ブレイブリーデフォルト(3DS)の展開

まずはスクエニお得意の美麗なCG技術を生かしたムービーシーンから入るのだが、
残念ながらムービーシーンが挿入されるのは、ゲーム中はこのオープニングのみ。

カメラワークの遠近が面白い形で使用されていて、
街へインする度に街全体を映す俯瞰ショットから
グッとキャラクターの方にズームアップするのが面白かった。
初め街を見た時は、ポリゴンではなく手書きの絵画のような感じでグラフィックが表現されていたので
「手抜きか？！」と思ったのだが、
これは進めていくごとにだんだん馴染んできて、手法の一つとして捉えられるようになった。


謎の多いオープニングから始まり、王様から話を聞いて男一人で冒険が始まり、
武器などを買い揃えて準備を固め、
壮大なフィールドに出て雑魚敵と戦いながら先へ進んだら、謎の少女と出会う……
という、ファンタジーRPGとして王道中の王道的な展開はワクワク感がそそられてGood。

イベントごとに敵味方問わずボイスが入るのも凝っていて、
しかもみんな個性が強いので、キャラが覚えやすく感情移入がしやすかったのも
序盤から大きなプラスポイントだった。

いかにも脳筋な感じのベアリングのキャラなんて好きだったなー、
思わず言い方を真似したくなってしまうくらい。

ボスを倒すたびに一つずつジョブが解禁されていくというシステムも面白かった。

が、変な格好しているボスがいるな……と思ったらそれはジョブの格好で、
そのジョブにチェンジすると、そのボスとまったく同じ格好になってしまうのはどうかと思った。

中には獣そのものと思えるようなファッションのジョブや
顔が全部隠れて表情がまったく分からないジョブなどもあり、
イベント時にはそのジョブのファッションのまま会話が進行するので
会話の内容と格好がミスマッチで「うーーーむ」と思えてしまうようなこともあった。


パーティキャラの好みとしては、みんな可もなく不可もなくな印象だったが、
リングアベルが一番好きだったかなあ、かなりのミステリアスかつ重要人物でもあったし。

アニエスは可愛いしいかにも清純派の美少女という感じで良かったけど、
中盤以降からは性格のキツさや融通のきかなさ、
鬱っぽさが出たりして印象がダダ下がりになったりした。


戦闘では序盤は特に苦戦するようなことは無かったが、
初めて全滅の憂き目に遭ったのは、とある砂漠の街での戦い。

デフォルトでの防御も貫通する『テイクオーバー』が鬼畜なほど強力で、
まあ俗に言う銭投げってやつなんだけど金の力を思い知った。

序盤はほどほどだが、中盤以降になってくると雑魚戦でも難易度が上がってくるので
しっかりしたジョブ設定やレベル上げ・装備固め・戦略が必要となってくる。

吸血鬼城では4章の時点で突入してしまったので、その前のドラゴン戦含め物凄く苦戦した。

特に物理攻撃には必ずカウンターを入れてくるケルベロスが酷かった。

世界樹の迷宮でもそうだったが
このゲームはカウンターを入れてくる敵だけは要注意で(槍を持った兵士も使うやつがいた)、
大概の敵は4ターン前借りしてフルパワーで戦えば倒せるのだが、
カウンターをしてくることに気付かず物理攻撃すると
4ターン攻撃したら4回ともカウンターが返ってくるので、
気付いても時すでに遅しで、態勢を整える間もなく全滅……なんてこともたまにある。

ストーリーはミステリ的な謎の多い展開が続くが、
そこには誰もがあっと驚くどんでん返しが用意されている。

ただ、このストーリーに関しては賛否あり、
表現したいものを実現するために周りの行動を無理矢理動機づけたような
不自然さを感じたことが多々あったのが残念だった。

『ここは普通ならこう言うだろう』とか、
『ここをもっと深く突っ込んでいれば、惨劇は起こらなかったんじゃない？』というような
歯がゆさを感じたのだ。

話自体はトリッキーで衝撃も多く、面白かったのだが……

あと、後半、同じことの繰り返しをさせられるかなり面倒くさい展開も待ち受けている。

それも表現したいことを実現するには必要な要素だったのかもしれないが、
恐らくは多くの人があれで萎えてしまっただろう……
もう少し何とかならなかったのかなと思えている。


最後に、ラスボスに利用されていた、あるキーマンがいるのだが……

個人的には、すべてを知った後でもその存在は嫌いにはなれなかった。

「え……飽きた？」

という滑稽な言葉も何だか愛着が湧いてしまって、
戦わずして済む道も無かったものかな～と思えてしまっている。


「そんなこと…だと……？　くそおおおおおおお！！」
「十字砲火！十字砲火！」
「くそっ……喉が渇いてイライラするぜ……！」
「ホォォォォォリィィィィィ　俺様の傷を回復するのは、ホーリーだけなんだよぉぉぉぉぉ」
「拒否します！　ティズも拒否して！」

しっかし色々と頭に残る台詞が多かったゲームだったな〜。