ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト(DS)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

とあるひっそりとした小さな村に、
ユーリィという男の子とチェリンカという女の子の双子の兄弟が暮らしていた。
二人は、心優しき父・ラトフと、ユーク族の魔法使いアルハナーレム、
リルティ族の錬金術師ミース達に囲まれ、平和な時を過ごしていた。

ところが邪なる紅い月が浮かび上がったとき、
聖なる蒼いクリスタルに守られていたはずの彼らの幸せな日々は
クリスタルと共に無残に砕け散ろうとしていた……

• ・ボタン一つで動かすキャラクターが変更可能の、アクションRPG。
• ・シングルプレイモードの他、ワイヤレスプレイ対応で、最大4人まで同時に遊べるマルチプレイモードがある。
• ・イベントは時折フルボイスのアニメーションシーンが挿入され、ドラマチックな展開を引き立てている。
• ・王道的なストーリーながら、家族愛の温かみが描かれ、エンディングあたりでの盛り上がり方が秀逸。

作品としては上質だったものの、ゲームとしてはイマイチな印象…　それが正直な感想。フルボイスアニメーションシーンや、グラフィックの綺麗さ、ドラマチックな展開、魅せどころは沢山あるのだが、総じて単調な普通のアクションRPGだった感が否めない…

普通のRPGと違って「アクション」が含まれる部分がそもそも人により印象が分かれる部分だと思うが、展開的にはちょっとした謎解きを含むゼルダ的要素と聖剣伝説を合わせたようなゲーム性なのだが、個人的にはDSのゼルダの方が断然面白く感じた。マルチプレイモードで遊べば、また楽しさはガラリと変わるのかもしれないが……少なくとも一人用の印象はさほどのものではなく、「複数の人数で遊べば凄い楽しいゲームだけど、一人で遊んでも楽しめるよ」的な、どちらかというとマルチプレイの方が主のゲームなんじゃないかと後々になって感じられた。

音楽的には、壮大で豪華なものが揃っていたものの、良くも悪くも王道的でイマイチピンと来るものはなかった。ふと思い起こそうとすると、頭の中に流れてくるのは街の中のテーマと最後の戦いに挑もうとする時の行程に流れるテーマくらい…。とは言ってもそれも印象的な程ではなかったので、時間が経てば記憶の中に埋没してしまいそうだが…。

システム的には、前述したようにアクションRPGなのだが、操作性は悪くはない。攻撃パターンが単調なためか、敵によって攻撃の仕方を変えるような必要性はなく、ずっと同じ闘い方でやっていけてしまうが……難易度的には易し過ぎず、難し過ぎず、ちょうどいい具合かなと思った。

あと、3Dの視点切り替えが出来ないので複雑な道の移動や仕掛けの突破時など、やりづらさが目立った時があった。体の正確な位置が測れず足場から足を踏み外してしまったり、仕掛けに気づかなかったりすることもあったり…

そして、プレイ時間は非常に短め。DSというフォーマットに深いボリュームを詰め込んだせいだろうか、10時間少々もあればクリアできてしまうと思われる。

フィールドの移動範囲も極めて狭く、そのあたりの薄さが個人的にマイナス要素になっていたりもしている…。

更に、AIで動く味方キャラクターが、イマイチいい動きをしてくれない…
ボス戦時に味方のサポートをせずに戦っていたら、
生き残ったのは自分が動かしているキャラクターだけだったりとかした。