04.ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(DS)の展開
ドラゴンクエストIV 導かれし者たちの展開
展開は、前述した距離が短く感じられる等の理由もあるためか、1~4章までは案外サクサクッと進める。
各1~2時間あればクリア出来るものが多いだろうか、
その代わり、5章は1~4章全部足した分以上に長いものになるが……
パフパフやら風呂場の覗きやらのイベントが出てくるあたりはさすがはドラクエ。
1章はまじめな冒険らしい冒険で、人からの情報を元に、
謎を解き明かして裏に潜む悪者を退治するような展開。
2章は一転してドタバタ劇のような気楽なノリの旅となるが、
内容は結構シリアスで、ストーリー上重要度の高いイベントも揃っている。
3章は2章に輪をかけて気楽な旅となる……
何せ、旅の目的が「商売」だから…。
この旅の気楽さはそのままトルネコの性格にも反映されているかのようで、
後半出てくるトルネコは面白い(痛々しい)行動を連発するようにもなる。
4章はまた一転してシリアスでくそ真面目な旅となる。
何せ、旅の目的が「かたき討ち」だから…。
そして5章は…初っ端泣ける。
ほんと泣ける。
そして仲間が加わるやいなや、未熟な新卒者(勇者)に対する社会の厳しい洗礼のように、
いきなり刺激の強いイベントに遭遇したりもする。
自分が勇者だったら絶対精神病に陥るな…(まあそうならないからこその「勇者」なんだろうけど)
ラスボスは、道化師を演じさせられ、ほんとに哀れとしか言い様のない寂しいキャラクター。
作中で一番可哀相なのはラスボスかもしれない。
ラスボスと戦う直前、闘いの場となる場所の音楽は、「洞窟の音楽」が改められ、
「ほこらの音楽」となっていたのが印象的だった。
まるでそのラスボスの悲哀を象徴しているかのようなBGM。
思えばラスボスの境遇は、漫画の「るろうに剣心」に出てくる「雪代縁」に似ているかもしれない。
一番大事にしていた存在を奪われ、怒りに狂って関係ない存在まで逆恨みの対象としてしまう悲しさが…
「俺が唯一、守りたかったものはすでに貴様に… 貴様に奪い取られている!!」
という縁の言葉を思い起こした。
よくこんな作を20年も前に作れたものだな…
と思うが、人間の欲深さや愚かさ、魔族の純粋さや冷徹さがよく浮き彫りにされた内容。
初めは、人間と魔族が相容れなくもただの種族争いみたいな形だった。
だが魔族の覇権争いの中で、人間の欲深さを利用して、対抗している魔族の地位を煽り、
結果として人間はその魔族の恨みを買うことになってしまった……
そもそも魔族の卑劣な行いがなければ悲しい物語は起こらなかったのだが、
しかし欲深さを利用された人間も自業自得な面もある。
そして何より、ドラクエの世界ではない現実を見れば…
この魔族の卑劣な行いは、決して人間も起こさない行動ではないと思うのだ。
人間も時として魔族以上の魔物になりえて、その傍らで悲しむ人間も現れてくる。
何かそういう教訓めいたものも含まれた作だと個人的には思っている。
本当にいい作で、いい作だけに、
DSというハードで表現するにはちょっと抱えきれない中身だったのかもしれない。
ちなみにDS版は、ダークな内容ゆえにちょっと救いの要素を取り入れたのだろうか、
クリア後にFC版では無かったとある救済措置が盛り込まれているのが必見。
自分のクリアした戦歴はこんな感じだった。
戦闘からは一回も逃げずに、一通りまわって話して、物語を堪能しつつも低レベルクリア、
というワガママな条件を目指してやっていたのだが、
何だかんだでクリアまでたったの15時間。
やろうと思えば1日でクリアも可能だったのか……
そこまで短い感じはしなかったが……
最後に、これだけは譲れない。
シンシア萌え!
- 1
- 2