メタルマックス3(DS)の展開

死から蘇った主人公、しかし主人公は自分の名前が分からず、
ヒロインの前で主人公が何となく答えた自分の名前は何と"ドラムカン"。

当然それはこちらに名付けの権利は無く、一方的に決められた名前だった。
何ともいかつい表情をしたとっつきにくい主人公で、
"もしやこの男は主人公ではなく、シナリオの演出上、
他のキャラクターを一時的に動かしているだけなのでは…？"
とすら思ったのだが、残念ながら紛うことなき主人公そのものであった。

今作は(というよりメタルマックスシリーズすべてが、だが)
仲間がドラクエ3形式で自作の傭兵を作って仲間にする形だったので
ストーリー上の絡みは一切なく、感情移入が出来る要素はほぼ皆無。

ただ、冒険の途中に現れる二人のヒロインが良い味を出していて、
進み方次第では
ラスボスもスルーしてヒロインと結婚するエンドなんてものも出てくるので
そちらには感情移入が出来る(大半の人はストーリー上の絡みが多いコーラの方に感情移入しそうだけど)。

前半は、自由度の高さゆえにどこに行ったらいいのかさっぱり分からない状態に戸惑ってしまうが、
主人公がレベル1の時点でなぜかやたらと強いので、戦闘の方は何ら苦も無く先に進める。
(公式サイトでは史上最強のレベル1とも謳われていた)

クルマを次々見つけて一通り旅に慣れてきた中盤あたりが一番楽しかったあたりかもしれない。
賞金首を倒しに行ってはその金でクルマをカスタマイズして、別の地に移動して、
また次の賞金首を狙って…　という展開が続く。

が、後半は世界がだだっ広くて行けるところが山ほどある中、
ストーリーを進行させる情報が少ないので行き詰まりがちになり、
現に自分は一度詰みかけてまったく先に進めず、
モチベーションを大きく下げてしまうことになってしまった。

個人的に六角の塔のからくりがキツかった。

ラスボスはかなり手強く、三回目でようやく倒せた次第だったが、
アトラスゲーによくあるあまりに無茶な強さのボスというほどでは無かったが
しっかりとクルマをカスタマイズさせ、準備を万端と言えるほど固めないと撃破は厳しい。

ゲーム中の台詞では
『過去は人を過去に縛りつけようとする。でもそんなことはお構いなしに明日は明日の風が吹く。
無情だけど、無常。不自由だけど、自由。不思議な人生。』と言っていた台詞が印象に残った。

最後に、シセとコーラ。
大概の人はビアンカよろしくどちらかと言ったらコーラを選びそうに思えるが、
どちらを選ぼうか迷わせるために、シセをもっとストーリーに絡ませて欲しかった。
中盤～後半はまったく顔を出さないので、
あの扱いではヒロインを呼称するにはあまりに影が薄すぎかと……