたりするのはマンネリを感じてどうかと思った。それだけに曲の一つ一つは覚えやすく、頭には残りやすかったのだが……個人的に好きな曲は、作業時&イベント発生時の音楽、大ボス戦のコーラスが効いた迫力ある音楽、同じくコーラスの入ったダルスモルスの城の音楽、あとイベント達成時のポップな効果音や古代遺跡の音楽。
ところでBGMとは異なるが、本作では12種類もの歌が収録されており、とある条件を満たした時にそれぞれ聞けるのだが、その凝った演出には驚いた。
ファンタジーライフのシステム
スカイリムとどうぶつの森を足して割ったような感覚の本作だが、そのいずれにも無い本作だけの特徴は何と言っても王国兵士・木こり・大工・鍛冶屋・傭兵・魔法使い・狩人・釣り人・料理人・採掘師・裁縫師・錬金術師から成る12種類のライフ(職業)。共通パターンがあったりするもののそれぞれの職業にはそれぞれの趣があり、ストーリーがあり、その職ならではの楽しさを堪能することが出来る。
自由度が高く、ライフを堪能するのもストーリーを進めて冒険を楽しむのも自由なので目安となるクリア時間も無い。自分は40時間あたりでクリアしたが、やろうと思えば20時間以内でクリアしてしまうことも可能だろう。
戦闘の難易度は職業によって異なるが、大工や木こりといった生活職でもそれなりにモンスターを倒していくことは出来るが、後半になると辛くなってくる。生活職は攻撃力の高い武器が装備できないので、一匹のモンスターを倒すのにも膨大な時間を必要としてしまう。ただ、敵からやられるペナルティは皆無に等しく、回復アイテムも使いやすい設計になっているのでアクションが苦手な人もとっつきやすく、そういった意味での難易度は低い。
本作はすれ違い通信により、他人のアバターが自分の街に来て話が出来たりプレゼントが貰えたりなどの要素はあるが、Wi-fiによるオンライン通信は出来なく、身近な人間とのマルチプレイは可能だがオンライン要素は弱い。他に要素としては、自分のアバターを作れる・自分の家が買える・ペットを飼える・忍び足やダッシュが出来る・馬や亀などに乗って移動出来る・などが出来るが、正直忍び足と乗り物移動はほぼ使わなかったし、生かせていなかった要素のように思う。
次ページでは本作の展開(感想・レビュー)を紹介
※場所の名称や人名、大雑把な展開を記載。物語の核心や人物の生死等、重要と考えられる要素は記載していませんが、多少のネタバレを気にしない方、またはプレイ後の閲覧をお勧めします
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