街～運命の交差点～特別篇(PSP)の基本情報・見どころ・レビュー・感想・評価

『オタク刑事走る!』　脚本／長坂秀佳、平松正樹
渋谷中央署の刑事である雨宮桂馬は、
渋谷のオーロラビジョンに映る謎の文章を見て爆破予告だと断定する。
次々と爆破予告をする犯人を探し、桂馬は5日間渋谷を走り回ることになる。

『The wrong man 牛』　脚本／山崎修
ヤクザから足を洗った牛尾政美は、宝石店の店員高峰綾にプロポーズをするため宝石店に足を運ぶ。
しかしその時元舎弟の孤島三次が宝石強盗を働き、居合わせた牛尾は共犯者と間違われてしまう。
しかも逃走した先では役者の馬部甚太郎に間違えられ、一時しのぎのため芝居をする羽目になる。
果たして牛尾は容疑を晴らすことができるのか?

『The wrong man 馬』　脚本／山崎修
馬部甚太郎は売れない役者である。
テレビドラマで初めて大役が舞い込んでくるが、うまく演じられず自信をなくしていた。
そんな時逃走中の宝石強盗犯、孤島三次に兄貴分の牛尾政美と間違えられたため、
馬部は仕方なしにヤクザの世界に足を踏み入れることになる。
もし元ヤクザの牛尾を演じ切れず、NGを出したら命は無い。
三流役者馬部の人生最悪の3日間が始まる。

『七曜会』　脚本／長坂秀佳、岩片烈
篠田正志は平凡な大学生である。
大手企業にコネで内定をもらって喜んでいたが、ある日、日曜日と名乗る謎の女性が
内定取消になるような事実をつきつけて脅迫してくる。
脅迫に屈した正志は日曜日の命令通り他人を脅迫をしていくうちに、次第にその面白さに目覚めていく。

『シュレディンガーの手』　脚本／長坂秀佳、横山至
市川文靖はテレビドラマのプロットライターとして成功しているが、
その作品は低俗極まりない上に自分が寝ている間に「誰か」が書き起こした身に覚えの無いものであった。
市川は自分の作家としての良心を守るため、テレビ業界に一石を投じるため、
最高傑作を書こうと作品に取り掛かる。

『で・き・ちゃっ・た』　脚本／山崎修
緑山学院高校の3年生である飛沢陽平は学校一の人気者。とにかく女の子と遊ぶのが大好き。
しかしある日ハチ公前に呼び出され、会った女性から衝撃の事実を告げられる。
「私、できちゃいました」本命の彼女以外にも、二股は当たり前の飛沢陽平の運命は?

『迷える外人部隊』　脚本／長坂秀佳、横山至
フランス外人部隊に身を置く高峰隆士は3年ぶりに故郷、日本へと戻ってくる。
しかし戦場での出来事がフラッシュバックし悩む。
久しぶりの日本にいても湧き上がる思いは苛立ちばかり。自分の存在意義を見出すために渋谷を徘徊する。

『やせるおもい』　脚本／岩片烈
細井美子は何よりも食べるのが大好きな女の子。
恋人の高田洋一と一緒にケーキ屋に行くが、
洋一は食欲旺盛な美子を見て5日間の間に17キロ痩せなければ別れると言い出す。
美子は愛する洋一のためにと、無茶なダイエットを開始する。

まず最初に出てくる言葉が、「参りました」。正直、ここまで面白い作だとは思っていなかった。自分が本作をプレイしたのは、大元の作が発売されてから実に10年以上も経ってからのことだったが、当初はかまいたちの夜等のシルエットキャラに馴染んでいたためか実写のキャラというのがどうも魅力的に思えず、シュールな笑いを起こすスチャラカストーリーという先入観しか持っていなかった。実際スチャラカストーリーっぽいものも多かったが、話のクオリティはどれも高く、物語に没入してしまうものばかりだった。

本作は8人の主人公から成るオムニバスストーリーのような形だが、それぞれがお互いの物語に影響し合っていて、意外なところで意外な接点があったりするのが面白い。深く絡み合う事はなく、お互いの物語にタッチする程度で各々の物語を展開させていくのだが、一人の行動がもう一人の行動や運命を変えたりしていくのが面白いなと思った。現実世界でも、自分や誰かの行動が少なからず相手の行動や運命を動かしたりしているんだろうなと、考えさせられたりもした。

8人の主人公の中では、特に牛尾と馬部のストーリー、あと陽平のストーリーが面白かった。次点でやせる思いや七曜会あたり。迷える外人部隊は最初は面白くなかったが、読後感の印象はひときわ強かった。

終始真面目な話や、サスペンスドラマ的なノリの話、ラブコメ的な話など、作の雰囲気は人物によって文字通り十人十色だが、サウンドノベル好きの人なら間違いなく勧められる。

まだメジャーじゃなかった頃の窪塚洋介や北陽の伊藤さおりも出演しているので、それを楽しみにプレイするのもいいかも。音楽もツクールっぽいノリもあるが馴染みやすくて雰囲気を盛り上げる印象的なものが多いので、材料としては好材料。