かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄(PS2) レビュー・感想・評価
■タイトル:かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄
■発売日:2002年7月18日
■開発元:チュンソフト
■発売元:チュンソフト
■価格:7,140円(税込)
■マイランク:B+
プロローグ・あらすじ
冬山のペンション「シュプール」で起こる殺人事件を描いたゲーム
『かまいたちの夜』がヒットした礼と称して、
その作者である我孫子武丸から透と真理のもとに一通の手紙が届けられた。
入っていたのは、8月15日と16日の二日間を
洋上に浮かぶ三日月島で過ごすことができるというリゾート旅行への招待状。
実際のシュプールでは殺人事件など起こらなかったのだが、
ゲームの登場人物のほとんどは実際に集った人々であった。
我孫子もその場にいた誰かなのは確かであるが、その正体はわからない。
疑問を抱えながらも遠くはなれて暮らす真理にいまだ想いを寄せている透は、
またとないチャンスとばかりに真理を口説き落とし、
一緒に招待を受けることにした。
そして招待はされていなかったが真理から話を聞いて勝手についてきた
"シュプール"のオーナー・小林と共に、
三人は三日月島へ向かう送迎船に乗り込んだ。
島に到着し、案内されたのは、古びた洋館・三日月館だった。
夏のリゾートを楽しむはずだった彼らに、謎と恐怖に満ちた事件が襲いかかる…。
総評(ネタバレ無し)
前作が実写取り込み作だったのに対し、本作はさすがにロケーション的に実写のみでは無理があったのか実写とCGを組み合わせた作となっている。しかしそのCGや合成のクオリティは素晴らしく高く、ほとんど作り物感を感じずに最後までプレイ出来る。
ストーリーは本編含みファンタジー要素が強まり、リアリティという意味では前作よりも弱まってしまった。話としては時系列的に前作の続きのはずなのだが、前作が『作り話であった』という設定になっていて、これは否定的な意見が多く、自分も前作ではリアリティを感じて実話感を感じていただけに作り物であったという設定は少々興ざめした。
サブストーリーは数多く、それぞれしっかりと作り込まれているので全体としてはかなりボリュームがある。ただ、サブストーリーは前作ではまったく見なかったほどホラーでグロい描写がある話が多く、自分は純粋にホラーとして楽しめたがこれも賛否が分かれるところ。
総じて、サウンドノベルとしては完成度は高い方で、ボリュームもあり、大作感は感じられるのだが、恐怖感が弱まり、話の質としては及ばないといった意味では前作を超えるほどのものではなかった、というのが個人的な総括になる。なぜ恐怖感が弱まって感じられてしまったのかというと、まず前作の猛吹雪中の夜のペンションというロケーションに対して、本作は小さい島ではあるものの建物の周囲も移動できる環境なので閉塞感があまり感じなかったことと、犯人の残忍性や殺意の強さ、力強さがあまり感じなかったこと、あとはやはり現実味が乏しく、感情移入がしづらかった点か。前作が良すぎたからかもしれないが、さすがにそれを超えるまでには至らなかったように思う。
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