赤川次郎ミステリー 月の光 ~沈める鐘の殺人~(DS) レビュー・感想・評価
■タイトル:赤川次郎ミステリー 月の光 ~沈める鐘の殺人~
■発売日:2008年11月6日
■開発元:TEAM CRAZE
■発売元:ビクターインタラクティブソフトウェア
■価格:3,990円(税込)
■マイランク:B+
プロローグ・あらすじ
新任教師であるあなたは、「紅葉坂」という名を頼りに、森の奥の女子高に向かっていた———
坂の下であなたを出迎える紅葉たちが、まっすぐに坂を上ってゆく。
長い紅葉坂を登ると、ふいに視界に現れた巨大な門。
鐘のない鐘楼と、大きな池を擁する、「鐘園学園(しょうえんがくえん)」。
そこには、幾つもの謎の事件があなたを待っていた・・・。
歴史に埋もれた不可解な事件、学園に忍び寄る黒い影。
あなたは、いくつの謎に迫ることができるのか!?
総評(ネタバレ無し)
全体を通して思ったのが、『やっぱりしっかりした原作者が作った骨太なシナリオは良いなあ』だった。話の流れや持っていき方が、そのへんの稚拙な作と比べたら全然違う。
前半はやや単調で、古い刑事ドラマのような流れや話の強引さも目立つが、後半グッと面白くなり、『これは…?!』と目を見張る展開が続くようになる。
しかし、基本的にゲームの流れはグッドエンドに辿り着くためにトライアンドエラーを繰り返すような形で、何度も同じ箇所を繰り返し見ることになるので、ダレがち。グッドエンドに辿り着くための選択肢も推理して分かるというものではなく運次第の部分が強いため、総当たり式に選択肢を選んでいく展開になりがちになる。が、その中盤までの流れを乗り越えれば『ようやくここからが本領発揮!』とばかりに面白くなってくるので、途中で投げ出さないことをお勧めする。
話としては本格ミステリーの体だが、事件や推理ものといった感じよりも超常現象やオカルト方面の色が思いのほか強く、終盤以降は一気にその流れが強くなったので、そこは個人的には残念だった。かまいたちの夜のように、ファンタジー色の強い話は本編にするのではなく、サブストーリーとして織り交ぜる形にしてもらいたかった。魔女たちの眠りもファンタジー色が強かったが……なぜかあちらはあまり気にならなかったな。終盤まで推理ものとしての色が強かったためギャップが気になったのかもしれない。
とはいえ、しっかりと設定が練られた制作者側の意気込みが伝わる一作である。オープニングの曲『咲けない花』がハマっていて何回か繰り返し見てしまうほど好きになった。ちなみに自分は全ての要素を見てコンプリートしたが、この作はコンプリートまで辿り着くのは攻略を見ないと不可能に近い。七不思議なんて自分は一通りのエンドを見るまでコルクボードすら出せていない状態だった。
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総評(ネタバレ有り)
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