ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(DS)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

ここは、とある辺境にある小さな村。
一人の少年が、いつものように、剣の修行をしていた。
正直なところ、剣の修行が必要なのか分からないが、
村人達は、熱心かつ優しさをもって、少年のことを育ててくれ、
寂しさも不自由さも無い、平穏な生活を送っていた。

そんなある日、村人の一人が「この村が魔物に見つかった！」と、慌ててやってきた。

あっという間に打ち破られてしまう、少年の日常。

そんな中、時を同じくして、何かを察知したかのように旅に出る、各国の七人の戦士達がいた。

これから、その一人の少年とその七人の戦士達を待ち受ける運命とは…？

• ・ドラクエシリーズの中でも秀逸な程の壮大でドラマチックなストーリー性。
• ・味方…善、敵…悪という単純なくくりでは収まらない、生き様模様の複雑さが物語に深みを持たせており、敵であるはずの魔族に感情移入することが出来てしまう。
• ・FC版との比較で、グラフィックは3D化して奥行きのあるものになり、BGMもクオリティの高いものになった。
• ・若干追加ストーリーが加わり、世界観や難易度も軟らかめになって幅広い層の人達に楽しんでもらえるような仕様となっている。

まず、ドラゴンクエストの4作目であり、FCのリメイク版ということで、プレイする人達の先入観によっても印象は大分異なる作だと思う。FC版をプレイした人ならその印象が先行するだろうし、本作が初めてなら全てが新鮮に映るだろうし……自分はFC版をプレイしていたので、単純にその比較になってしまうことが多かったが、感想は正直…4割がリメイクした良さを感じ、6割がガッカリという感じだった。4作目は個人的に非常に思い入れの強い作だったので、厳しい目で見てしまった部分も多いとは思うのだが…

だが、腐っても鯛ではないが、元々の印象が非常に良いものだったので、大部分ではそれは損なわれるものではなく、結果的な総合評価はやはり高めのものとなった。

音楽的には、勇ましく壮大な雰囲気の曲が多めで、章それぞれにそれぞれのテーマがあり、戦闘の音楽が異なる章もある。基本的にどれも元々の質は良いのだが、やはりFC版のイメージが先行した印象になってしまうので、そのハードの質が高まった分期待も高まり、それが裏切られたと思ってしまったものも結構あった。

特別リメイクしてより素晴らしくなったと思えたのが「戦闘の音楽」と「5章のテーマ」「ラスボスの音楽」「お城の音楽の夜Ver.(オリジナル)」「ほこらの音楽」で、逆に、ガッカリしたのが「2章のテーマ」「4章のテーマ」「4章の戦闘の音楽」「5章の全員揃った音楽」「エンディングテーマ」あたり。

エンディングテーマは……FC版ではストーリーを思い起こし、あと音楽の良さに泣けてしまったが、DS版では何もこみ上げもしなかった……これはいかん。

システム的には、自分にとってはこれは悪く働いてしまったことなのだが、難易度が大分易しくなってしまっている。

そして画面が3D化した影響だろうか、洞窟や塔の中での距離がやけに短く感じられた。一回、自宅でPCを起動させた時に同時に本作もやっていたのだが、なんと起動が完全に終わる前にイムルからバトランドまで行けてしまった。冒険感もへったくれもない。

そして、DSの特性で画面表示が上下2画面ぶち抜きで表示されているので、画面の回転を利用すれば大概の洞窟や塔などは先へ進まずとも、その先に何があるのか見えてしまうというちょっとした裏技も行えてしまう。これはゲーム上結構痛々しい……

そして、道具の持てる数が圧倒的に増えていたり、FC版では無かった場所から武器や防具が拾えたり等、難易度を易しくさせた要素は他にも沢山見つかった。